この「買収マニア」の山東如意が資金難に陥っている。山東如意の年次報告書によると、昨年6月時点での有利子負債は約317億元(4755億円*)だ。レナウンへ売掛金の支払いが滞った恒成国際は、親会社の山東如意が連帯保証社になっており、本来であれば山東如意がレナウンに払うべきだが、多くのブランド買収で膨れ上がった債務のために、レナウンを救済する余裕などなかったわけだ。否、そもそもアパレルメーカーのレナウンが恒成国際に販売したものが羊毛、綿花、綿糸、テキスタイルなどの原料だったというから、この取引自体も不可解だった。今年3月、当時の神保佳幸レナウン社長は、「当社には、親会社の山東如意から派遣されているメンバーもおり、取締役全員でこの売掛金の回収を解決する」とコメントしていたが、結局は果たすことができなかった。

  文・高村 学/提供元・SEVENTIE TWO

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