米国株(アメリカ株)投資の基本をわかりやすく解説!証券会社や初心者向けのおすすめ銘柄も紹介
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米国株投資と聞くとハードルが高いと感じる人が多いのではないでしょうか。しかし米国株投資は実はシンプルな投資方法であり、日本株よりも少ない金額で投資ができるので、投資初心者でも簡単に始めることができる取引です。米国株投資の初心者に向けて、米国株の基礎知識から証券会社や個別銘柄の選び方まで解説してきます。

米国株投資を始める前に覚えておきたい基本情報

Q:米国株投資を始めるにあたって最低限知っておくべき知識はありますか?
A:米国株式市場の種類やNYダウ、S&P500といった主要株価指数については理解しておく必要があるでしょう。市場の種類や株価指数についての知識がなければ、米国株式市場の状況を自分でつかみ、投資判断をすることができません。

米国株取引を始めようとする人は、まず米国株式市場についての最低限の基本情報を整理しましょう。基本情報を正しく理解することで、米国株投資のイメージをより具体的に持つことができます。

そもそも米国株(アメリカ株)とは何か?

米国株とは?
米国の証券取引所に上場する株式のことです。米国株式市場の時価総額が世界全体の時価総額に占めるシェアは40%程度と非常に大きく、米国株式市場では世界中の投資家が取引を行っています。

米国株にはアップルやアマゾン、マイクロソフトといった日本でも有名な大企業や優良企業が数多くあります。米国の上場株式へ投資をすることを米国株投資と呼び、米国株投資を通じて日本からこうした企業へ直接投資することで、株主になれます。

米国株(アメリカ株)の主な取引所は?

米国株の主な取引所は次の2つです。

米国株の主な取引所

  • ニューヨーク証券取引所(NYSE)
  • ナスダック(NASDAQ)

日本から投資ができる米国株のほとんどはこのどちらかの市場に上場しています。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)

ニューヨーク証券取引所とは?
ニューヨーク市のウォール街にある米国を代表する証券取引所で、約2,000社が上場しています。設立は1817年と200年以上の歴史があり、日本でいう東証一部に相当するメイン市場です。

ニューヨーク証券取引所への上場審査は世界一厳格ともいわれています。そのため上場企業はいずれも優良企業ばかりで、実際にコカ・コーラ、マスターカード、ナイキといった世界的な有名企業も多く上場しています。

ナスダック(NASDAQ)

ナスダックとは?
1971年に設立された世界最大の新興企業向け証券取引所であり、世界初の電子株式市場でもあります。3,000社を超える企業が上場しており、有力なベンチャー企業やIT企業も多数あります。

近年の世界経済をけん引しているGAFAM(グーグル[アルファベット]、アップル、メタ[フェイスブック]、アマゾン、マイクロソフト)はすべてナスダックに上場しています。

米国株(アメリカ株)の代表的な3つの株価指数とは?

米国株の株価指数はいくつもありますが、その中でも次の3つは非常に重要です。米国株投資をする場合、その指数の意味を知り、値動きを確認する習慣をつけておくべきでしょう。

米国株の代表的な指数

  • NYダウ
  • ナスダック総合指数
  • S&P500

それぞれの指数について簡単に解説していきます。

NYダウ

NYダウとは?
「ダウ工業株30種平均」とも呼ばれる株価指数であり、ダウ・ジョーンズ社が算出、公表を行っています。米国を代表する30銘柄で構成される株価指数であり、銘柄は適宜入替が行われます。1896年の算出開始当初は製造業を中心とした銘柄構成であったため、工業株という単語が入っていますが、現在は時代に合わせてIT企業やサービス産業銘柄も組み入れられています。

NYダウは米国を代表する企業で構成される株価指数であり、知名度も高いので、米国の主要企業の動向を簡単に確認できます。一方、30銘柄で構成される株価指数のため、米国市場全体の動きを必ずしも反映するものではないという点も押さえておくべきでしょう。

ナスダック総合指数

ナスダック総合指数とは?
ナスダック市場に上場している全銘柄で構成されている株価指数です。時価総額の加重平均で算出され、1971年2月5日の数値を100としています。

ナスダックの全銘柄を対象とした株価指数のため、米国の新興企業やIT産業の動向を見る指数として非常に重要です。IT産業が経済に占める割合が高くなってきた近年においては、米国の経済状況を占う指標としての重要度も高まっています。

S&P500

S&P500とは?
米国の主要500社の時価総額を加重平均した株価指数であり、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出、公表を行っています。

S&P500の構成銘柄はニューヨーク証券取引所やナスダックの上場銘柄から選ばれ、米国市場の時価総額の80%程度をカバーする株価指数になります。S&P500の値動きは米国株式市場全体の動向を反映しているとも言える重要な指標です。構成銘柄の入れ替えも定期的に行われます。

米国株(アメリカ株)の取引時間は?

米国株の取引時間は次の通りです。

現地時間:9:30~16:00
日本時間:23:30~翌6:00(サマータイム 22:30~翌5:00)

取引時間はニューヨーク証券取引所とナスダックで共通です。日本の株式市場と違い、昼休みはないので、この時間中は常に売買が行われていることになります。また、3月の第2日曜日から11月の第1日曜日の間はサマータイムが適用されます。

米国株の取引を行う場合、日本時間の深夜に取引を行う必要があります。

ちなみに、米国株は上記以外にも時間外取引にあたるプレ・マーケットとアフター・マーケットという制度があります。それぞれの取引時間は次の通りです。

<プレ・マーケット>
現地時間:8:00~9:30
日本時間:22:00~23:30(サマータイム 21:00~22:30)

<アフター・マーケット>
現地時間:16:00~20:00
日本時間:6:00~10:00(サマータイム 5:00~9:00)

なお、2022年1月時点でプレ・マーケット、アフター・マーケットに国内の主要証券会社で参加できるのはマネックス証券のみとなります。

米国株の取引時間は現地時間で、市場の取引時間(立会時間)9:30~16:00に加えて、8:00~9:30の「プレ・マーケット」、16:00~20:00の「アフター・マーケット」があります。立会時間は6時間半ですが、プレ・アフターマーケットの取引時間を加えると、最大12時間もお取引いただくことができます。

出典:マネックス証券

米国株(アメリカ株)が注目されている3つの理由

Q:最近米国株投資を取り上げるメディアが増えていますが、その理由は何ですか?
A:米国株式市場が好調であり、利益を狙えることが大きな理由です。また、米国企業の株主還元主義の姿勢や、国内証券会社におけるインフラ整備なども理由に挙げられます。

近年注目を集めている米国株投資ですが、その理由は主に次の背景によるものです。

米国株が注目されている理由

  • 米国株式市場の安定的な成長
  • 米国企業は株主優先主義
  • 国内証券会社のサービスが充実

米国株式市場の安定的な成長

米国の株式市場は長期にわたって成長を続けています。1991年末から2021年末までの30年間での株価の伸びは各株価指数で次のようになっています。

日経平均株価 :1.25倍
NYダウ :11.47倍
S&P500 :11.43倍
ナスダック総合指数 :26.68倍
出典:投資の森

日経平均株価が30年で25%しか成長していないのに対し、米国株の指標は軒並み大きく成長しています。ナスダック総合指数に至ってはこの30年で26倍を超える伸びを見せています。1992年にナスダック総合指数と日経平均株価へ100万円の投資をしていた場合、ナスダック総合指数では2,600万円超になっているのに対し、日経平均株価ではわずか125万円にしかなりません。

また、米国株式市場は近年でも力強い成長を続けています。2019年末から2021年末までの2年間での株価の伸びは各株価指数で次のようになっています。

日経平均株価 :1.22倍
NYダウ :1.27倍
S&P500 :1.48倍
ナスダック総合指数 :1.74倍
出典:投資の森

過去2年間で見た場合でも、米国株式市場は日本よりも力強い成長をしています。新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた2年間ですが、米国市場はコロナ禍でも確実に成長を続けていることが分かります。

このように、過去30年の長期でも直近の2年という短期でも、安定した成長を続けてきた点が米国株式市場の大きな魅力です。米国株が注目される背景にはこうした市場の力強さがあります。

米国企業は株主優先主義

米国企業には会社は株主のものであるという考えが根付いており、稼いだ利益は株主配当や自社株買いを通じて株主へ積極的に還元すべきという株主優先主義が定着しています。

生命保険協会の調査によると、企業が1年で稼いだ利益のうち株主還元にあてる割合を示す総配当性向の数値は2016年度で次のようになっています。

日本株(TOPIX構成企業) :44%
米国株(S&P500構成企業) :114%
出典:一般社団法人 生命保険協会

日本株が稼いだ利益の半分弱しか株主還元に回していないのに対し、米国株は稼いだ利益をほとんど株主へ還元していることが分かります。日本企業では残りの半分程度は社内に留保されますが、この内部留保の活用が課題と言われています。近年は米国にならって株主還元を重視する企業も増えてきていますが、まだまだ米国株の水準には届いていません。

米国株ではこの高い総還元性向に基づいた高配当銘柄や連続増配銘柄が多くあり、日本株には少ないインカムゲインに期待した投資ができるという点も米国株が注目される理由の1つです。

国内証券会社のサービスが充実

米国株は原則として国内の証券会社を通じて購入します。近年の米国株の好調などを受けて国内証券会社は米国株の取引サービスを拡充する動きを続けています。多くの証券会社では米国株投資の取扱い銘柄数を順次増やしていっており、投資情報の充実や取引サイトの利便性向上などにも力を入れています。

各証券会社のサービスが充実し、また競い合うことで米国株投資の利便性が増していっており、それに比例して米国株投資への注目も高まっています。

米国株式と日本株式の違いとは?

