
アビスパ福岡 VS 名古屋グランパス
2021シーズン開幕戦結果:1-2
この開幕戦は、名古屋グランパスが守備の堅さを証明した試合だった。逆にアビスパ福岡からすれば、5年ぶりのJ1復帰の出鼻をくじかれた試合と言える。福岡の最終結果は8位で4度目の挑戦となる悲願のJ1残留を決めたのだが、ここでは名古屋に注目しよう。
J1優勝を目指す名古屋にとっては、当然開幕戦を無事に勝利で飾ったことが大きい。吉田豊のオウンゴールで1点を失うも、試合を通して安定的な守備力が観られた。オウンゴールのシーンも、福岡の金森健志がボールコントロールに成功しシュート体制に入ったところ、吉田が先に触った形。満足にシュートを打たせなかったこのワンシーンを切り取っても、高い守備力の証明と言えるのではないだろうか。
名古屋は第2節以降、日程の都合上先に行われた第19節を含め、9試合連続無失点という数字を残している。最終順位5位となった2021シーズン全体を通して見ても、失点数は首位川崎の「28」に次ぐ「30」だった。開幕戦の相手シュート数「4」という数字から考えても、この試合で堅牢な守備という印象をJリーグ全体に植えつけたと言える。

湘南ベルマーレ VS サガン鳥栖
2021シーズン開幕戦結果:0-1
サガン鳥栖に注目しよう。2021シーズン開幕前、鳥栖は必ずしも前評判の高いチームではなかった。前シーズン終了後の移籍市場で、原川力、原輝樹、金森健志ら主力級の選手が多く他チームへ流出したからだ。
そんな中にして残留争いに巻き込まれることも十分あり得ただけに、鳥栖がこの開幕戦で終盤にPKを沈めて勝ち切ったことは大きかった。また、そのPKを決めた林大地をはじめ、スタメンに名を連ねた松岡大起、中野伸弥ら若手の活躍も見られた。彼らは第2節以降も安定したパフォーマンスを発揮し、6戦無敗と無失点に貢献している。
鳥栖の最終結果は7位で、終盤の戦績を見れば見るほど開幕戦から始まった好調が重要だった。夏の移籍市場では、前半戦の功労者である林大地、松岡大起が流出。以降、前半戦では無かった3点以上の大量失点での敗戦も複数ある。シーズン序盤の好調が無ければ、より下位に沈んでいたことだろう。
今冬の移籍市場、鳥栖からはエドゥアルド、樋口雄太、仙頭啓矢といった主力が流出しており、昨年以上に苦戦が予想される。また開幕戦でリズムを作れるか、新しいヒーローが誕生するか、いずれにしても見ものだ。
久々にJ1に復帰したジュビロ磐田、京都サンガを含め、2022シーズンはどんな年になるのか。また今シーズンの開幕戦は最終結果にどんな影響を与えるのか。J1リーグは2月18日(金)川崎対FC東京のオープニングマッチで開幕を迎える。
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