機械式時計の最高峰として知られるトゥールビヨン。しかし、多くの場合は数百万円を超える高級機に搭載されているため、まさに高嶺の花といえる複雑機構だ。
そこで、近年注目されているのが、“デイリートゥールビヨン”と呼ばれる、カジュアルな価格帯のトゥールビヨンである。本来トゥールビヨンという機構は非常に複雑で、一説には1/1000mm単位で精密に作られた100以上の部品が必要とされている。しかし、時計製造技術が発達したことによって、品質はしっかりと確保しながらも、手を出しやすい価格を実現することが可能となったのだ。一方で、コスト削減のために中国などで一貫製造され、デザインやパーツの作りが甘いものが多いのも事実である。
そうしたなかで、ほかとひと味違う品質と魅力を備えているのが、ドイツ時計産業の中心地、フォルツハイムで創設されたヴァルドホフだ。同社も中国のメーカーからムーヴメントの供給を受けているが、他社と大きく異なるのが、企画立案、組み立て、品質管理をドイツで行っているという点である。 そんなヴァルドホフのトゥールビヨンシリーズであるウルトラマティックの既存モデル3モデルに加え、日本未発売3モデル、そして日本限定1モデルの計7モデルがクラウドファンディングサイト“machi-ya”にて先行販売が開始されるため、詳細をお伝えしていきたい。
ウルトラマティックシリーズ
【日本初上陸カラーをチェック!】
今回新たに日本初上陸の3色が先行発売される。それぞれ、個性を有したカラーリングであるため、その魅力を解説していく。
ダイヤモンド シルバー アジュール(日本未発売)

シルバーケースに鮮やかなライトブルーMOPをのせた日本未発売モデル。爽やかな装いと相性が抜群で、洗練されたスタイリッシュさが魅力的だ。
ブラック パール(日本未発売)

クールなブラックMOPとシルバーのケースが融合したラギットな1本。シーンを選ばず着用できる王道タイプのカラーが大きな魅力。
レッド ゴールド ブラック パール(日本未発売)

ローズゴールドカラーのケースにブラックMOPを合わせたラグジュアリーなモデル。シックかエレガント雰囲気を纏った時計となっている。
【日本先行販売カラーをチェック!】
日本限定で先行販売されるモデル。日本人が好むシンプルな色合いのなかにも、文字盤にさりげなく装飾が加えられているなど、随所にこだわりがうかがえる意欲作だ。
ダイヤモンド シルバー(日本先行発売)

シルバーを基調としたシンプルな色合いの日本先行販売モデル。余計なものは一切排除した、まさにシンプルイズベストを体現した時計だ。
【共通スペック】
■SS(42.5mm径)。日常生活防水。手巻き(Cal. Peacock 5212 Co-Axial Tourbillon)。25万4000円
文字盤にローマインデックスを配したクラシックなデザインをベースにしつつ、立体的なデザインを採用することで現代的な雰囲気と高級感を強調。

6時位置のトゥールビヨンを囲むフレームを最上段にして、3時位置と9時位置のサブダイアル、12時位置の放射状装飾の順に高さを変えたレイヤード構造を採用し、トゥールビヨンの造形を際立たせているのが面白い。パーツの作りの良さに加え、デザインにもドイツブランドならではのこだわりが光る。
【3時位置の24時間表示のサブダイアルをチェック!】

3時位置に配置された24時間表示のサブダイアル。ヘアライン仕上げを施した放射状のアワーリング、ドーム状に仕上げた世界地図という立体感を重視した設計により、奥行きと高級感を際立たせている。
【9時位置のパワーインジケーターをチェック!】

9時位置にはアップライトのローマインデックスを植字した外周の時間表示リングの内側に、歯車を見せたスケルトン仕様のパワーリザーブインジケーターを配置。立体的な造形が視認性と美観を両立している。

また、“ウルトラマティック”では、パーツの作りにこだわるだけでなく、ムーヴメントの改良まで実施。ドイツ本社で自動巻きムーヴメントを手巻きにモディファイし、安定した精度と美観を追求している。

完成までに40を超えるサンプルを試作したというデザインにもこだわりが光る。このムーヴメントはトゥールビヨン、パワーリザーブインジケーター、24時間表示が文字盤の下半分に配置される設計なのだが、12時位置に扇形の装飾を追加してデザイン要素の偏りを調整。均整のとれたデザインに仕上げている。

クラウドファンディングサイト“machi-ya”にて開始される先行販売では、日本未発売のモデルも含めたウルトラマティックシリーズが通常価格25万4000円のところ、32%オフの17万2720円、日本先行販売モデルは28%オフの18万2880円で購入できるプランが用意されているため、気になる人はそちらも併せてチェックするといいだろう。
また、商品の詳しい情報などは公式ホームページを確認することをお勧めする。
時計製造技術の向上によって手が届く価格帯を実現したトゥールビヨンを手に入れてみてはいかがだろうか。
【問い合わせ先】
トライディア
MAIL:info@tridia.co.jp(※問い合わせはメールにて対応)
文◎川田健人(編集部)
提供元・Watch LIFE NEWS
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