Q:日本株式と同じ感覚で米国株式に投資できますか?
A:日本株式と米国株式は同じ株式ですが、取引ルールや企業慣習は日本と米国で異なる点があります。米国株式に投資をするにあたっては、取引単位、制限値幅、株主還元といった違いを押さえておくべきでしょう。

米国株は米国に上場している株式なので、米国の法律に基づいて取引され、多くの企業は米国の慣習に沿った経営を行っています。投資を行う上での米国株と日本株の主な違いを紹介しましょう。

日本株式と米国株式の違い

  1. 米国株は1株単位で投資が可能
  2. 米国株にはストップ高、ストップ安がない
  3. 米国株には年4回配当の銘柄が多い
  4. 米国株には株主優待制度がない

日米株の違い1:米国株(アメリカ株)は1株単位で投資が可能

日本の上場銘柄では単元株制度が採用されており100株単位で売買を行うことになりますが、米国株は1株から投資が可能です。1株単位で購入できるので、表示されている株価に為替レートを掛けることで簡単に投資金額の計算が可能です。

また、米国株は1万円以下で購入できる銘柄も多くあり、10万円あればほとんどの銘柄を購入することができます。例えば、コカ・コーラの株価は60.8ドル(2022年1月28日時点)なので、円換算すると1株あたり6,992円で購入可能です(1ドル=115円)。

日米株の違い2:米国株(アメリカ株)にはストップ高、ストップ安がない

米国の証券取引所にはストップ高、ストップ安という制度がありません。つまり米国株には1日の制限値幅がなく、1日で大きく値下がりや値上がりをする可能性があります。日本株の場合には制限値幅が定められており、1日の変動幅には限界があります。

なお、米国の証券取引所ではサーキットブレーカーという制度が導入されています。これは相場が急変している場合に取引を一旦停止させ、投資家に冷静に投資判断を行う時間を与える趣旨で設けられています。ただし、取引を完全に停止するわけではなく、一定時間後にはまた取引が再開されるので、制限値幅とは異なる仕組みです。

日米株の違い3:米国株(アメリカ株)には年4回配当の銘柄が多い

米国株では四半期決算のたびに配当金を支払う年4回配当の銘柄が多くあります。日本株のほとんどは年1~2回の配当なので、米国株では小まめに配当を受け取ることができます。これは企業慣習の違いであり、稼いだ利益を株主還元に回すという企業文化が根付いている米国ならではと言えます。

日米株の違い4:米国株(アメリカ株)には株主優待制度がない

日本では多くの企業で採用されている株主優待制度ですが、米国株には基本的に株主優待制度はありません。これは米国では株主還元は配当か自社株買いによって行うべきという企業文化が根付いているためです。

日本企業では自社製品の提供や、サービスを割引する株主優待制度が個人投資家に人気であり、多くの企業は株主のために株主優待制度を採用しています。しかし、株主優待制度は金銭的価値に置き換えることが難しいサービスで提供されることもあり、企業間での比較が難しいといった側面があります。配当金や自社株買いによる株主還元が原則の米国の方が、シンプルで分かりやすいと言えるでしょう。

米国株投資には魅力が満載!5つのメリットを解説

Q:米国株投資ならではの魅力やメリットはありますか?
A:米国株投資には様々な魅力やメリットがあります。具体的には少額から投資ができる、高配当銘柄も多い、世界的な有名・優良企業が多いなどが挙げられます。

米国株投資にある様々な魅力やメリットを紹介してきます。

米国株投資のメリット

  1. 少額からの投資ができる
  2. 高配当銘柄や連続増配銘柄が多い
  3. 世界的な有名・優良企業が多い
  4. 流動性が高い
  5. 有力な新興企業が多い

米国株投資のメリット1:少額からの投資ができる

米国株は1株から投資ができます。株価もほとんどの銘柄で数十ドル~数百ドルとなっているため、1銘柄あたり数千円~数万円という金額で購入が可能です。米国株と聞くとハードルが高いイメージもあると思いますが、100株単位での投資が原則の日本株では最低投資金額が数十万円となる銘柄も多くあり、実は米国株の方が少ない投資金額ですむという場合がほとんどです。

また、少額からの投資ができるので限られた資金でも様々な銘柄へ分散投資を行うこともできます。1万円以下で購入できる銘柄も多くあるので、10万円の投資金額で10銘柄以上に投資を行うといったこともできます。

米国株投資のメリット2:高配当銘柄や連続増配銘柄が多い

米国企業は株主優先主義のため、配当などの株主還元に期待できる銘柄が多いというメリットがあります。最近では株高の勢いもあり、配当利回りは低下傾向にありますが、それでも2022年1月14日の終値ベースでNYダウ構成銘柄の半数にあたる15銘柄の実績配当利回りが2%超となっています。また、うち7銘柄は株価が100ドル以下となっており、少額からの投資ができます。

さらに、米国企業には連続増配銘柄が多いという特徴もあります。

連続増配銘柄とは?
年間の配当金を毎年増やし続けている銘柄のことを指します。S&P500の構成銘柄のうち、連続増配を25年以上続ける銘柄を対象にした配当貴族指数という株価指標まであり、実に64銘柄が対象となっています。

安定した業績と積極的な株主還元の姿勢が必要な連続増配ですが、25年以上の連続増配を続ける銘柄が多くあるという点は米国株独自の魅力でしょう。

米国株投資のメリット3:世界的な有名・優良企業が多い

米国は世界経済の中心でもあり、世界を代表する有名企業や優良企業が多数ある点も魅力と言えるでしょう。GAFAM(グーグル[アルファベット]、アップル、メタ[フェイスブック]、アマゾン、マイクロソフト)は全てナスダック市場に上場しており、米国株投資で購入することができます。他にもコカ・コーラ、マスターカード、ナイキといった日本で馴染みのある企業が多数あります。

また、有名なだけではなく、優良企業や大企業も多数あります。例えばスーパーマーケットチェーンのウォルマートは米国だけではなく世界最大の売上高を誇る企業で、2021年1月期の売上高は実に5,552億ドル(約61兆720億円)に上ります。日本株にはないスケール感や魅力的な事業を行う企業を選択肢に含めることができる点は米国株投資の大きな魅力です。

米国株投資のメリット4:流動性が高い

米国株は流動性が高く換金性に優れているというメリットもあります。

流動性とは、株式などにおいて市場に出回る数の多さを表すものとなり、多くの数が出ていれば流動性は高いと表現される事になります。多くの投資家がそれらの金融商品のポジションを持つことによって、市場の動きの影響を受けてそれぞれの思惑の元に売り買いの注文を出すことになります。そのために、どのような相場の動きに対しても売りも買いも注文が成立しやすい状況となるわけです。このような状態を流動性が高いと表現することになります。

出典:東海東京証券

ニューヨーク証券取引所やナスダックを合わせた米国株式市場の時価総額は50兆ドル(約5,500兆円)にも上り、世界の株式市場に占めるシェアは44%近くに上ります。また、売買代金も非常に大きく、ニューヨーク証券取引所やナスダックの株式売買代金は日本の株式市場の数倍の規模があります。
出典:野村資本市場研究所

米国株式市場は世界一の規模を誇るので、取引参加者も非常に多く、高い流動性があります。日本株以上に流動性が高い米国株では、換金リスクは極めて低いと言えます。

米国株投資のメリット5:有力な新興企業が多い

米国は世界経済の中心であり、新しい企業が次々と生まれるなど企業の新陳代謝も活発です。2021年には米国全体で1,000社を超える新規株式公開(IPO)がありました。日本の2021年のIPO件数が約120件であったことを考えると、規模感の違いが分かるのではないでしょうか。

また、米国には、未上場ながら10億ドル以上の企業価値を持つ「ユニコーン企業」もたくさんあります。米調査会社CBインサイツによると2022年1月時点の世界のユニコーン企業数は963社に上りますが、うち489社は米国企業で、日本企業はわずか7社のみでした。
出典:CBインサイツ

米国にはユニコーン企業などの有力企業が次々に生まれる土壌があり、こうした企業がIPOをすれば、米国株投資を通じて購入できるという魅力があります。

米国株(アメリカ株)における4つのデメリット

Q:米国株投資にはデメリットはありませんか?
A:米国株投資には日本株投資と比べていくつかのデメリットもあります。主なデメリットには為替リスク、情報入手が難しいといった点が挙げられます。

