サムスン電子の上半期戦略スマートフォン「Galaxy S22」の発売が遅れかねないという主張が持ち上がっている。ぎりぎりまで追い上げてきたアップルを追い抜くため、Galaxy S22シリーズのヒットを待ちに待ったサムスン電子の対応が注目を集めている。韓国メディア「dailyimpact」が報じた。(写真:Galaxy S22 レンダリングイメージ:Evan Blass)

2日、IT情報リークで有名なジョン・プロッサーは先月31日(現地時間)、ツイッターを通じ「供給網問題でGalaxy S22ラインナップの発売が遅れる」と明らかにした。事前予約はアンパック当日の9日から始まるが、モデルによっては発売日が延期される場合があるという。収益性の良いGalaxy S22ウルトラだけが今月25日に発売され、Galaxy S22とGalaxy S22プラスは来月11日に発売されるという説明だ。

サムスン電子は昨年発売した「Galaxy Z Fold3・Flip3」の発売以降、供給が最大2カ月まで遅れたことがある。Galaxy Zシリーズは、全世界で800万台が売れ、ヒットに成功した。しかし半導体供給が円滑でなかった上、初期数量予測に失敗したため、事前予約だけが2回延長された。サムモバイルやテックレーダーは、出庫遅延事態が今回も繰り返される可能性が高いと予想している。

部品品薄による供給遅延は予想されていた問題だ。サムスン電子は第4四半期カンファレンスコールを通じて「スマートフォン市場はコロナ19長期化による部品供給課題などで不確実性があり、スマートフォン需要の減少も予想される」とし「戦略スマートフォンの販売を持続的に拡大し、平均販売単価を高めて売上成長を続ける一方、年間を通したマーケティング活動を強化して戦略スマートフォン販売量を極大化していく」と述べた。

業界ではサムスン電子がGalaxy S22シリーズに社運をかけていると評価している。ここ2年間、販売量が低迷し、シェアが下落したためだ。業界関係者はデイリーインパクトに「年間3億台以上、シェア20%台という記録が崩れただけでも衝撃が大きかった」とし「昨年の成長率まで鈍化し、ライバル会社のアップルや後発走者の中国企業の追撃は手に余るほど」と指摘した。

サムスン電子は「苦難の時間」を過ごしている。市場調査会社のカウンターポイントリサーチによると、昨年、世界スマートフォン市場でのトップはサムスン電子だったが、順位とは別に、有意義な成長を遂げられなかった。2位のアップル(17.2%)とのシェア格差がわずか1.7%ポイントまで縮まった。

さらに渋滞の沼に閉じこめられた格好だ。サムスン電子の昨年の年間成長率は0.9%に止まった。アップル(25.5%)、シャオミ(35.1%)、OPPO(32.8%)、VIVO(25.2%)などライバル会社が20~30%台の成長率を記録したのとは対照的だ。

そのため、サムスン電子は無線事業部の名称をMXに変え、カスタマーエクスペリエンスを強化し、今年に3億台以上のスマートフォンを販売するという戦略を立てた。

一部では、サムスン電子がGalaxy S22シリーズの価格を、前作と同様のレベルに合わせるだろうという見方が出ている。メモリ半導体を含む部品供給が円滑でない上、原材料・物流費など原価圧迫が大きくなり、前作より100ドル(約1万2千円)程度高いとの見方が優勢だった。しかし、スマートフォン市場でシェアが縮まるにつれ、戦略的スマートフォンの販売台数を最大化するため、「薄利多売」の方向に舵を切ったという見方が有力とされている。Galaxy S21シリーズの場合、基本型が99万9900ウォン(約9万5千円)、プラス119万9000ウォン(約11万4千円)、ウルトラ145万2000ウォン(約13万8千円)だった。

アップルが第1四半期中に普及型モデルを発売する予定であるだけに、Galaxy S22シリーズの出庫が遅れることになれば、サムスン電子の販売戦略には赤信号が灯らざるを得ない。マーケティング業界関係者はデイリーインパクトに「前作が2500万台ほど売れたため、今年の目標値を達成するにはもっと攻撃的に素早く製品を出さなくてはならない」とし「部品問題が続いているため、サプライチェーン管理をしても発売遅延は避けられない」と述べた。

一方、Galaxy S22シリーズは今月9日(米国現地時間)、アンパックで公開される。Galaxy S22ウルトラは、水玉模様の背面カメラに角ばったデザイン、Sペン内蔵型でNoteシリーズと統合した。スーパークリアレンズ搭載で光のイラジエーションと反射を最小限に抑え、夜間の撮影性能が改善される。

Galaxy S22の基本型とプラスは、前面には1000万画素の前面カメラが、背面には5000万画素のメインカメラと1200万画素の超広角カメラ、3倍ズームが可能な1000万画素望遠カメラなどトリプルカメラが搭載される。ディスプレイの解像度も前作と同じFHD+だ。バッテリー容量だけが基本型3800mAh、プラス4600mAhで違った。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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