希望通りの相応の人物になればいい
会社の人事担当としては「お金や待遇など、自分のメリットばかり意識するのはダメだ。企業理念などに共感して一緒に働きたくなるような人が来てほしい」と思うかもしれない。
確かにスキルも人格もなく、待遇ばかり求める社員は勘弁してもらいたいという気持ちは生まれるかもしれない。「スキルも経験も乏しいのに、待遇ばかり求めるのは高望み」と感じる人事担当がいても不思議ではない。だが、それなら高望みにならなければ問題はないはずだ。
企業が人を採用するときは、提示する年収と同等かそれ以上のパフォーマンスを期待する。当然だ。大事なのは支払う給与以上のパフォーマンスを出せる人材になることである。それならシンプルに、受け取る給与以上にパフォーマンスを出せばいいだけの話だ。そうなれば、相応の待遇を要求されても、企業としては高望みにも不満にも感じないはずである。
◇
筆者は経営者の立場として、人事採用やクラウドソーシングで外注をしてきた。その経験からいえば「仕事は何でもやります。お金にはこだわりません」という人材より「このくらいやるから、報酬はしっかり出してほしい」という人材の方が、仕事のパフォーマンスが高かった感覚がある。「それなりの報酬は求めるけど、パフォーマンスもしっかり出す」という意思表示は、自分の仕事の自信の現れであり、自分を客観視して市場価値を冷静に算出出来ているとも取れる。
以上のことから、少なくとも自分自身の体験的にいえば、給与や待遇にこだわるのは悪くないと思うのだ。
■最新刊絶賛発売中!
■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka
■YouTube動画で英語学習ノウハウを配信中!
文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
【関連記事】
・「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
・大人の発達障害検査をしに行った時の話
・反原発国はオーストリアに続け?
・SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
・強迫的に縁起をかついではいませんか?