テーマは流氷
「ところで、お客さんは納沙布岬に行きたいの!?」
突然、運転手に聞かれた。
・・・ええ。
「今の時期、納沙布岬は何もないかもなぁ・・・」
・・・そうなんですか・・・!?
「あ、流氷だったら見られるよ。」
これでこの旅のテーマが決まった。
納沙布岬
しばらく進むと、前方に灯台のようなものが見えてきた。
「次は終点、納沙布岬~」
・・・やっと着いた
喜び勇んでバスを降りた。
だだっ広い通りの周辺に建物がポツン、ポツンと建っているだけだった。
おまけに、冷たい風がピューピュー吹いている。
東京で3月の中旬といえばかなり風が暖かいが、ここは根室。
寒風吹き荒れる中、日本最東端の灯台に歩みを進めた。
日本最東端
ここが日本最東端か・・・
しかしバリケードがあって中に入れない。
ここは灯台。
観光施設ではない。
しかし、周りには何も遮るものもない。
灯台に上らずとも視界はバッチリだ。
沖にはバカでかい流氷がゴロゴロしている。
よく目を凝らすと、何か黒っぽいものが幾つか動いているようだ。
なんだろう!?
何かよくわからないまま、しばらく見入っていた。