2022年は「寅年」!日本には干支に因んだ寺社があるってご存知でしたか?

奈良県と大阪府の県境にある信貴山(しぎさん)には、寅を遣いとする毘沙門天王信仰の総本山である「朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)」というお寺があります。

約1400年前(西暦582年)に聖徳太子が寅の年、寅の日、寅の刻に毘沙門天王より感得され、大変なご利益を受けたことがその謂れなのだとか。この信貴山という名前も、聖徳太子によって「信ずべし貴ぶべき山」という意味で名づけられたのだそうです。

普通に詣でても充分にご利益がありそうですが、12日に1度訪れる「寅の日」に参拝すると、より大きいご利益があるそうです!

境内にはたくさんのお堂があります。起伏や階段がたくさんあるので、参拝には歩きやすい服装・靴でお越しになることをおすすめします。

目次
奈良県生駒郡の「信貴山朝護孫子寺」
信貴山朝護孫子寺周辺でのお楽しみ

奈良県生駒郡の「信貴山朝護孫子寺」

【2022年寅年】奈良県生駒郡の「信貴山朝護孫子寺」へ寅詣で!
(画像=『たびこふれ』より引用)

<境内への入口「赤門」!>

境内は広く、好きなルートでお堂をめぐることができます。境内にはいたるところに寅が祀られていますので、幾つ見つけられるか探してみるのも楽しいかもしれません!

実はこれらの寅は、そのほとんどが信者の方より奉納されたものなのだとか。古いものでは、4〜500年前のものもあるそうです!迫力のある寅もあれば、可愛らしい寅までさまざまです。少しばかりテーマパークを彷彿とさせています。訪問するたびに、さらに新しい寅に出会えるチャンスもあるかもしれません!

【2022年寅年】奈良県生駒郡の「信貴山朝護孫子寺」へ寅詣で!
(画像=『たびこふれ』より引用)

<最古の寅と伝わる「笑寅」>

一番新しいものでは、2021年最後の寅の日(12月20日)に披露された寅のポストでしょうか?!それまでは、普通の赤色ポストだったものを、県内在住のアーティスト、グラインド・ペンシル(Grind Pensil)氏に依頼して作成したのだそうです。もちろん、こちらのポストから実際に投函もできます。

【2022年寅年】奈良県生駒郡の「信貴山朝護孫子寺」へ寅詣で!
(画像=『たびこふれ』より引用)

<寅のポスト>

ご本尊である毘沙門天王は、七福神の一神でもあります。七福神の中でも福徳随一といわれていて、家内安全、商売繁盛、開運長久、心願成就を願うパワースポットとして昔から親しまれてきたようです。

また七福神の中で、毘沙門天王だけは怒った表情で武装姿をしているのですが、これは災厄をもたらすという邪鬼を追い払うためなのだとか。毘沙門天王は邪鬼(災厄)を踏みつけた(招福)姿で表されています。宝塔を手にしていることから、あらゆる願いを叶えてくれると信じられています。

そんな毘沙門天王ですが、私たちの心がけが悪いと救うことができないということで、掟として「5種の心」を作っているそうです。

5種の心

一つには、父母孝養のため(親孝行、自分を大切にする)
二つには、功徳善根のため(一日一善、善い行いをする)
三つには、国土豊饒のため(地域や社会を大切にする)
四つには、一切衆生のため(世界の平和を祈る)
五つには、無上菩提のため(最上の"気付き"を得る)

こういう心で日々過ごせば、善いことが巡ってきそうな教訓のようにも感じますね!

【2022年寅年】奈良県生駒郡の「信貴山朝護孫子寺」へ寅詣で!
(画像=『たびこふれ』より引用)

<本堂>

本堂には、地下の真っ暗な回廊を進み、宝珠を納める錠前に触れると心願成就のご利益があるという「戒壇巡り」があります。肝試しのようなアトラクションですので、暗い場所が大丈夫な方は是非ご入壇してみてください。

他にも、寺院の一つ「千住院(せんじゅいん)」には、「三寅の福 胎内くぐり」というものもありました。父寅、母寅、子寅が一体となっているトンネルで、これをくぐれば三寅の福にあやかることができるのだそうです!その地面は、四国八十八か所お砂踏みにもなっています。

【2022年寅年】奈良県生駒郡の「信貴山朝護孫子寺」へ寅詣で!
(画像=『たびこふれ』より引用)

<「三寅の福 胎内くぐり」の入口>

また境内の標高437mの信貴山頂(雄岳)には、戦国時代の三大梟雄のひとり松永久秀の居住した信貴山城址があります。すでに城は無くなっていますが、石碑を見ることができます。山頂にある一願成就の龍神さまの祭られた「空鉢護法堂(くうはつごほうどう)」への参道途中にあり、山頂からは大和平野を見晴らすことができます。

【2022年寅年】奈良県生駒郡の「信貴山朝護孫子寺」へ寅詣で!
(画像=『たびこふれ』より引用)

<山頂までの小さな鳥居の続く参道>

【2022年寅年】奈良県生駒郡の「信貴山朝護孫子寺」へ寅詣で!
(画像=『たびこふれ』より引用)

<信貴山城址の石碑>

【2022年寅年】奈良県生駒郡の「信貴山朝護孫子寺」へ寅詣で!
(画像=『たびこふれ』より引用)

<山頂からの景色>

寅の寺社ということで、「玉蔵院(ぎょくぞういん)」には、寅柄のご朱印帳もありました!この玉蔵院内にある「浴油堂(真言密教の最秘宝とされる毘沙門天の浴油を拝むお堂)」に祀られている刀八毘沙門天は、「出世」のご利益のある毘沙門天なのだそうです。

【2022年寅年】奈良県生駒郡の「信貴山朝護孫子寺」へ寅詣で!
(画像=『たびこふれ』より引用)

<玉蔵院にある寅柄のご朱印帳>

さまざまな御利益のある寺院が点在していますので、ぜひゆっくり境内を散策してみてくださいね。

信貴山朝護孫子寺周辺でのお楽しみ

参拝で歩き回っているとお腹が空いてきますね。境内にも少しは食事ができる場所はあるのですが、その周囲にもちらほらお店があります。

目に入ってきたのは、創業大正四年という蘇我家本店の看板。寅まんじゅうが名物のようで、出来立てを食べることができます。

【2022年寅年】奈良県生駒郡の「信貴山朝護孫子寺」へ寅詣で!
(画像=『たびこふれ』より引用)

<蘇我乃家本店>

昭和6年に架けられた文化財にも指定されている「開運橋」という真っ赤な橋近くには、「信貴山 観光iセンター」があります。ここでは周辺情報の他、お土産物販売、食事もすることができます。お困りの時に立ち寄ってみても良いかもしれません。

この橋を渡ると、参拝客向けの駐車場のほか、参拝客向けの宿泊所や、レストランがいくつかあります。

【2022年寅年】奈良県生駒郡の「信貴山朝護孫子寺」へ寅詣で!
(画像=『たびこふれ』より引用)

<開運橋の欄干にも寅!>

訪問時は閉まっていましたが、この開運橋では「開運バンジー」と呼ばれるバンジージャンプもできる模様です。季節の良い時に肝試し(運試し?)をしてみてはいかがでしょうか。

少し足を伸ばすと「農業公園 信貴山のどか村」という、BBQや味覚狩り、さまざまな体験のできる施設もあるようです。ご家族やお友達とお越しになるには良いかもしれません。