仕事ができる人にはそれなりのオーラめいたものが漂いますが、それを際立たせるものはやはり身だしなみです。いくら「デキる男」でも、さえない装いでは「オーラの持ち腐れ」と言えるでしょう。
「自分はそれなりの仕事をこなせるようになっている自覚はあるし、年齢も重ねてミドルエイジの仲間入りをしている・・・」だからこそ「ビジネスシーンで、もっと存在感を出すべきではないか?」などと思い始めることがありますよね。
そんな思いを抱く人達におすすめしたいオーダー服地が「カノニコ」の愛称で世界中のファッションを愛する男達に親しまれている「Vitale Barberis Canonico(ヴィターレ・バルベリス・カノニコ)」です。
なぜならカノニコ服地の、色の冴えと深みは他の追随を許さないレベルであり、着る人の存在感を強く彩ります。その面ではエルメネジルド・ゼニアやロロピアーナという超一流服地と比べても、ある意味では凌駕するほどのクオリティをまざまざと見せつけてくれます。
この記事ではカノニコブランドの魅力とその秘密をお伝えしますので、より一層の存在感を出したい人は、ぜひとも参考にしてください!
目次
虎視眈々と「一流」を狙う人こそカノニコ(CANONICO)がおすすめ!
カノニコとは一体どのような生地ブランド?
虎視眈々と「一流」を狙う人こそカノニコ(CANONICO)がおすすめ!
今は中堅どころでも、いつかは自分も一流になりたい人はたくさんいるでしょう。仕事のスキルを磨き、日々の経験から学びゆくことは当然として、忘れてはいけないのが身だしなみからくる存在感を意識するかどうかです。
一流の人には風格や迫力がありますが、もちろん内面から滲み出るダイナミズムも持っているのですが、決してそれだけではありません。彼らほど身だしなみに気を使っている人たちもいないだろうと言えるぐらい、特に服装にはこだわりを持っています。
人の第一印象は、その人がどんな装いをしているかに左右されます。発色の良いネイビーブルーのウーステッッド、あるいは深みあるボトルグリーンのフランネルなどで仕立てられた素敵なスーツを着こなされていたら、もうそれだけでも印象は上がります。
虎視眈々と一流を目指す人には、仕事のスキル向上とともに、カノニコの色の冴えで自分の存在感を冴え渡らせることもプラスになるでしょう!
カノニコとは一体どのような生地ブランド?
カノニコは今や多くの一流ブランドも使えば、膨大な数のテーラーが扱う世界的な服地供給者となっていますが、実は3世紀半という長遠な時を超えて織物を生み出し続けてきた世界最古の織元なのです。その深い歴史と、彼らが生み出す服地の特徴にフォーカスしてみましょう。
織元カノニコ(CAONICO)の350年に及ぶ歴史
現在の「ヴィターレ・バルベリス・カノニコ」はイタリア北部の織物産地である「ビエラ」を代表する、350年の歴史がある世界で最も古いミル(織元)です。英国のハダーズフィールド、日本の尾張一宮と同じく、豊かな自然と良質の水に恵まれた、織物生産に最適のロケーションである「ビエラ」で生まれたのです。
実に1663年まで遡った、税金の取り立ての公的な記録で、バルベリス・カノニコ家の毛織物生産に関する商いがあったことが証明されています。
この記録でカノニコ家が税の支払いに、現金が足りない分を毛織物で収めることが認められたと記されています。他にも、生地染めの技術を会得した貴重な一家であり、その門外不出の技法を父から子に一子相伝して他に漏らさなかった事も証言しています。
19世紀中頃には産業革命の流れの中で機械化を導入し、生産量を拡大します。自動織機の導入で紡績から染色・織り・縮絨加工・仕上げという全工程を一貫しておこなえるようにしました。
オートメーション化の時代も悠々と乗り切る進取性、そして戦争の影
