目次

  1. 生まれた羊から50年前の羊の特徴がくっきり
セイメェェェの神秘!?50年凍結された“最古の精子“から羊が誕生
(画像=Credit:sydney.edu、『ナゾロジー』より引用)

Point

■50年冷凍保存されていた羊の精子で受精が成功
■産まれてきた羊は50年前の形質を再現した
■品種改良の比較に有用かもしれない

オーストラリアで、50年前に凍結保存された羊の精子から子供が誕生しました。しかも、生殖に必要な能力は、1年間凍結保存した精子と変わらなかったそうです。

生まれた羊から50年前の羊の特徴がくっきり

「今回の試みは長期間凍結保存された精液の実用性を示すものです。この結果は液体窒素で50年凍結された精液でも受精できる可能性を維持していることを示しています」この実験を行ったシドニー大学のSimon Paul de Graaf准教授はこう語りました。

今回の実験は羊の精子を卵子の入っている液体の中に入れて人工授精させる「媒精」という手法が、凍結解凍された精子でもできるのかを確かめるものでした。この際56頭の羊に媒精が行われ、そのうちの34頭で妊娠に成功しました。

この約60%という数字は、最近凍結された精子を使って行った媒精と全く変わらない成功率であり、そのため研究チームも驚いたそうです。

セイメェェェの神秘!?50年凍結された“最古の精子“から羊が誕生
(画像=50年前のメリノー種の羊。首から肩にかけて大きな皺ができている。Credit:sydney.edu、『ナゾロジー』より引用)

産まれてきた羊は20世紀半ばのメリノー種の特徴をきちんと持っており、毛皮を多く採れるように品種改良された、皺だらけのだぶついた皮膚を持って産まれてきました。これは現代の羊には無い特徴で、毛のカットが難しかったことや、蝿蛆症(ようそしょう)というハエ由来の病気に弱かったためこの品種は無くなってしまったようです。

インタビューでは更に、過去の羊を再現して現在の品種改良と比較させることができるとも発言しました。

「アカウントは凍結されたらおしまいだけど、精子なら復活できるので人生はTwitterよりアド説」を唱える時が来たかもですね。(人も凍結されたら普通死ぬ件)

reference: sydney.edu / written by 白大根

提供元・ナゾロジー

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