2月3日にSpaceXはFalcon9でStarlink衛星49機を打ち上げましたが、地磁気嵐の影響を受けて、最大40機が8日の時点で大気圏に再突入するか、すでに再突入していると発表しました。地磁気嵐とは、太陽風などで地球が持つ磁気が乱れる現象のことです。

SpaceXは衛星を打ち上げた後、不具合によって制御不能なデブリとして軌道上に残さないように低い軌道にまずは衛星を投入し、初期のシステムチェックを行います。ここで不具合が発生している場合には大気圏に突入させることで衛星を破棄し、問題ない場合には軌道高度を上げることで所定の軌道に衛星を投入しています。

一般的な衛星の打ち上げでは、初めから目的の高度に投入することがほとんどであり、Starlink衛星の軌道投入は大型のコンステレーションならではの珍しい方法だと言えます。

今回は、地磁気嵐の影響で、衛星が受ける大気抵抗が通常の50%以上増加し、大気抵抗を抑えるためにセーフモードへの切り替えが行われました。その後、Starlink衛星の軌道を上昇させることができない状況となり、大気圏に再突入せざるを得ないようです。

SpaceXは、Starlink衛星がほかの衛星と衝突したり、大気圏に再突入する際に燃え尽きるように設計されているため地上に衛星の部品等が落下したりする危険性がないことを説明しています。

提供元・宙畑

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