米国株投資を行う上でのデメリットを紹介してきます。

米国株投資のデメリット

  1. 為替リスクがある
  2. 為替手数料がかかる
  3. 取引手数料が日本株よりも割高になる場合が多い
  4. 日本株と比べて情報の入手が難しい

米国株投資のデメリット1:為替リスクがある

米国株投資では米国の証券取引所で株式を購入することになります。当然現地での取引通貨は米ドルとなるので、株式投資につきまとう価格変動リスクや信用リスクに加え、米国株投資では為替リスクが追加で発生します。米ドル建ての株価が上がった場合でも、円高が進めば日本円に戻した時に損失となってしまう可能性もあるので、株価の動向と併せて為替の動向もチェックしなければなりません。

米国株投資のデメリット2:為替手数料がかかる

米国株投資は米ドルで行う必要がありますが、日本円から米ドルへ交換する場合には為替手数料が発生します。為替が絡むことにより、リスク面に加えてコスト面でも負担が増える点はデメリットと言えるでしょう。

米国株投資のデメリット3:取引手数料が日本株よりも割高になる場合が多い

売買に係る取引手数料については証券会社ごとに定められていますが、多くの証券会社では日本株と比べると取引手数料は割高となります。

ただしDMM.com証券など、米国株投資の取引手数料を無料としている証券会社もあります。取引手数料は証券会社によって大きく異なるので、米国株投資を行う場合には証券会社の比較を慎重に行う必要があります。

米国株投資のデメリット4:日本株に比べて情報の入手が難しい

米国株投資は米国企業に投資をするので、当然企業のホームページや提出される決算書類は英語で作成されています。特に決算書類についてはビジネス英語や会計英語に長けた人でないと正確に読み解くのは難しいでしょう。

米国株の中でも一部の有名企業や大企業の決算発表は日本のニュースでも報道されます。また証券会社によっては米国企業のレポートを作成している場合もあるので、そうした情報を活用しながら企業状況の要旨をつかんでいく必要があります。

また、米国株式市場は日本の深夜に取引が行われるので、リアルタイムの情報を得にくいという時差の影響もデメリットでしょう。米国で起こった出来事が日本で報じられるのは翌朝ということも多くあります。情報をリアルタイムで入手することは困難であり、情報を常に追いかけていると寝る暇も無くなってしまいます。米国株投資では情報格差があることを最初から念頭に置いておくべきでしょう。

米国株取引で注意したい4つのポイント

Q:実際に米国株取引を行うにあたって、どういったところに気をつければいいですか?
A:米国株投資を行う前に確認しておきたいポイントは、企業業績のチェック、サーキットブレーカーの仕組みの理解、課税関係、投資スタンスの整理などが挙げられます。日本株との違いから理解を深めていくことが重要です。

米国株投資で気をつけたいポイント

  1. 企業業績は必ずチェックする
  2. サーキットブレーカーという仕組みを覚えておく
  3. 日本とは異なる課税の仕組みを理解しておく
  4. 投資スタンスを決める

ポイント1:企業業績は必ずチェックする

米国株へ投資をする場合、企業業績は必ずチェックしておきましょう。米国株の場合は情報をリアルタイムに入手することが難しいので、少なくとも企業の投資時点の業績は把握し、投資後の業績変化に敏感になることで情報格差を少しでも埋めるよう努力する必要があります。もちろん日本株でも業績はチェックするに越したことはありません。

業績のチェックというと決算書を読むことをイメージすると思いますが、英語で書かれた決算書類を読むのは非常に大変です。そこで、証券会社などが提供しているレポートや企業ホームページのIR情報などを通じて要旨を把握できれば問題ありません。

具体的にチェックすべき数字には次のようなものがあります。

ROE(自己資本利益率)

ROE(自己資本利益率)とは?
当期純利益を自己資本で割ることで得られる指標であり、株主資本である自己資本からいくらの利益を上げているかを表しています。

米国では会社は株主のものという意識が強いので、株主が投資した資金である株主資本が利益に結びついているかが重要視されます。

S&P500銘柄のROE平均は2020年度で11%台となっています。ROEが低い企業は株式市場では評価されない傾向にあるので、米国株ではROEの数値を確認しておきましょう。また、ROEは分子が当期純利益となっているため、業績によって変動します。単年の数値だけでなく、複数年での変化の推移やトレンドも重要です。

売上高、純利益成長率

売上高や純利益の成長率も確認しておくべきポイントです。成長率を確認することで企業業績の方向性を確認することができます。米国株投資の場合、細かい情報の入手が難しいケースもありますが、こうした数値を確認して企業業績のトレンドをつかんでおくべきでしょう。

ポイント2:サーキットブレーカーという仕組みを覚えておく

米国株にはストップ安やストップ高がなく、1日で思わぬ損失を被るといったリスクがあります。一方で、相場の急変に備える措置としてサーキットブレーカーという制度が導入されています。

サーキットブレーカーとは?
相場が急変している場合に取引を一旦停止させ、投資家に冷静に投資判断を行う時間を与える趣旨で設けられている仕組みです。

相場急変時にはパニックになってしまい、売買取引ができないことに焦ってしまうことがあるかもしれません。しかし、サーキットブレーカーという仕組みを理解し、発動された場合には冷静に対処するよう心掛けましょう。また、サーキットブレーカーが発動した際には注文が自動で取り消される場合があるので、注文状況の確認も必要です。

サーキットブレーカーの発動条件

米国株式市場に導入されているサーキットブレーカーはS&P500指数の変動によって発動します。具体的には次の3段階に分かれています。

Level 1:現地取引時間9:30~15:25の間にS&P500指数が前日終値より7%下落した場合、15分間取引停止
Level 2:現地取引時間9:30~15:25の間にS&P500指数が前日終値より13%下落した場合、15分間取引停止
Level 3:現地取引時間中にS&P500指数が前日終値より20%下落した場合、終日取引停止

近年では新型コロナウイルスの感染拡大で市場が大きく揺れた2020年3月に米国株式市場でサーキットブレーカーが複数回発動されています。

ポイント3:日本とは異なる課税の仕組みを理解しておく

米国株投資でも利益に対して課税されます。しかし、日本株に対する課税とは異なる点があるので、正しい理解が必要です。売却益(譲渡益)と配当益に分けて説明しましょう。

米国株投資の売却益(譲渡益)については、日本株と同じルールとなります。つまり売却益に対して日本国内で20.315%の税金が課税されます。なお、売却益の計算は円換算で計算されます。

注意すべきは配当益です。配当益については日米租税条約という条約に基づき、米国で10%の税金が源泉徴収されます。これは米国側で徴収される税金です。続いて、残額から日本の税制に基づいて20.315%の税金が源泉徴収され、その残りが手元に配当金として入ります。

つまり、1,000円の配当金を受け取った場合、米国で10%にあたる100円が源泉徴収され、残りの900円から20.315%にあたる182円が差し引かれ、手元には718円が残ります。配当益に対する税金は米国と日本でそれぞれ課税されるため、二重課税と呼ばれる状況が生じます。

配当益の二重課税とは?

配当益の二重課税とは米国株から支払われた配当金に対して、米国と日本のそれぞれで税金が課せられることを指します。つまり、日本のルールでは配当金に対する税金は20.315%でよいものを米国で10%余計に課税されてしまっている状況を指します。

二重課税は投資家にとってのデメリットなので、余計に課税されてしまっている10%分については、外国税額控除という制度を適用することができます。

外国税額控除とは?

外国税額控除とは?
二重課税の状況を解消するために、外国で課された税額分を日本で支払うべき所得税や住民税から控除できる制度です。

外国税額控除は税金の払い過ぎを取り戻せるお得な制度ですが、適用を受けるためには確定申告を行う必要があります。また、確定申告の際には外国で課税されたことを証明する書類が必要なので、証券会社から発行される特定口座年間取引報告書や配当金支払通知書を用意しましょう。
出所:国税庁

ポイント4:投資スタンスを決める

米国株投資を行う際には、投資スタンスを明確にしておくことが非常に重要です。基本的に投資経験が少ない人が米国株へ投資をする場合には中長期での投資を前提にするのが無難です。

米国株では株価が少し上がった場合でも為替で損失が出るというケースもあり、短期投資では利益管理が難しくなります。また、情報入手のスピードや取引ツール、手数料率といった面でも現地の投資家と比べてハンデがあります。米国株では配当金が期待できることもあり、中長期スパンで配当金も含めて利益を得るという姿勢で挑むべきでしょう。

また、日本からの米国株投資では現地と比べて情報格差があるため、情報を先取りして売り抜けるといった投資手法は取り辛いです。相場の流れに逆らわない順張りという投資スタンスで投資を行いましょう。

