ANAHD・ANAトップが同時交代 新体制で構造改革加速 22年度黒字化へ
(画像=ANAHDの芝田新社長(左)とANAの井上新社長。グループ創立70周年に新体制で臨む、『トラベルジャーナル』より引用)

 ANAホールディングス(ANAHD)と全日空(ANA)のトップが4月1日付で交代する。ANAHD 代表取締役社長に芝田浩二代表取締役専務執行役員、ANA代表取締役社長には井上慎一代表取締役専務執行役員が就任する。ANAHD は22年3月期第3四半期(10~12月)で8四半期ぶりの営業黒字に転換。同期並みの国内線旅客需要が続けば22年度の営業黒字化と最終利益も見通せるところまできた。持続的な成長のためには経営体制の新陳代謝と世代交代が不可欠と判断し、両社社長の同時交代を決めた。

 ANAHDの芝田新社長はアライアンスなど国際関係の経験が豊富で、近年はグループの経営戦略を担当してきた。会見では「コロナ禍の影響から一刻も早く業績を回復させ、持続的なグループの成長軌道を描くことが課題」などと抱負を述べた。主軸の航空旅客事業はANA、ピーチ・アビエーションに加え、間もなく第3ブランドが立ち上がる。新規領域ではアバターや仮想旅行プラットフォームなど、新たな価値や次世代を見据えた事業に積極的に乗り出している。「グループ事業全体の成長を促し、強靭なグループへの変革に力を尽くす」と意欲を示した。

 ANAの井上新社長はピーチを立ち上げ成功へ導いたことで知られる。昨年からは、保険や金融など日常生活に関わるサービスを網羅してグループの非航空事業収入倍増を目指すANA Xの社長として陣頭指揮を執ってきた。会見では「旅客需要はまだ不透明だが、1日も早い黒字化達成には、お客さまに常に選ばれるエアラインとなることが必要」などとコメント。また、コロナ禍後に向けて、国内線ではピーチとの連携、国際線ではアライアンスが重要な鍵を握るとの認識も示し た。

提供元・トラベルジャーナル

【関連記事】
旅行代金は高くなる? 変化予測と対応のアイデア
人はなぜ旅をするのか 変わる世界と変わらぬ本質
6000万人目標を目指すのか アフターコロナの観光立国論
コロナ禍後のニューノーマル 変わる価値観と旅の提案
旅行業参入、それぞれの理由 水族館からMICE施設まで