神秘的な冬の余呉湖

この余呉湖は、非日常感あふれる特別な地です。特に場所柄ゆえ、冬は雪が積もりやすく、まさに「銀世界」ともいうべき風景を楽しみやすくなっています。真冬の余呉湖周辺の風景は寒々しくも鮮やか。都会ではまず味わうことのできない「冬の美しさ」がどういったものかをじっくり堪能できるでしょう。

周辺には田畑があり、そこにもまた積雪が。よく晴れた日には水面に青空が反射し、妙味の「映え」を見せてくれます。

対岸には民家、そして釣り堀があります。この湖はワカサギ釣りの名所としても、多くの釣り人にも親しまれているようです。
お腹が空いた時でも大丈夫。湖周辺にはいくつか食堂があり、ワカサギの天ぷらはじめさまざまなメニューが提供されています。

この日は「食事処 舟戸」というお店でラーメンを食べましたが、シンプルながらとても食べやすく、冷えた身体にそのあたたかさが染みわたりました。

この周辺の美しさは、湖だけが織りなしているものではありません。
空もまた冷たく澄み切っており、そこに浮かぶ白雲それぞれが「存在感」を持っているかのように思えます。

陽射しも眩しく、まるでさし込むかのよう。この地で数々の神話伝承が生まれたのも納得なほど神秘性が感じられます。

余呉湖もうひとつの魅力として有名なのが「鏡湖」。
風がなく波が立たない日は湖面がまるで巨大な鏡のようになり、空の風景をそのままくっきりと映し出すとされています。まさに「絶景」とも呼ぶべき見事なもので、このことから余呉湖は「日本のウユニ塩湖」とも呼ばれているようです。
条件が限られるためなかなか出会えるものではありませんが、死ぬまでに一度はこの目で見ておきたいものです。
気候の変化に注意

このように魅力的な観光地である余呉湖ですが、楽しむにあたって気をつけておかなければならない点もあります。それが気候の変化です。
余呉湖はその地理的事情のため、時折激しい吹雪が発生することがあります。その勢いすさまじく、あたり一面が見えなくなり、激しい雪つぶてに身体が痛くなるほどです。

その光景は日常でまず出会えるものではなく、ある種の美しさは確かにあります。ただし、同時に生命の危険を感じるほど、強烈で力強いものです。
また、一旦吹雪になれば長時間その状態が続く可能性が高く、スケジュールにも大きな狂いが生じます。
ですので、雲行きが怪しくなってきたと思ったら、駅へ引き返しいつでも帰れるようにしましょう。それが難しければ、最寄りのビジターセンター等の施設へ避難してください。