収益性の低い企業からは仕事も人もいなくなる
筆者は将来的に収益性の低い企業は仕事も失い、働いてくれる従業員にも困る未来がやってくるのでは? と思っている。その理由を取り上げたい。
まず、収益性の低い企業は給料が低い状態で留まる。今後長期化が見込まれるインフレに対応できず、上げたくても上げることができない。今後、労働人口は確実に減少する一方となるため、会社で働いてくれるビジネスマンの取り合いに相対的に押し負ける。昨今の副業ブームの波に乗り、将来性に不安を覚えた行動力のある優秀な社員は副業で稼ぐ力を得てフリーで独立したり、高給のオファーを提示する他社へ転職することもあるだろう。
いま現時点で働いてくれている人がいて、どうにか会社がまわっていたとしても収益性の改善がなければ、大局では厳しい展開になると思えてしまう。
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悲壮感のある展開で恐縮なのだが、ある意味でこれはチャンスでもある。筆者は会社経営をする立場だが、常に収益性を高めることを考えてビジネスをしてきた。短期的には苦しい局面も多かったが、ありがたいことに大局ではポジティブな結果を出せている。しかし、起業当初のやり方を続けていたら今の結果と自分はないと断言できる。つまり、危機感に育てられたといえる。
また、会社で働く従業員も「自分の付加価値を高めて、高給を稼ぐ力を得ることが必要」と実感すれば、スキル向上などに努力をすることになり、やはりこちらもポジティブな結果が期待できるはずだ。ビジネスマンのスキルの底上げが起きることで、日本経済全体の活性化効果もあるだろう。実際、日本においても先端のテクノロジー業界や、ハイスキル職は高給オファーを出しても優秀な人材を取り合っている状況だ。
ピンチはチャンス、危機感がその脱却の一歩になると信じている。
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文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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