所有と経営の分離を進めよう

上記で経営者がEXITしにくい理由と具体的なボトルネック解消に関して、私が現場で感じたことを記述しましたが、これは日本に多く存在するオーナー経営者に向けたものです。オーナー経営者、つまり会社の所有者であり経営者という状態だからこそ、EXITしにくいのです。

もし経営だけを行う経営者であれば、株主総会でクビになるだけです。すぐに他の企業の経営をすることもできますし、一社員として就職活動を行うことも可能です。いわゆるプロ経営者というのはこのように流動的です。オーナーであれば株式が紙くずになるだけです。

おそらくデービット・アトキンソンさんの言う生産性が低い中小企業の多くはオーナー経営者ではないかと思われます。オーナー経営者から、所有と経営の分離を進めていければ、生産性の低い経営者は退場しやすくなるでしょう。そうすればより生産性の高い企業を生み出せる経営者に企業を任せることができます。

ただ、そのための道のりはかなり長いでしょうから、まずは今の企業経営者がEXITしやすくするところから、初められたらと思います。

文・松本 孝行/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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