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理由その2:コスト
理由その3:外観デザイン

理由その2:コスト

【徹底解説】三角窓って?なぜ無くなっていったの?その理由とは
(画像=『CarMe』より 引用)

ご覧の現行型ヴィッツにも三角窓はありますが、これは開閉できません。ほかにもミニバンタイプの車種で多く見られます。小さくても開閉できれば役立ってくれそうなものですが、やはりそうはならない理由はあるはずで、ここで考えられるのは「コスト」の面です。

ヴィッツのようなケースで開閉できない三角窓が備わるのは上下開閉できるドアガラスの面積を制限するためという理由があります。ドア内部のガラスを格納するスペースの問題やガラス自体の重さがパワーウインドウ機構に与える負担を軽減するため、という目的もあります。いわば開閉できない三角窓はなにもそうしたくて備わっているわけではなさそうです。

またそうした副次的な理由の三角窓ですから、積極的にコストをかけて回転式開閉機能を昔のように与えるという考えにも至らないのでしょう。

理由その3:外観デザイン

自動車は年々デザイン性が高まっています。スタイリングの美しさを重視するあまり元々あった機能的な部分が後退していくという現象は各部で見られるわけですが、三角窓もそのひとつに数えていいのではないでしょうか。

俗にフラッシュサーフェースなどと呼んだりしますが、車体の表面に段差を作らないように設計し、空力性能や見た目のよさを重視するという考え方。三角窓のようなものを取り付けるとどうしてもその開閉機構で凸凹ができます。これを嫌うという面があるということでしょう。

考え方、作り方によってはフラッシュサーフェースと三角窓の機能を両立させることもできるのでしょうが、先に記しましたエアコンの普及やコストの問題とも絡んで、必要性を感じなくなった、というのが正直なところなのでしょう。

また、比較的容易に開閉できる三角窓は盗難や車上荒らしが横行する原因という説もあって、そんな防犯面からの要求も少なからずあります。