合成の顔のほうが信頼されている結果に

次に二回目の実験では、219人の新しい実験参加者に顔の分類方法(見分け方)をトレーニングし、フィードバックを実施。しかし、事前にトレーニング三を行ったにもかかわらず、AIと本物の区別の精度は59%にしか向上しなかったようです。

そして三回目の実験です。今回は223人の参加者に、同じ800人の顔から選んだ128人の顔の信頼度を、1(非常に信頼できない)から7(非常に信頼できる)の尺度で評価してもらいました。その結果、驚くことにAIによる合成顔の平均評価値は、本物の顔の平均評価値よりも7.7%信頼度が高かったといいます。

つまり、本物の顔と比較してもAIによる合成顔のほうが実験参加者に与える「信頼度」が高いことがわかりました。この結果について研究チームは、AIにより合成された顔は、いわゆる「平均的な顔」に似ているため、より信頼性が高いと判断されるのではないか、と考えているようです。

研究チームは今後ディープフェイクへの対策として、「画像や映像の合成ネットワークに電子透かしを組み込み、ユーザーのもとに届く段階で、確実に識別できるようにする」などのセーフガードを検討すべきとしています。

AI-synthesized faces are indistinguishable from real faces and more trustworthy

(文・Takeuchi)

提供元・TECHABLE

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