米国株投資におすすめの証券会社5選

Q:米国株投資をするのにおすすめの証券会社はどこですか?
A:米国株投資ができる証券会社は多くありますが、中でもSBI証券、楽天証券、DMM.com証券、マネックス証券、PayPay証券の5社がおすすめです。それぞれ米国株投資に力をいれており、手数料や取扱銘柄数などで各社の特徴があります。

米国株投資におすすめの証券会社は次の5社です。

証券会社 米国株取扱銘柄数 取引手数料(税込) 為替手数料(1ドルあたり) 米国ETF取扱銘柄数 最低取引単位
SBI証券 4,652銘柄 0.495% ※1 0.25円 339銘柄 1株
楽天証券 4,224銘柄 0.495% ※1 0.25円 355銘柄 1株
DMM.com証券 1,379銘柄 0円 0.25円 ※2 138銘柄 1株
マネックス証券 4,574銘柄 0.495% ※1 買付時:0円
売却時:0.25円
349銘柄 1株
PayPay証券 147銘柄 0.5~0.7% ※3 0.35円 25銘柄 1,000円

(2022年1月18日現在、SBI証券楽天証券DMM.com証券マネックス証券PayPay証券のホームページをもとに筆者作成)
※1 最低手数料0米ドル、上限手数料22米ドル(税込)
※2 配当金受取時は1円
※3 取引時間によって異なる。
  ・現地時間9:30~16:00(日本時間:23:30~翌6:00[夏時間:22:30~翌5:00]):基準価格の0.5%
  ・上記以外の時間帯:基準価格の0.7%

それぞれの証券会社の特徴を詳しく見ていきましょう。

SBI証券……取扱銘柄数業界トップ水準、貸株サービスも提供

米国株(アメリカ株)投資の基本をわかりやすく解説!証券会社や初心者向けのおすすめ銘柄も紹介
(画像=SBI証券のホームページより引用)

SBI証券の米国株取引情報

米国株取扱銘柄数 4,652銘柄
取引手数料(税込) 0.495% ※
為替手数料(1ドルあたり) 0.25円
米国ETF取扱銘柄数 339銘柄
最低取引単位 1株

※最低手数料0米ドル、上限手数料22米ドル(税込)

SBI証券の主な特徴は次の3点です。

SBI証券の特徴

  • 米国株の取扱銘柄数が業界トップクラス
  • 業界最低水準の手数料
  • 米国貸株サービス「カストック」を提供

米国株の取扱銘柄数が業界トップクラス

SBI証券の米国株の取扱い銘柄数は4,600本を超えており、業界トップクラスのラインアップを誇ります。主要な米国株はほとんど網羅しており、IPOで新規上場される銘柄なども随時追加されています。また、SBI証券では米国以外にも中国や韓国、シンガポールなど8カ国の外国株式を取り扱っているので、米国株投資で経験を積んで他の国にも投資をしたいというニーズにも対応できます。

業界最低水準の手数料

SBI証券の米国株取引は手数料も業界最低水準です。取引手数料が無料のDMM.com証券を除けば、他の証券会社に手数料で劣ることも少ないでしょう。また、外国証券口座管理料などのコストもかかりません。

米国貸株サービス「カストック」を提供

SBI証券独自の強みとして米国貸株サービス「カストック(Kastock)」が挙げられます。

米国貸株サービス「カストック(Kastock)」とは?
保有している米国株をSBI証券に貸し出すことで、銘柄と貸株数に応じた貸株金利を受け取ることができるサービスです。

貸株サービスで米国株を貸し出している場合でも、配当金は受け取ることができるので、配当金と貸株金利を受け取りながら、値上がりを待つといった投資スタイルも可能です。また、売却も任意のタイミングで行うことができます。

貸株サービスを利用するにはSBI証券で口座開設後、米国貸株サービスの申し込みをサイト上で行う必要があります。申し込みを行っておけば、保有する米国株は原則として自動的に全て貸し出しが行われます。

お手続きはかんたん!お申し込みだけで、2,000銘柄以上の対象銘柄が自動で貸し出しされます!一度サービスの登録が完了すれば、新たに買付した対象銘柄も対象となります。ただし、お客さまが貸株非対象とした銘柄は貸し出されません。

出典:SBI証券

貸株サービスはSBI証券との市場外の取引となるため、SBI証券の信用リスクが発生します。また、貸株の対象銘柄はSBI証券が定めているので、サービスに対応していない銘柄もあります。

貸株サービスはSBI証券独自のサービスなので、貸株サービスを活用したい人はSBI証券がおすすめです。

楽天証券……取扱銘柄数やツールが充実、楽天ポイントで米国株投資が可能

米国株(アメリカ株)投資の基本をわかりやすく解説!証券会社や初心者向けのおすすめ銘柄も紹介
(画像=楽天証券のホームページより引用)

楽天証券の米国株取引情報

米国株取扱銘柄数 4,224銘柄
取引手数料(税込) 0.495% ※
為替手数料(1ドルあたり) 0.25円
米国ETF取扱銘柄数 355銘柄
最低取引単位 1株

※最低手数料0米ドル、上限手数料22米ドル(税込)

楽天証券の主な特徴は次の3点です。

楽天証券の特徴

  • 米国株を幅広くラインアップ
  • 業界最安値の取引手数料に加え、楽天ポイントも活用できる
  • 使いやすい取引ツールと充実した情報コンテンツ

米国株を幅広くラインアップ

楽天証券は米国株取扱銘柄数が4,200本超と幅広いラインアップを誇ります。SBI証券やマネックス証券に迫る銘柄数を誇り、米国ETFの取扱銘柄数では両社を上回っています。主要な米国銘柄はほとんど取り扱っているので、楽天証券を選んでおけば銘柄選びで困ることは少ないでしょう。

業界最安値の取引手数料に加え、楽天ポイントも活用できる

楽天証券は米国株取引手数料も業界最低水準です。SBI証券やマネックス証券と同水準なので、取引手数料の面でも選ぶ価値があります。また、楽天証券では日々の買い物などで貯めた楽天ポイントを米国株の購入代金に充てることができます。ポイントサービスが活用できるのは楽天証券ならではのメリットなので、楽天ポイントを活用している人は楽天証券での口座開設がおすすめです。

米国株式取引(円貨決済)の購入金額、手数料の一部または、全額に楽天ポイントを利用することができます。ポイント残高が不足している場合は、利用可能なポイント数を利用し、残りは現金で投資いたします。

出典:楽天証券

使いやすい取引ツールと充実した情報コンテンツ

楽天証券は取引ツールが充実しており、その使い勝手にも定評があります。具体的には、「マーケットスピードⅡ」や「iSPEED」など、各デバイスに対応したツールを提供しています。取引にあたっては、ツールの使い勝手は重要な要素なので、評判のよい楽天証券で取引を試してみるのもよいでしょう。また、情報コンテンツも充実しており、定期的に米国株に関するレポートも発信されています。特に投資初心者にとって、情報収集に役立つでしょう。

DMM.com証券……取引手数料が無料、米国株を信用取引の担保にもできる

米国株(アメリカ株)投資の基本をわかりやすく解説!証券会社や初心者向けのおすすめ銘柄も紹介
(画像=DMM.com証券のホームページより引用)

DMM.com証券の米国株取引情報

米国株取扱銘柄数 1,379銘柄
取引手数料(税込) 0円
為替手数料(1ドルあたり) 0.25円 ※
米国ETF取扱銘柄数 138銘柄
最低取引単位 1株

※配当金受取時は1円

DMM.com証券の主な特徴は次の3点です。

DMM.com証券の特徴

  • 取引手数料が無料
  • 保有する米国株式を信用取引の担保にできる
  • 取扱銘柄数も充実

取引手数料が無料

DMM.com証券の最大の特徴は取引手数料が0円と一切かからないことです。もちろん国内の証券会社では最安です。為替手数料についても片道0.25円と他の証券会社並の水準なので、コスト面では大きなメリットがあります。

ただし配当金を受け取る場合に適用される為替手数料は1円となるので、長期保有で配当金を多く受け取りたいという場合にはコストメリットが薄まってしまいます。とはいえコスト面では非常に強みのある証券会社です。

保有する米国株式を信用取引の担保にできる

DMM.com証券では保有する米国株式を信用取引の担保にできます。これによって限られた資金でも投資効率を上げることができ、投資の幅が広がります。

特に米国の高配当株式を長期保有する場合には、保有する米国株の配当を受け取りながら、信用取引の担保としても活用できます。米国株を信用取引の担保にできるのは主要ネット証券ではDMM.com証券のみなので、限られた資金で米国株も信用取引も行いたいという人にはおすすめです。

取扱銘柄数も充実

DMM.com証券の米国株取扱銘柄数は1,300本を超えています。SBI証券や楽天証券、マネックス証券と比べれば劣りますが、それでも十分な銘柄数を揃えています。1,300本を超える選択肢があれば、代表的な米国株はラインアップされているので、困ることも少ないでしょう。