カノニコは19世紀末から20世紀初頭にかけて、当時最高級のドイツ製の織機を導入して、生産のオートメーション化を図りました。1900年代に入ってからは電力を導入し、生産拡大の原動力としました。
1936年、独裁者ムッソリーニのファシズムの嵐が吹き荒れる頃、カノニコ家のヴィターレが立ち上がったのです。戦争の影に蝕まれ、自由を奪われゆく経済活動の中で「企業」として、自らの名前ヴィターレを添えて「ヴィターレ・バルベリス・カノニコ社」を設立します。
戦後の拡大基調に乗る20世紀中盤のカノニコ
第二次世界大戦後、企業戦略と絶えざる技術導入によってカノニコ服地のクオリティは水を得た魚の如く向上し、国際マーケットでの揺るぎない地位を確立しました。ヴィターレの意志を継いだ二人の息子アルベルトとルチアーノはさらに社を株式組織にして脱皮を図ります。
アルベルトはテクノロジー分野、ルチアーノが輸出を担当し、カノニコの地位はますます昇りつめます。クオリティに加えて輸出力はカノニコ社にとって大きいプライオリティ(企業の競争優位性)となりました。現時点では輸出75%、イタリア国内25%の比率になっています。
新しい時代に向けて、現在カノニコ社の大いなる航海の操舵はアレッサンドロ、フランチェスコ、そしてルチアの新世代3人が担っています。
カノニコの特徴・魅力|服地の滑らかさ・色の冴え・深みの秘密はこだわりの一貫生産にあり
前述のように、カノニコは一貫生産を徹底しており、だからこその妥協もブレもない品質を保ち続けているのです。この一貫生産は大きく分けて7つの段階があります。
第1段階 洗浄
第一段階の作業は、素材の居場所を自然界から人間界に移し替える重要な工程です。ローラーで刈り取った羊毛を良質の水で洗浄して、不純物や汚れを除去するという、高級素材にするためには不可欠な準備です。
第2段階 コーミング
次に羊毛繊維は温められて「スライバー」というテープ状になり、ウーステッド用であれば短い繊維を取り除いて平行に並べる「コーミング(櫛で梳くという意味)」をおこないます。半加工された素材は「トップ」と呼ばれます。
第3段階 紡績
トップはさらに大きく束ねられて、何度もコーミングをされます。最終的な「スライバー」に撚りをかけるのが紡績加工です。複数の糸を組み合わせて撚るために耐久性が生まれます。
第4段階 染色
染色には3種類あり、トップの塊ごと染める「トップ染め」、糸段階で染める「糸染め」、そして生地になってから染める「後染め」で、それぞれ持ち味が違います。専門家による緻密で正確な管理が必要な作業です。
第5段階 経糸成形
「経糸」=縦糸と「緯糸」=横糸は、2本がしっかりと絡み合ってこそ生地になるので、基本的な要素です。よって経糸を巻き取る工程は実に重要です。経糸の順番を間違えて織機の目が通ると、生地として明らかな欠陥となります。複雑に糸が絡み合う構図は、幾何学的な美しさがあります。
第6段階 織り
上下運動をする経糸の間を緯糸が走り、「筬(おさ)」が打ち込まれます。経糸の間に通された緯糸を通すごとに、幅広く丈夫な筬で打ち込んでいって、少しずつ生地が形成されてゆきます。これが「織り」の工程であり、そして熟練した職人の目でチェックされるのです。
第7段階 仕上げ加工
織りあがる生地に不具合があった場合は、熟練職人が手作業で補正をします。その後に、夏物なら表面の起毛を除去して滑らかさを与えるクリアカット作業、冬物なら石鹸水に浸す「地のし」とも呼ばれる「縮絨加工」をおこない、生地を引き締めます。他にも様々に仕上げの技術が使われる最終工程です。
妥協を排した7段階の証がブルー系(ネイビー)やグリーン系に代表される色の冴えと深み
最初の洗浄は糸の染まり具合や光沢、ハリ・コシなど生地の特性すべてに関わってきます。カノニコの色目で定評があるブルー系(ネイビー等)やグリーン系の服地には一目で分かる色の冴えや深みの効果が顕著に出て、他社の服地とは一線を画しています。