時計価格の相場が全体に上がり気味だが、それでもじっくり探してみれば、まだまだお値打ち感のあるモデルはある。特に注目したいのは、長年多くの時計ファンに愛されてきたロングセラーの定番モデルだ。
長年にわたって多くの愛用者に支持されてきたロングセラーは、厳しい審美眼を経て磨かれてきた実績がある。特に時計は工業製品としては珍しく、数十年にわたって基本的なデザインを変えていないモデルが少なくない。こうしたロングセラーは、ぱっと見ただけで“あの時計”とわかるだけの知名度を獲得している。一見しただけでいい時計だとわかってもらえるのだ。
デザインは大きく変わっていないとは言え、機能面も数十年そのままというモデルはまずあり得ない。ディテールの質感やケースサイズは現代的にブラッシュアップされているモデルがほとんどであり、ムーヴメントや外装についても最新の技術を盛り込んで現代的なスペックに更新されている。ブランドとしてもこうしたロングセラーは看板商品であるだけに、現行モデルでもかなり力が入った力作が目立つのだ。
今回は価格帯を50万円以下と50万円以上に分けて、それぞれのオススメモデルをピックアップして紹介しよう。
【50万円アンダー】おすすめモデル
タグ・ホイヤー カレラ キャリバー5 デイデイト

■Ref.WBN2012.FC6502。SS(41mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.5)。33万5500円
ホイヤー時代の1963年に誕生して以来、60年近い歴史を誇る“タグ・ホイヤー カレラ”。歴史が長いモデルだけに多くのマイナーチェンジを重ねて進化しており、モータースポーツのエッセンスを取り入れつつ、どんなシチュエーションでも着けやすい洗練されたスタイリングが持ち味となっている。実用的なデイデイト表示にバーインデックスのダイアルは静謐な印象で、オン/オフのどちらでも使えそうだ。タグ・ホイヤーというブランドの人気度に加え、精度の高さで評価されるCal.5搭載機で30万円台前半という価格はかなり魅力的だ。
【問い合わせ先】LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL.03-5635-7054
【50万円アンダー】おすすめモデル
オリス アクイスデイト キャリバー400

■Ref.01 400 7769 4135-07 8 22 09PEB。SS(41.5mm径)。300m防水。自動巻き(Cal.400)。40万7000円
オリスは1960年代半ばに1000m防水のプロ向けダイバーズウオッチを開発していた実績があるが、その伝統を現在受け継いでいるコレクションがアクイスだ。ベーシックなダイバーズウオッチのデザインを踏襲しつつ、美しいグラデーションダイアルの採用など、随所にオリスらしいセンスを感じさせる。ムーヴメントは自社開発のCal.400を搭載しており、安定した動作で5日間のパワーリザーブを誇る。オーバーホール推奨期間に加え、保証期間(マイオリス登録が条件)も10年と長く、耐磁性能もハイレベル。実用時計としては非常にハイスペックで、そのコストパフォーマンスは抜群だ。
【問い合わせ先】オリスジャパン TEL.03-6260-6876