マネックス証券……取扱銘柄数が4500超、買付時の為替手数料0円

マネックス証券の米国株取引情報

米国株取扱銘柄数 4,574銘柄
取引手数料(税込) 0.495% ※
為替手数料(1ドルあたり) 買付時:0円
売却時:0.25円
米国ETF取扱銘柄数 349銘柄
最低取引単位 1株

※最低手数料0米ドル、上限手数料22米ドル(税込)

マネックス証券の主な特徴は次の3点です。

マネックス証券の特徴

  • 4,500本を超える取扱銘柄数
  • 買付時の為替手数料は0円
  • 投資情報などのソフト面も充実

4,500本を超える取扱銘柄数

マネックス証券は米国株に力を入れており、その取扱銘柄数は4,500を超えています。SBI証券に肉薄して業界トップクラスのラインアップです。取扱銘柄は随時追加されており、ほとんどの米国株に投資ができると言っても過言ではありません。

買付時の為替手数料は0円

マネックス証券の米国株取引は取引手数料でSBI証券、楽天証券に並んでおり業界最低水準です。また、為替手数料については円貨決済で取引を行う場合、買付時の為替手数料が無料になります。これはSBI証券や楽天証券にはないメリットです。もちろん外国証券口座管理料などのコストもかかりません。為替手数料も加味すればマネックス証券は非常におすすめの証券会社です。

投資情報などのソフト面も充実

マネックス証券では米国株投資のソフト面を非常に充実させています。投資情報の定期的な発信を行っており、米国株式市場の状況をつかむのに役立つでしょう。また、「銘柄スカウター米国株」というサービスでは米国株の銘柄ごとの業績推移を分かりやすく調べることが可能です。

売上高や営業利益などの重要な業績を過去10期以上に渡りグラフ表示することができます。さらに、前期比の増減率を表示したり、10年前を100として指数化したりなど様々な表示機能を備えています。長期的に成長している銘柄なのか、リーマン・ショック時に業績はどう変化したのかなどの見極めにぜひご活用ください。

出典:銘柄スカウター米国株|マネックス証券

さらに、米国株専用のスマートフォン向け取引アプリ「トレードステーション米国株 スマートフォン」も用意しており、米国株取引を行いやすい環境を整えています。快適な米国株取引を行いたい人にはおすすめです。

PayPay証券……1,000円から米国株投資が可能

米国株(アメリカ株)投資の基本をわかりやすく解説!証券会社や初心者向けのおすすめ銘柄も紹介
(画像=PayPay証券のホームページより引用)

PayPay証券の米国株取引情報

米国株取扱銘柄数 147銘柄
取引手数料(税込) 0.5~0.7% ※
為替手数料(1ドルあたり) 0.35円
米国ETF取扱銘柄数 25銘柄
最低取引単位 1,000円

※取引時間によって異なる。
 ・現地時間9:30~16:00(日本時間:23:30~翌6:00[夏時間:22:30~翌5:00]):基準価格の0.5%
 ・上記以外の時間帯:基準価格の0.7%

PayPay証券は他の4つの証券会社とは少し異なる特徴を持ちます。米国株投資はPayPay証券との相対取引となるため、米国株式市場で購入するわけではありません。また、投資は1,000円以上1,000円単位で行います。PayPay証券は純粋な米国株投資とは少し異なりますが、米国株投資の初心者のスタートツールとなり得ます。

PayPay証券の主な特徴は次の3点です。

PayPay証券の特徴

  • スマートフォンで簡単に米国株投資ができる
  • 有名企業の株式を1,000円で購入できる
  • 厳選された銘柄のみなので選びやすい

スマートフォンで簡単に米国株投資ができる

PayPay証券は気軽に米国株投資ができるという点に大きな特徴があります。スマートフォンのアプリで口座開設から投資までできるので、パソコンも必要ありません。

また、アプリもシンプルで分かりやすい設計になっています。さらに、米国株投資を24時間行うことができるので、いつでも手軽に米国株を購入できます。米国株取引に興味があるけれど、投資経験が少ない人はまずPayPay証券でトライしてみるとよいでしょう。

有名企業の株式を1,000円で購入できる

PayPay証券は1,000円以上1,000円単位で取引ができます。1,000円だけお試しで有名企業の株式を購入してみることもできます。株式には端数が生じる場合もありますが、PayPay証券で売却も手軽に行うことができ、端数でも株式数に応じた配当の受け取りが可能です。投資単位の低さもPayPay証券の特徴です。

厳選された銘柄のみなので選びやすい

PayPay証券の米国株取扱銘柄数は150銘柄に迫ります。他の証券会社と比べると少ないですが、アップルやアマゾン、マイクロソフトやコカ・コーラといった有名企業を厳選して提供しています。PayPay証券は米国株投資の初心者をターゲットにしていますが、米国株投資の入門編としては十分なラインアップと言えるでしょう。

米国株投資を始める証券会社を選ぶポイントは?

Q:米国株投資を始める証券会社は手数料で比較して判断すべきですか?
A:手数料も重要な比較ポイントですが、手数料だけで判断すると失敗する可能性があります。キャンペーンやポイントの活用なども加味してお得な証券会社を探すほか、取扱銘柄数やサイトの使い勝手、投資情報の充実といった点も踏まえて総合的な判断をするのが望ましいでしょう。

米国株投資におすすめの証券会社を紹介しましたが、証券会社ごとに特徴やメリットがあるので、その中から自分に合った証券会社を選ぶ必要があります。米国株投資を始める証券会社を選ぶポイントを6つ紹介しましょう。

証券会社を選ぶポイント

  1. 米国株の取扱銘柄数は多いか
  2. 取引手数料と為替手数料は安いか
  3. お得なキャンペーンがあるか
  4. 初心者でも使いやすいサービスか
  5. ポイントは活用できるか
  6. 取引ツールや情報コンテンツが分かりやすいか

選び方1:米国株の取扱銘柄数は多いか

米国株投資では証券会社ごとに取扱銘柄が異なっており、取引する証券会社で取り扱っていない米国株は購入することができません。米国株の取扱銘柄数が多い証券会社とは米国株投資の選択肢が多い証券会社と言えます。

SBI証券や楽天証券、マネックス証券は米国株の取扱銘柄数が非常に多く銘柄選びで困ることは少ないでしょう。ただし、購入する銘柄をあらかじめ決めている人はその銘柄を取り扱っている証券会社であれば十分とも言えます。

選び方2:取引手数料と為替手数料は安いか

米国株投資に限らず、投資では手数料は安いに越したことはありません。米国株投資にあたって取引手数料が最も安いのはDMM.com証券で、取引手数料はかかりません。SBI証券、楽天証券、マネックス証券は手数料では横並びとなっています。

また、米国株投資では米ドルで投資を行うため、為替手数料も重要です。為替手数料は各社基本的に横並びですが、マネックス証券では円貨決済時の米ドル買付手数料が無料になっています。一方、取引手数料の安いDMM.com証券では配当金受取時の為替手数料が1円と高くなっています。

取引手数料と為替手数料の両方を確認して総合的に比較することが重要です。

選び方3:お得なキャンペーンがあるか

証券会社ごとに期間限定でキャンペーンを行っている場合があります。キャンペーンを活用することでお得に取引ができる場合があるので、証券会社のホームページを確認して米国株投資で活用できるキャンペーンを探してみましょう。

おすすめ証券会社5社のうち、2022年2月2日時点において、米国株投資に関連するキャンペーンを行っている会社は次の通りです。

<SBI証券>
・証券総合口座の開設後、口座開設月の翌月まで最大2カ月間、米国株の取引手数料無料

米国株(アメリカ株)投資の基本をわかりやすく解説!証券会社や初心者向けのおすすめ銘柄も紹介
(画像=SBI証券のホームページより引用)

<楽天証券>
・証券総合口座の開設後、口座開設月の翌月まで最大2カ月間、米国株の取引手数料実質無料(キャッシュバック)
・2022年1月7日~2022年3月31日までの間に米国株の積立投資またはポイント投資を行った場合、楽天ポイントをプレゼント

米国株(アメリカ株)投資の基本をわかりやすく解説!証券会社や初心者向けのおすすめ銘柄も紹介
(画像=楽天証券のホームページより引用)

<マネックス証券>
・外国株取引口座への初回入金日から40日間、米国株の取引手数料を全額キャッシュバック(2022年2月28日まで)

キャンペーンの内容は定期的に更新されるので、各証券会社のホームページで最新の情報を確認してみてください。特に最近は各社が米国株投資に力を入れているので、魅力的なキャンペーンが見つかるかもしれません。

選び方4:初心者でも使いやすいサービスか

米国株投資を始めるにあたっては使い勝手も重要です。特に初心者にも利用しやすい取引サイトであるかは確認しておくべきポイントでしょう。

PayPay証券は投資初心者でも手軽に取引ができるようにスマートフォンアプリで全てが完結するようになっており、アプリも分かりやすく構成されています。また、マネックス証券では米国株の取引時間中である日本時間の深夜でも米国株のコールセンターがつながるようになっているので、取引の際に困ったことがあっても安心です。

選び方5:ポイントは活用できるか

米国株投資でポイントを活用できるかという点も確認しておくべきでしょう。楽天証券では楽天ポイントを使って米国株投資ができるので、日々の買い物で貯めたポイントで米国株投資ができます。

2022年2月2日時点では米国株投資にポイントが利用できるのは楽天証券だけです。また、米国株投資でポイントが貯まるサービスを提供している会社はありません。しかし、今後新たなサービスを提供する証券会社が出てくる可能性もあります。

選び方6:取引ツールや情報コンテンツが分かりやすいか

取引ツールや情報コンテンツが充実しているかどうかも比較するべきポイントです。取引ツールについては、使いやすさや見やすさのほか、スマートフォンからの発注ができるかどうか、指値や成行だけでなく逆指値などでの特殊な注文方法に対応しているかという点も重要です。

情報コンテンツについては、投資情報を定期的に分かりやすく提供しているか、株式の情報を分かりやすく伝えてくれるかという点がポイントです。米国株投資では現地情報を得るのが難しいので、証券会社からの情報は非常に貴重です。情報を得るために複数の証券会社に口座開設をしてみてもよいでしょう。

指値、成行、逆指値とは?

