雑談を嫌うのは「冷たい」から?

こうした持論の展開をすると、一部の人からは「軽い雑談くらい応じないなんて、人間として冷たいのでは?」という反応もありそうだ。確かに世の中には優しい人はいて、生産性のない時間に終わる可能性があっても、真摯に雑談に応じる人がいるのも事実である、たしかにそうした人と比べると「冷たい」といえるかもしれない。

だが、相手の営業マンの立場を考えても、相手が求めていない雑談で時間をムダにしてはいけないと思ってしまうのだ。自分が成績をあげたい営業マンの立場なら、成約につながるかどうかわからない段階で雑談に時間をムダに使わず、とにかく訪問営業の数をこなしてニーズのありそうな相手にアタックできる数を稼ぎたいと思う。相手が優しく雑談に応じてくれても、成約しなければ営業成績にはならず、その時間は生産性があるとは言えない。その逆に「雑談は要らないので、結論から話してください」と冷たさを覚えるような相手でも、最終的に成約してくれるなら、営業マンとしてのメリットがあるはずだ。

営業の本質はお客さんの求める商品、サービスを求める相手にリーチさせることにある。雑談は潜在顧客ではなく、顧客として顕在化した相手と信頼関係を深めるために発揮するべきスキルではないだろうか。

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文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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