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(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

登山には栄養不足から、様々な体調不良をひきおこすことがある。それにより脳にも悪影響が出てしまい、それにより登山で重要とされる判断力が低下し、事故に繋がる可能性がある。

今のように栄養学が発展していない時代の登山家たちは、積み重ねてきた経験から登山に必要な栄養が含まれている食事を選択し、数々の登山を成功させてきた。現代の科学で当時の登山で摂取していた食事を分析すると、登山に必要とされる栄養素が十分に含まれた、理にかなった食事だったということがわかっている。必要な栄養素について学んだ上で登山することは、自分や共に登山を楽しむ仲間を守ることに繋がるのだ。

たんぱく質

三大栄養素のうちのひとつ、たんぱく質。人の体は脂肪や水分以外の大部分がたんぱく質で構成されている。筋肉・骨・皮膚・爪・臓器の主成分もたんぱく質だ。

食事から摂取したたんぱく質は、体内でアミノ酸に変化し、そのアミノ酸は内臓や筋肉を構成する体たんぱく質となるものや、脂肪になり蓄積されるもの、エネルギーになるものなどに分かれていく。登山をする上では、エネルギーになる栄養素として欠かすことはできない。

脂質

脂質も三大栄養素のうちのひとつだ。脂質は効率がいいエネルギー源といわれている。スポーツの身体運動で消費されるエネルギー源は、主に脂質と糖質だ。脂質は多く摂取し過ぎることで、胃に悪影響を与えてしまう可能性があるので過剰な摂取は注意が必要になる。

炭水化物

登山をする上で特に積極的に摂取が必要な栄養素。登山で大量に消費するエネルギーを作り出すもとになる。炭水化物が筋肉の中にグリコーゲンという物質として貯えられ、それが筋肉運動のエネルギーになる。故に炭水化物が不足していると、エネルギーが足りずに、筋肉運動の歩行などに影響が出てしまう。

ビタミン

ビタミンが不足することで、倦怠感や疲労感といった症状が出てくることがある。特にビタミンB1は、炭水化物を分解する動きを活発にする働きがある。登山に必要なエネルギーを作り出す上で大切な役割を担っている。

ミネラル

ミネラルがエネルギーになることはないが、タンパク質や脂質、糖質の合成や分解を助ける働きがあるので、登山中の食事には積極的にとり入れていきたい栄養素だ。身体に必要なミネラルは16種類あるが、その代表はカルシウム、ナトリウム、鉄の3つ。野菜、果物、乳製品、海藻に多く含まれている。

山登りが楽しくなる食事の種類

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(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

登山をしている最中、食事は内容が充実していると登山に対するモチベーションも上がるため、それだけでも十分重要なイベントになりうる。単独で山を登る際には、調理器具なども一人で用意する必要があり、多く持参することができない。こんな場合は、調理するというよりは、出来合いのコンビニのおにぎりやパンなどを持参したり、レトルト食品やフリーズドライの食品を食べたりすることが必然的に多くなる。

複数人で食事を楽しむことを目的としてチームを組んだのなら、コンロ・クッカー・食料・調味料などを分担して持参し、手の込んだ料理をするのも楽しみのひとつだ。もちろん、疲れ切ってすぐに寝てしまうことを見越して、各自がコンビニのおにぎりなどを持参してもかまわない。また、山小屋に立ち寄る場合は、山小屋で提供されているグルメを堪能するのもいいだろう。

しかし、どんな場合でも山では想定外の事故が発生するリスクもあるので、緊急事態に備えてレトルト食品やフリーズドライの食料は持参しておくことをおすすめする。ここでは、登山に持参する食料として選ばれることの多いものの特徴や注意点を紹介する。

コンビニのおにぎり、パン

登山に持参する食事のうち簡単で手軽に食べられるのが、コンビニのおにぎりやパンだ。使い捨て容器入りの弁当に比べて、食べやすくゴミが少ないという利点がある。パンに比べて重量があるおにぎりだが、腹持ちもいいのが特徴だ。おにぎりはそのまま食べるのもいいが、インスタントみそ汁やインスタントラーメンのスープに入れて雑炊やリゾットにするといったアレンジメニューを楽しむことができる。

軽量で持ち運びが楽なパンだが、コロッケパンやカレーパンなどの総菜パンは、傷みやすく登山には不向きだ。逆にスティックパンやバターロールなどのパンは総菜パンに比べて傷みにくいので登山向きといえる。パンはカロリーや糖質が高いものも多く、片手で簡単に食べられるので、メインの食事だけではなく、行動食としてもおすすめだ。

インスタントラーメン

ゴミが少ない袋入りのインスタントラーメンも登山向けの食料だ。クッカーで煮込んでそのままどんぶり代わりにして食べるのも登山ならではの楽しみ方。ネギやニンジンなどの乾燥野菜やわかめなどを入れると美味しさも栄養価もアップする。アルミ製のクッカーよりも、チタン製のクッカーの方が口を付けてスープを飲むときに熱くなり過ぎず飲みやすい。カップラーメンもお湯を注ぐだけで便利だが、食べ終わったカップがかさばるので、このことからも袋入りのインスタントラーメンがおすすめだ。

フリーズドライ

フリーズドライ食はイメージしにくいという方も多いかもしれない。フリーズドライ食とは、パックの中に特殊な技術で乾燥させた食材が入っており、お湯を注ぐだけでパスタや炊き込みご飯、ドライカレー、ピラフなどの食事が完成する。味はかなり美味しいものが多く、登山中の食事としては、かなり優秀といえる。あえて悪い点をあげるとすれば、インスタントラーメンやレトルト食品に比べて金額が高いことだ。すべての食事をフリーズドライ食だけで揃えようとするとコストがかかってしまうだろう。

レトルト食品

レトルト食品は、スーパーなどでも多くとり扱っており、日常生活に密着している食品だ。価格も比較的安価でバリエーションも豊かである。レトルト食品の定番のカレーはもちろん、親子丼などの丼物やパスタソース、主食の米やハンバーグなどのおかずなども販売されている。レトルト食品の注意点は、水分を多く含んでいるものが多く、重量が増してしまうことだ。全てをレトルト食品にするのではなく、主食の米はフリーズドライにするなど、重量を調整することをおすすめする。

自炊(ご飯を炊く)

登山中でも炊き立てのご飯が食べたいという方もいるだろう。炊いたご飯なら、レトルトやフリーズドライでは味わえない米の美味しさを満喫することができる。また炊いたご飯の底にできたおこげも楽しみのひとつだ。自分で炊いたご飯にレトルトのカレーをかけて食べれば満足度が上昇することだろう。ただし、登山でいきなり米を炊こうとした場合、失敗して食事が台無しになるリスクがある。事前に練習をしてから、本番に挑むようにするほうがいい。

移動しながら食べられる食事も持っていくと便利

移動しながら食べる行動食も登山をする上で大切な食事である。登山は常にエネルギーを消費し続けるスポーツだ。移動しながら食べられる塩タブレットやエナジーバー、ジェル、羊羹などでこまめにエネルギー補給することを意識してほしい。また、登山中に天候が悪くなってきた場合、昼食をとる時間を短縮、または無くして次のテントサイトや山小屋に移動することもある。その際にも行動食は便利な食事となる。行動食は、最低でも1時間おきにとるのがいいとされている。適度なエネルギーチャージをしながら登山に挑んでほしい。

男の隠れ家デジタル編集部
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我々は、あらゆるテーマから、徹底的に「隠れ家」というストーリーを求めていきます。

提供元・男の隠れ家デジタル

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