指値や成行、逆指値とは株式の注文方法の種類です。それぞれ次のような注文方法のことを指します。

指値とは?
価格を指定して注文を出すこと。〇〇円以下で買いたい、〇〇円以上で売りたいといった時に使います。

成行とは?
価格を指定せずに注文を出すこと。買い注文の場合、市場に出されている最も高い価格の売り注文と取引が成立します。取引をすぐに成立させたい場合に使います。

逆指値とは?
〇〇円以上になったら買いたい、〇〇円以下になったら売りたいといった時に使う注文方法です。市場の流れについていきたい時や損失拡大を回避したい場合などに使います。

米国株(アメリカ株)はこんな人におすすめ!

Q:米国株投資はどのような人に向いているのでしょうか?
A:米国株投資は投資初心者から投資上級者まで幅広い層におすすめできますが、少額投資から始めたい人や売買を頻繁にはせずに配当金で稼ぎたいといった人には特におすすめです。また、日本企業だけでなく世界的な有名企業に直接投資をしたいという人も米国株投資が向いています。

米国株投資は投資初心者から投資上級者まで幅広い層におすすめできます。海外に投資をすると聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、実際は日本株よりも少額から投資でき、各証券会社の手厚いサポートも期待できるのでハードルは高くありません。その中でも特に米国株投資がおすすめなのは次のような人でしょう。

米国株投資がおすすめの人

  • 少額投資から始めたい人
  • 配当利回りで稼ぎたい人
  • 世界的な有名企業に投資をしたい人

少額投資から始めたい人

米国株投資では1万円以下で投資ができる銘柄も多くあり、少額から投資を始めることができます。米国株投資では10万円の投資で複数銘柄に分散投資を行うことができます。

例えば2022年1月18日時点において1万円以下で購入できる代表的な銘柄として、コカ・コーラやインテルといった企業が挙げられます。あのアップルですら2万円程度で購入可能です。

日本株の場合、最低投資金額は10万円を超える銘柄も多くあります。例えば日本を代表するトヨタ自動車の株を1単元(=100株)購入しようと思うと20万円以上の資金が必要となります。米国株は少額で手軽に分散投資がしたい人におすすめです。

配当利回りで稼ぎたい人

米国企業は株主優先主義であるため、株主還元に積極的です。株主配当もその1つであり、配当利回りで稼ぎたい人は米国株がおすすめです。

米国株には連続増配を続ける銘柄も多くあるので、一時の配当利回りだけで判断するのではなく連続増配を続ける銘柄を選んで投資をすることもできます。

例えばプロクター&ギャンブル(P&G)は足下の配当利回りは2%程度ですが、実に65年にわたって増配を続けています。今後も増配を通じた株主還元が期待できるので、購入時の配当利回り以上の成果も見込めます。

配当利回りとは?

配当利回りとは?
購入した株価に対して、1年間でどれだけの配当を受け取ることができるかを示す投資指標です。

例えば、年間配当が3円の銘柄を100円で購入した場合、配当利回りは3%となります。仮に年間配当が4円に増配されたとすると、購入時の配当利回りは購入時の3%から4%に上昇することになります。増配による株主還元を行う企業の多い米国株では、購入時の配当利回りだけで判断せず、配当の継続性や増配の実績も加味するのが望ましいでしょう。

世界的な有名企業に投資をしたい人

米国株には世界的な有名企業が数多くあります。日本企業にはない規模や成長性をもつ企業に直接投資ができるので、日本株よりもスケールの大きい投資がしたいと考えるような人にも米国株投資はおすすめです。

世界経済をけん引しているGAFAMの株主になることもできます。こうした有名企業に投資をすることで投資への関心を深めることにもつながるでしょう。

米国株(アメリカ株)のおすすめ銘柄5選

Q:米国株投資でおすすめの銘柄を教えて下さい。
A:米国株投資を行うのであれば、日本株にはない魅力を持った企業がおすすめです。圧倒的なブランド力を誇る巨大IT企業や、安定した業績と連続増配を続ける飲料メーカー、有名投資家が率いる投資会社などがおすすめです。

米国株へ投資をするのであれば、日本企業にはない魅力を持った企業がおすすめです。米国株の中でも個性の光るおすすめ銘柄を5つ紹介しましょう。株価と配当利回りは2022年1月18日の終値に基づいています。また、投資金額は1米ドル=115円と仮定しています。

アップル  ……圧倒的なブランド力を誇る巨大IT企業

株価……169.80ドル
配当利回り……0.52%
最低投資金額……1万9,527円

iPhoneやiPadを製造するアップルは米国株投資の入門におすすめの銘柄です。NYダウ構成銘柄の1社でもあります。

主力商品であるiPhoneの好調が続いていますが、近年ではiCloudやApple Musicといったサービス事業も大きく伸びています。配当利回りは決して高い水準ではないですが、自社株買いを積極的に行うことで株主還元を行っており、2021年9月期のROE(自己資本利益率)は147.44%と驚くべき水準です。

2022年1月には世界の企業で初めて時価総額が3兆ドル(345兆円)を突破し、1社だけで東京証券取引所の時価総額の半分近くの規模となっています。半導体の供給不足でiPhoneの製造に影響がでることが懸念されますが、一方で好調なサービス事業がそれを補うべく大きく伸びています。

高いブランド力と魅力的な製品群によって、世界中に多くのファンをもつアップルは今後も更なる成長が期待される銘柄です。高配当銘柄ではないので、投資するにあたっては値上がりに期待する投資が望ましいでしょう。

マイクロソフト ……WindowsやOfficeを手掛けるソフトウェア大手

株価……302.65ドル
配当利回り……0.82%
最低投資金額……3万4,805円

マイクロソフトは米国を代表するソフトウェアメーカーであり、WindowsやOfficeといった主力製品が高いシェアを誇ります。ソフトウェアで覇権を握る米国の有力企業であり、NYダウ構成銘柄でもあります。

近年はOffice365やコミュニケーションツールであるTeamsといったサービスによるサブスクリプション型のビジネスモデルも広げつつあります。WindowsやOfficeといった高いシェアを誇る製品を背景にしたサブスクリプションはマイクロソフトにしかできないものであり、収益力の更なる向上に期待が持てます。

米国を代表する新興IT企業をGAFAと呼んでいましたが、老舗のマイクロソフトがGAFAに劣らずに業績を伸長させていることもあり、近年はGAFAMと呼ばれるようになっています。

配当利回りは高くないものの、2021年6月期のROEは47.07%と非常に優秀な銘柄です。世界を代表する巨大ソフトウェアメーカーですが、まだまだ伸びしろのある銘柄でしょう。

コカ・コーラ ……59年連続増配を継続している世界的飲料メーカー

株価……60.90ドル
配当利回り……2.76%
最低投資金額……7,004円

コカ・コーラも米国が誇る優良企業であり、コカ・コーラのほかファンタやスプライトといったブランドも保有する飲料メーカーです。NYダウ構成銘柄の1社でもあります。連続増配を続ける優良企業としての側面も持ち、2021年2月時点で59年連続増配を継続中です。投資の神様として知られるウォーレン・バフェット氏が長期投資を行っていることでも知られています。

飲料メーカーなので業績に安定感もあり、近年は新興国での需要が伸びています。2020年12月期のROEは40.47%であり、欠点の少ない銘柄と言えるでしょう。連続増配を続けており、業績の安定感もあるので、長期保有で配当を享受することを検討したい銘柄です。

ベライゾン・コミュニケーションズ ……高配当利回りの大手総合通信サービス会社

株価……53.43ドル
配当利回り……4.79%
最低投資金額……6,144円

ベライゾン・コミュニケーションズは米国の大手総合通信サービス会社です。売上高の約7割を一般消費者向けのサービスが占めており、ワイヤレスネットワーク全体で「Verizon」ブランドを提供しています。NYダウ構成銘柄の1社でもあります。

