デサンティス氏も破壊される?

さらにトランプ氏を苛立たせているのが、デサンティス氏がトランプ氏と予備選で対決することを明確にしていないことだ。続々と大物の共和党議員がトランプ氏の2024年大統領選の出馬を支持する中、デサンティス氏はその流れに同調していない。

それを受けて、デサンティス氏はトランプ氏を押しのけて、大統領の座を虎視眈々と狙っているのではないかという推測がされている。

もし、彼がトランプ氏と雌雄を決することになれば、2016年に完膚なきまで叩きのめされた前フロリダ州知事のジェブ・ブッシュ氏やフロリダ州選出の現上院議員のマルコ・ルビオ氏のような末路を辿るのか。筆者は(2024年大統領選までだいぶ時間があり恐縮だが)デサンティス氏がそう簡単に倒される人材ではないと考える。

デサンティス氏の強みは共和党の支持層が誰なのかを理解しており、彼が実施してきた保守的な政策や言動はそれを如実に示している。伝統的な共和党の主義主張に固執し、民主党に宥和的だという印象から脱却できなかった、ブッシュ氏やルビオ氏にはなかった特徴である。

果たしてデサンティス氏はトランプ氏の対抗馬となりうる存在になるのか。影響力を強める共和党の二大巨頭の行方に目が離せない。

文・鎌田 慈央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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