以前、大雨の増加は観測されているが、人為的なものかどうかについては、IPCCは「確信度は低い」としていることを書いた。
なぜかというと、たかだか数十年ぐらいの観測データを見て増加傾向にあるからといって、それを人為的温暖化のせいにすることは軽々には出来ないからだ。
図は、イタリアのボローニャでの200年間にわたる記録。一日雨量の年最大値が書いてある。青が毎年のデータ、緑は10年間での最大の雨量、赤は30年間での最大の雨量。
1950年ごろから現在だけ見ればなんとなく右肩上がりに見えるが、200年規模で見ると、それ以前にも雨量が多い年はいくらでもあったことが分かる。
気候は何十年もたつとずいぶん変わるのだ。

(画像=図 ボローニャの降水記録(論文)、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)
日本では、アメダスが整備された期間である1976年以降の45年間のデータだけを見せて、地球温暖化の影響で大雨が激甚化しているなどと主張する人々が沢山いる。
けれども、もっとずっと長期のデータを検討しないと、大雨が増えているなどと安直に結論してはいけない。まして、温暖化のせいにしてはいけない。
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1つの報告書が出たということは、議論の終わりではなく、始まりに過ぎない。次回以降も、あれこれ論点を取り上げてゆこう。
文・杉山 大志/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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