ベライゾン・コミュニケーションズは配当利回りが高く、5%近い水準です。2021年9月時点で15年連続の増配を続けており、今後も安定した配当に期待が持てる銘柄です。2020年12月期のROEも27.54%と高い数値となっています。

通信事業は近年のデータ利用の拡大や5Gへの移行を受け、今後も更なる成長が見込まれます。高い配当利回りを享受しながら値上がりにも期待が持てる銘柄です。

バークシャー・ハサウェイ B ……伝説の投資家ウォーレン・バフェット率いる投資会社

株価……320.29ドル
配当利回り……-%
最低投資金額……3万6,833円

バークシャー・ハサウェイは伝説の投資家と言われるウォーレン・バフェット氏が率いる企業です。保険事業のほか、投資事業を行っているコングロマリット企業です。ウォーレン・バフェット氏を筆頭に投資の目利きに特徴があり、2019年から2020年にかけて日本の総合商社株へ投資を行ったことでも話題になりました。

バークシャー・ハサウェイは配当金を出していません。また、2020年12月期のROEは9.79%と米国株の中では低い水準です。しかし、バークシャー・ハサウェイにはウォーレン・バフェット氏という唯一無二のカリスマがいます。日本株では絶対に代わりが見つからないこうした企業への投資も米国株の醍醐味と言えるでしょう。

コロナ禍で米国株投資を始めた初心者におすすめの銘柄8選

Q:コロナ禍の状況で投資におすすめの米国株はありますか?
A:米国株は世界を代表する優良企業が多数あり、コロナ禍でも期待が持てる銘柄も複数あります。ウェブ会議システム、インターネット通販、動画配信サービスなどを提供する企業はその一例です。

米国株には独自のビジネスモデルを持った企業や世界を代表する優良企業が多数あります。また、コロナ禍で経済環境が大きく変わっていますが、その中でも成長を続ける銘柄がいくつもあります。ここでは、おすすめの銘柄を8つ紹介しましょう。株価と配当利回りは2022年1月18日の終値に基づいています。また、投資金額は1米ドル=115円と仮定しています。

ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ ……WEB会議システムを提供する新興企業

株価……157.70ドル
配当利回り……-%
最低投資金額……1万8,136円

ズーム・ビデオ・コミュニケーションズはWEB会議システムを提供している新興システム会社です。2011年に設立され2019年にナスダックに上場を果たしました。コロナ禍でWEB会議システムの需要が急増したことを受け、2020年に株価は急上昇しました。2021年も業績は伸びましたが、市場の期待値が大きかったこともあり、株価は1年で46%も下落することになりました。

コロナ禍が続く中、WEB会議システムの需要は今後も高い水準で推移していくと見込まれます。2021年に株価が大きく下落した分、投資妙味は高まっているという見方もできる銘柄でしょう。成長途上の企業であり配当金は出していないので、投資をする場合は株価の値上がりに期待しましょう。

アマゾン・ドット・コム ……インターネット通販大手

株価……3,178.35ドル
配当利回り……-%
最低投資金額……36万5,510円

アマゾン・ドット・コムは言わずと知れたインターネット通販の最大手企業です。主力のインターネット通販事業が売上高の半分程度を占めますが、近年ではクラウドサービス事業である「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」や「アマゾンプライム」に代表されるサブスクリプション型サービスが著しい伸びを見せています。

コロナ禍の状況で通販を利用する人は今後も増加していくとみられます。物流インフラを持つアマゾンの地位は今後も揺るがないでしょう。また、クラウドサービス事業やサブスクリプション事業もコロナ禍でも成長が見込める分野です。アマゾンも配当金は出していないので、株価の値上がりに期待して投資をしたい銘柄です。

ネットフリックス ……世界で2億人を超える契約者を誇る動画配信サービス大手

株価……510.80ドル
配当利回り……-%
最低投資金額……5万8,742円

ネットフリックスはサブスクリプション型の動画配信サービスを提供し、190カ国以上で映画やドラマなどのコンテンツを配信しています。総会員数は2億件を超えています。2021年には韓国発のホラー番組「イカゲーム」が世界中で話題になりました。

コロナ禍で外出ができない影響もあり、動画配信サービスの需要は高まっています。競合サービスも多いですが、「イカゲーム」などのヒット作も輩出しているネットフリックスは注目すべき企業です。2022年1月には北米での値上げを発表し、収益力の高まりにも期待がかかります。ネットフリックスも配当金は出していないので、株価の値上がりに期待して投資をしたい銘柄です。

プロクター&ギャンブル ……65年連続で増配を続ける日本でも有名な生活消費財メーカー

株価……156.73ドル
配当利回り……2.22%
最低投資金額……1万8,024円

プロクター&ギャンブル(P&G)は日本でもおなじみの消費財メーカーであり、オムツや洗剤、シャンプーなどで多くのブランドを保有しています。NYダウの構成銘柄の1社でもあります。注目すべきはその連続増配の実績です。実に65年にわたって連続増配を続けている優良企業であり、今後の株主還元にも期待できる銘柄でしょう。

消費生活財を扱っているためコロナ禍においても堅調な業績推移を見せており、2021年6月期のROEは30.8%とさすがと言える水準です。配当利回りも一定水準あり、今後の増配期待を加味すれば、長期にわたって配当を享受したい銘柄と言えます。

セールスフォース・ドットコム ……ビジネス支援ソフト世界最大手

株価……226.06ドル
配当利回り……-%
最低投資金額……2万5,997円

セールスフォース・ドットコムは顧客情報管理のクラウドサービスなどを手掛けるビジネス支援ソフトの世界最大手企業です。NYダウの構成銘柄の1社でもあります。

コロナ禍で企業がシステムの見直しを進めるにあたり、需要が期待できる銘柄といえます。特に在宅勤務やワーケーションといった働き方が増える中で、システム構築のニーズは今後も高まっていく可能性があります。セールスフォース・ドットコムは配当金を出していないので、株価の値上がりに期待して投資をしたい銘柄です。

エヌビディア ……仮想世界「メタバース」関連銘柄の半導体大手

株価……259.03ドル
配当利回り……0.06%
最低投資金額……2万9,788円

エヌビディアは半導体メーカーの大手であり画像処理半導体のほか、AI半導体も手掛けています。近年は半導体の需要が高まっているだけでなく、三次元の仮想空間であるメタバースという技術の実用化が待たれており、その関連銘柄として注目集まっています。

コロナ禍でも好調な半導体メーカーであり、2021年の1年間で株価は2.3倍になっています。今後もメタバースの実用化の期待を背景に、株価が堅調に推移していくでしょう。配当金はほとんど出していないので、株価の値上がりを待つ投資がよいでしょう。

ビザ A ……世界を代表するクレジットカード会社

株価……215.71ドル
配当利回り……0.70%
最低投資金額……2万4,807円

ビザは大手クレジットカード会社であり、200カ国以上の国と地域へ決済サービスを提供しています。NYダウ構成銘柄の1社でもあります。国際的な決済インフラを提供している大企業に投資ができる点も米国株投資の魅力と言えます。仮想通貨が投機の対象になり、決済手段としての利用度が上がらない現状においては事業の独自性が高い業界です。

コロナ禍で非接触決済が増加していることもあり、決済サービスを提供するビザにも好影響が期待できます。2021年9月期のROEは36.59%と高水準です。配当利回りはあまり高くないので、今後の株価の伸長を待つ投資スタイルとなるでしょう。

JPモルガン・チェース ……世界を代表する大手商業・投資銀行

株価……151.27ドル
配当利回り……2.64%
最低投資金額……1万7,396円

JPモルガン・チェースは資産規模で米国最大を誇る商業・投資銀行であり、NYダウ構成銘柄の1社でもあります。

今後米国で利上げの機運が高まった場合、恩恵を受けるのは金融銘柄の可能性があります。銀行の本業である預金と貸出との利ザヤが大きくなるためです。今後の金利上昇機運の高まりを見越して投資をしても面白いでしょう。配当利回りも一定水準にあるので長期保有でもメリットがある銘柄です。

米国株(アメリカ株)の優良銘柄を選ぶ3つのポイント

Q:米国株の銘柄を選ぶ際に確認したいポイントは何ですか?
A:過去数年間の業績や株価チャートを確認して、業績や株価が安定しているかといった点は確認しておくべきです。また、投資をするにあたって、その銘柄に将来性があるかも考えてみましょう。

米国株を選ぶときのポイント

  1. 業績の安定性
  2. 株価の安定性
  3. 銘柄の将来性

ポイント1:業績の安定性

米国株を選ぶ際には企業の業績を確認するようにしましょう。業績を確認するといっても決算書類を読み込むことは難しいので証券会社などが提供しているデータをもとに、売上高、営業利益、純利益の推移を過去3期分確認することを心がければよいでしょう。

