2022年2月6日、ドイツにあるリンスドルフ橋(Rinsdorf bridge)が爆破によって見事に解体されました。

となりにある新しい橋を傷つけずに解体する必要があるため、爆破は入念に計算されたという。

しかも、このリンスドルフ橋の高さは70mとのことで、ドイツで爆破解体された中でも「最も高い橋」として記録されました。

ドイツの古い橋の爆破解体に成功!隣の橋も無傷

ドイツのリンスドルフ橋は、高速道路の一部を担う高架橋(高さ70m、長さ500m)です。

55年前に建設された橋であるため、老朽化が進んでおり、高速道路としては危険な状態にありました。

そのため代わりの橋がとなりに建設されることになり、2021年12月に開通。

あとは古いリンスドルフ橋を解体するだけの状態でした。

55年続いた「ドイツの橋」の爆破解体に成功! 真横には新しい橋が…
(画像=ドイツのリンスドルフ橋 / Credit:GBNews(YouTube)_WATCH: Bridge in Germany destroyed during controlled demolition(2022)、『ナゾロジー』より引用)

橋の解体法はいくつかあります。

たとえば、重機を使ってコンクリートに打撃を与えて砕く「ブレーカー工法」や、高速回転させた円盤状のブレードで細かくカットしていく「カッター工法」、また爆薬を用いる「爆破解体」などがあります。

今回採用されたのは、爆破解体です。

爆破解体は周囲に人や建物が存在しないことを条件としますが、安価で瞬時な解体が可能だったり、重機が入り込めない場所でも解体できるなど、さまざまなメリットがあります。

55年続いた「ドイツの橋」の爆破解体に成功! 真横には新しい橋が…
(画像=16本の柱を爆破 / Credit:GBNews(YouTube)_WATCH: Bridge in Germany destroyed during controlled demolition(2022)、『ナゾロジー』より引用)

今回用意されたのは120kgの爆薬であり、16本の柱に設置されました。

すべての柱をタイミングよく爆破することで、橋の残骸が真下に落ちるようにしています。

当然ですが、となりの新しい橋を傷つけてはならず、残骸を遠くに吹き飛ばしてもいけません。

そのため専門家は、重力の作用、柱が折れる方向、爆薬の量など、さまざまな面を慎重に計算しました。

では、爆破の結果はどうなったのでしょうか? 実際の映像がこちらです。

現地時間の午前11時、近隣の住民が見守る中、爆破解体が実行されました。

動画には、爆破解体の一瞬の出来事がしっかりと収められています。

爆風を最小限に抑えつつ、きれいにリンスドルフ橋が崩れ落ちたのです。

55年続いた「ドイツの橋」の爆破解体に成功! 真横には新しい橋が…
(画像=爆破解体された古い橋の奥には新しい橋が見える / Credit:GBNews(YouTube)_WATCH: Bridge in Germany destroyed during controlled demolition(2022)、『ナゾロジー』より引用)

しかも古い橋が崩れると、背後から新しい橋が無傷な状態で姿を現しました。

まさに完璧な爆破解体でした。

ドイツでは、これまでに高さ70mの橋が爆破解体されたことはなく、「爆破解体に成功した最も高い橋」という記録が残されました。

この様子はTwitterでも拡散され、見事な爆破解体を称賛する人も多いようです。

ドイツでは現在、およそ60の橋が架け替えや修理を必要としており、工事待ちも多いとのこと。

老朽化による倒壊事故を防ぐために、今後も効率のよい解体作業と新橋建設が求められるでしょう。

今回のような見事な爆破解体も、近いうちにまた見られるかもしれません。


参考文献

Watch a perfectly executed bridge explosion in Germany

German engineers blast Rinsdorf bridge, set new record


提供元・ナゾロジー

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