ロータリーエンジンが搭載された市販車は、5年前のRX-8の生産終了で全て絶版となってしまいましたが、今尚ロータリー熱が冷めない状況です。今回はロータリーエンジンを排気量の観点から紐解いてみようと思います。
ロータリーエンジンの排気量は?
ロータリーエンジン搭載モデルがマツダのカタログから消えて、5年もの月日が経ちました。なかでもRX-7(FD3S)は、登場からだいぶ経っている車ですが、中古車の相場は新車が青ざめるほどの高値で取引される人気車種です。
しかしながら、肝心の排気量はというと、いくら人気者のRX-7でも、搭載されている13B型の排気量を即答できる方はそう多くないのではないでしょうか?実はFD3Sの排気量は、1308cc(RX-8も同様)です。ここで、『あれ?』と思いませんか?
そう、1300ccというと、フィットやシビックハイブリッド、ヴィッツ、インサイト、デミオと同じ排気量。一方RX-7は、ハイパワーな人気スポーツカー。サーキットを走行すれば、ライバルとして、スープラやスカイラインGT-R、フェアレディZ、NSX等の名だたる大排気量スポーツと肩を並べる車です。そのRX-7の排気量が1300ccって、信じられないですよね。
ロータリーエンジンの動き【動画】
4ストロークエンジンとの違い
なぜ、1300ccの車が、大排気量スポーツカーに遜色ないパワーを生み出せるのでしょうか?それには、ロータリーエンジンの仕組みに秘密があります。
まずは、普通の4ストロークエンジンの仕組みから見ていきましょう。通常の4ストロークエンジン(レシプロエンジン)は、吸気・圧縮・爆発・排気の工程をクランクシャフト2回転で行っています。
対するロータリーエンジンは、おむすび型のローターが回転することによって吸気・圧縮・爆発・排気を行っていますが、ローター1回転あたりに3回の爆発を行っています。つまり、理論上は1回転で得られる爆発によるエネルギーが同排気量のレシプロエンジンの3倍あるということになるのです。
実際には、3倍とまではいきませんが、ロータリーエンジンは排気量が小さくても、高出力を生み出すことがで出来ます。さらに、レシプロエンジンと比較して、ロータリーエンジンは、ローターが回転運動をしているため、ロスが少ないとも言われています。これが、ロータリーエンジンの高出力の秘密です。
1300ccのロータリーエンジンに匹敵するのは?
ロータリーエンジンの高出力の秘密はわかりましたが、1300ccのロータリーエンジンは4ストロークエンジンでは何ccに相当するのでしょうか?1300ccのロータリーエンジンは、4ストロークエンジン(レシプロエンジン)に換算すると、2倍の2600ccほどに匹敵すると言われています。
スカイラインGT-R(R32、R33、R34)のエンジンが2568ccですから、RX-7のライバルがスカイラインGT-R等の大排気量スポーツカーというのは正しかったわけです。
ロータリーエンジンって、実はお得なエンジン?
1300ccのロータリーエンジンの出力が、2600ccの4ストロークエンジンに相当することがわかりましたが、1300ccロータリーエンジンは2600ccエンジンに比べてコンパクトです。大きさだけがメリットではありません。じつは、ロータリーエンジンの自動車税課税時の排気量区分は「単室容積×ローター数×1.5」として換算されます。
つまり、2600ccのエンジンに匹敵するのに、税制上は2000ccクラスのエンジンということ。こう考えると、ますますロータリーエンジン搭載のRX-7やRX-8に乗ってみたくなりませんか?
ロータリーエンジンの高出力の秘密は、その構造にありました。そして、ロータリーエンジンは構造や歴史、搭載されている車種等、どの角度から見てみても、魅力が尽きません。ロータリーエンジンを搭載した新型車種の登場も噂されますが、計画が白紙になる可能性がないとも言い切れず、かならず登場する保証はありません。
もし、そのようなことになっても後悔しないように、優良中古車が手に入るいまのうちにロータリーエンジン車に乗っておくのも十分に正しい選択だと思いますよ。
提供元・CarMe
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