ポイントは売上高、営業利益、純利益がそれぞれ前年同期比でどのように推移しているかという点です。全ての数値が3期連続で下降している場合は業績悪化中であるため、投資を控えた方がよいでしょう。最新の決算で前年同期より下落している数値がある場合、証券会社のレポートやニュースなどでその理由を確認しましょう。それを踏まえて今後の業績を予想し、投資判断をする必要があります。

難しいのは、売上高は伸びているが営業利益が下落しているなど、指標によって方向性が異なるケースです。その場合も証券会社のレポートやニュースなどから原因を読み取ることが大切です。例えば、売上高が下落しても営業利益が伸びているケースで、事業構成を高利益率の事業にシフトしていっているという情報がつかめれば、投資しても問題はないでしょう。

業績を見るにあたって重要なのは、安定しているか、上昇基調なのか、下落基調なのかといったトレンドを知ることです。トレンドを確認した上で、今後の業績を予想して投資判断をしてみてください。

ポイント2:株価の安定性

業績と併せて株価チャートも確認しましょう。株価チャートは証券会社のホームページで確認できます。米国株で株価チャートを見る際は、過去1年、過去3年、過去10年の3つの時間軸で株価チャートを確認するのがポイントです。

株価チャートでも重要なのはトレンドをつかむことです。3つの時間軸の全てで下落基調の銘柄であれば、投資は控えた方がよいでしょう。一方で1つの時間軸では下落基調であるものの、他の時間軸では上昇基調が読み取れる銘柄は反転に期待できるかもしれません。株価チャートを見ただけで投資判断をするのは難しいですが、ずっと下落基調の銘柄をふるい落とし、その銘柄の値動きの幅をつかめれば問題ありません。

また、株価チャートではS&P500やナスダック総合指数などの指数と比較したチャートにすることでより銘柄の状況をつかめる場合があります。指数のトレンドと個別銘柄のトレンドが異なっている場合にはその理由を予想して投資判断につなげてみてください。

ポイント3:銘柄の将来性

個別銘柄を選ぶ場合、企業の事業内容を確認しましょう。事業内容は証券会社が簡単に紹介している場合もありますが、インターネットでも調べてみることがおすすめです。米国株の場合、企業のイメージがつかみづらいこともあるでしょう。企業の事業内容をイメージできれば、業績をみることにも役立ちます。

企業の事業内容に将来性があると感じる場合や、今後も安定していきそうだと考える場合は投資を検討しましょう。一方で企業の事業内容に将来性を感じない場合は無理に投資をしない方がよいでしょう。投資初心者がせっかく米国株へ投資をするのであれば、成長性の期待できる銘柄に順張りで投資を行うべきです。

米国株(アメリカ株)の初心者におすすめの投資スタイルは?

Q:米国株の初心者にはどんな投資スタイルがおすすめですか?
A:主な投資スタイルにはグロース株投資とバリュー投資がありますが、米国株の初心者であればグロース株投資がおすすめです。バリュー株投資は知識が必要でややハードルが高いですが、簡易的なバリュー株投資の手法である「ダウの犬」という方法であれば、投資初心者でもトライすることができます。

グロース株投資とバリュー株投資、さらに「ダウの犬」についても解説します。

グロース株投資……成長株に投資する手法

グロース株投資とは?
企業の成長性が市場平均よりも高いと期待される銘柄を選んで投資を行う手法です。

成長期待の高い銘柄を選んで投資を行うことになりますが、米国株初心者の場合、業績や株価が好調な銘柄に順張りで投資を行う方法が基本です。

グロース株投資は企業の株価指数の細かい分析ではなく、企業の将来性を予想して投資をします。米国株には成長性の高い企業が多くあるので、米国株の初心者はグロース株投資を基本にするのがよいでしょう。

バリュー株投資……割安株に投資する手法

バリュー株投資とは?
株価が割安であると判断される銘柄を選んで投資を行う手法です。

株価の割安を判断する時には、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった指標を利用します。

株価が割安か割高かを判断するための指標。株価収益率(Price Earnings Ratio)のこと。利益から見た「株価の割安性」。株価が「1株当たりの当期純利益(単に1株当たり利益、1株益ともいう)」の何倍になっているかを示す指標。

出典:PER(ぴーいーあーる)|日本証券業協会

株価が割安か割高かを判断するための指標。株価純資産倍率(Price Book-value Ratio)という。純資産から見た「株価の割安性」。株価が直前の本決算期末の「1株当たり純資産」の何倍になっているかを示す指標。

出典:PBR(ぴーびーあーる)|日本証券業協会

バリュー株投資は指標を活用する必要があるという点で米国株の初心者にはややハードルが高いでしょう。また、割安な理由を考える際、米国株は情報が得にくいという点もネックになります。

米国株の初心者には難しいバリュー株投資ですが、米国には「ダウの犬」と呼ばれる投資手法があります。「ダウの犬」は配当利回りに着目したバリュー株投資ですが、機械的に投資ができるので、この方法を使えば米国株の初心者でもバリュー株投資にチャレンジできます。

ダウの犬とは?

「ダウの犬」とは?
年初にNYダウ構成銘柄を配当利回りが高い順に並べて、上位10銘柄を均等に購入、年末に売却するという投資方法です。配当利回りが高い銘柄とは、配当の割に株価が割安な銘柄といえるので、「ダウの犬」もバリュー株投資の一種です。「ダウの犬」では年初に購入した10銘柄を年末まで保有し続けるのが原則です。これは、配当利回りが高い割安な銘柄に買いが集まることを期待しているものです。

「ダウの犬」が成り立つのはNYダウ構成銘柄だからという理由も大きいでしょう。NYダウは米国株の中でも選りすぐりの30銘柄で構成されるので、優良株だからいずれは割安な状態は解消されるという期待に沿ったものとも言えます。グロース株投資で銘柄を選ぶのが難しいという人は「ダウの犬」の方法でバリュー株投資から始めてみる方法もあります。

米国株(アメリカ株)に関するよくある質問(Q&A)

米国株投資の基本から銘柄の選び方まで解説してきました。最後に米国株に関するよくある質問をまとめました。

Q:米国株を買うにはいくら必要?

A:銘柄によって異なりますが、数千円から投資が可能です。ほとんどの銘柄は10万円以下で購入できます。

Q:米国株の取引時間は?

A:米国株の取引時間は次の通りです。

現地時間:9:30~16:00
日本時間:23:30~翌6:00(サマータイム 22:30~翌5:00)

取引時間はニューヨーク証券取引所とナスダックで共通です。また、3月の第2日曜日から11月の第1日曜日の間はサマータイムが適用されます。

Q:米国株投資はなぜ人気があるのですか?

A:米国株式市場が好調であり、利益を狙えることが人気の理由です。他にも米国株は株主還元にも積極的で配当に期待できるという点や、日本の証券会社が米国株投資のインフラ整備に力を入れており投資がしやすくなったという点もあります。

Q:米国株の注意点は?

A:米国株投資は為替リスクがあります。また、取引手数料に加えて為替手数料がかかる点、情報入手が難しいといった点にも注意が必要です。

Q:米国株はどのような人におすすめですか?

A:少額投資から始めたい人や売買を頻繁にはせずに配当金で稼ぎたいといった人には米国株がおすすめです。また、日本企業だけでなく世界的な有名企業に直接投資をしたいという人にも米国株投資は向いています。

Q:米国株投資の税金は日本とは異なる?

A:売却益(譲渡益)と配当益で取り扱いが異なります。まず米国株投資の売却益(譲渡益)については、日本株と同じルールとなります。つまり売却益に対して日本国内で20.315%の税金が課税されます。一方で配当益については、米国で10%の税金が源泉徴収された後、日本で20.315%の税金が源泉徴収されます。なお、米国で源泉徴収された10%の税金については外国税額控除という制度により、確定申告を通じて取り戻すことができます。

Q:為替差益が出たら確定申告は必要ですか?

A:米国株投資で発生した為替差益について、米国株の保有期間中に生じた為替変動は売却益(譲渡益)として処理されるので、為替差益のみを取り出して確定申告を行う必要はありません。ただし、外貨決済で米国株を売買している場合、外貨の取得時から米国株の買付時まで、または米国株の売却時から外貨の決済時までに生じた為替差益については雑所得として確定申告が必要な場合があります。

Q:NISAで米国株は買えますか?

A:証券会社ごとにNISAの対応可否が異なりますが、NISAに対応している証券会社もあります。SBI証券、楽天証券、マネックス証券、DMM.com証券はNISAで米国株の買付が可能です。

Q:米国株の最低取引単位は?

A:原則は1株から購入可能です。PayPay証券では1,000円から1,000円単位での取扱いとなります。

少額投資が可能な米国株投資にチャレンジしてみよう

米国株投資の基本から証券会社、個別銘柄の選び方まで解説しました。米国株投資についてのイメージがふくらんだ人が多いのではないでしょうか。とはいえ本当に米国株投資を理解するには実際に投資をしてみるのが一番です。米国株投資は少額から始めることができるので、是非一度米国株投資をしてみてください。

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