
セルティックのアンジェ・ポステコグルー監督は、オーストラリア代表にFIFAワールドカップ・ロシア大会出場権をもたらした実績を持っている。そんなポステコグルーが14日、オーストラリアメディア『Stan Sport』のインタビューでロシアW杯出場決定直後に代表監督を辞任した理由を語った。
ポステコグルーはAリーグ(オーストラリア1部)のブリズベン・ロアーやメルボルン・ビクトリーなど複数クラブを率いると、2013年10月にオーストラリア代表監督に就任。2014年のFIFAワールドカップ・ブラジル大会で指揮したほか、2015年には自国開催のアジアカップで優勝を成し遂げていた。
そしてロシアW杯アジア最終予選では日本やサウジアラビアとW杯本大会出場権を争ったものの、惜しくも3位で大陸間プレーオフへ回る。その大陸間プレーオフでは北中米カリブ海予選4位のホンジュラス相手に1勝1分で終了。見事W杯本大会出場を決めたが、ポステコグルーはホンジュラス戦2ndレグから2週間後に代表監督辞任を表明していた。
そんなポステコグルーはロシアW杯本大会前でのオーストラリア代表監督辞任について「お試し離脱だ」とジョークを飛ばしつつも「アジアカップの優勝にこだわったのは、それがオーストラリアサッカーの分岐点になると思ったからだ。私はアジアカップをユーロと同じ位置づけで考えていた。デンマークであれギリシャであれ、どんな国であってもユーロで優勝すると、その国が何かを達成したような気になるのさ」
「アジアカップ優勝で私にパワーがもたらされる、国としての地位が確立されて『オッケー!これが今の我々の姿だ』と言えるようになると思っていたのさ。我々がアジアにおけるブラジルやドイツの存在でありたかったし、それが私の出発点だった」と2015年に行われたアジアカップでの優勝を大きな目標に掲げていた理由を語る。
つづけて決勝・韓国戦での勝利から1週間後に自分の理想と国民のサッカーに対する注目度や情熱との間で乖離があったことを認めた上で「(アジアカップ優勝後に)起こったことや周囲にもたらす影響について、私は読み間違えたんだ」と振り返る。
そしてポステコグルーは「あのロシアワールドカップを通して、本当にサッカーで強い国になるために必要なことを理解していないというサイクルに再び戻ってしまったと感じたのさ。ワールドカップの出場権を獲得することだけでなく、アイデンティティを持つことや何かを信じることが大切なんだ」とオーストラリア代表がアジアカップ優勝により巡って来たチャンスをものにできなかったという見解を示した。
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