IPO投資が人気の理由は?メリットやデメリット、おすすめ証券会社など初心者向けに徹底解説
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IPOは「Initial Public Offering」の頭文字を取った言葉で、「新規株式公開」という意味です。まだ上場していない会社が資金調達などのために、新しく証券取引所に上場し一般投資家が株を購入できるようにすることです。IPO投資は高い確率で利益が得られる可能性があるため、特に個人投資家から注目を集めています。今回はそのIPO投資について、メリットや当選確率を上げる方法などを解説していきます。

IPO投資が人気の理由は?利益が出やすい仕組みとは?

Q.IPO投資はなぜ人気があるのですか?
A. IPO投資は新規上場の際の購入価格である「公募価格」を、上場後最初につく値段の「初値」が大きく上回ることが多くあります。そのため上場前に買って上場した日に売ることで、一日で大きな利益を得られるのです。

新規上場株は、ここ数年、年間100件前後で推移しており増加傾向にあります。また、注目企業のIPO株は上場後に大きく値上がりし、その後長期でも利益が得られる可能性があることも人気の理由です。

IPOの仕組みと近年の新規上場数

IPOとは?
IPO(Initial Public Offering)とは「新規公開株」とも呼ばれるもので、未上場株を新たに証券取引所に上場することをいいます。企業は株式を上場することで、資金調達が可能になります。

2021年の新規上場社数(IPO社数)は125社であり、前年の93社から32社増加しました。
出典:2021 年の新規上場社数は 14 年ぶりに 100 社超え!AI・DX 関連などテック企業がけん引|帝国データバンク

企業が上場を目指す目的は、新たな資金調達や会社の知名度のアップ、社員のモチベーションや会社の信用を向上させるためです。新規上場をする際には証券会社と上場したい会社が話し合い、機関投資家の意見や投資家の需要状況などを勘案し、発売額である「公募価格」を決めます。

新規に上場する企業の株は、購入価格よりも初値の方が高くなることが多いため、優良な上場株を割安な価格で購入できます。ただし、人気の会社ではIPO株購入のための抽選が行われることが多く、一般の投資家が当選する確率は低いのが実情です。

IPOは勝率が高く、値下がりも小幅で低リスク

IPOの魅力は安い価格で購入できる確率が高いため、利益が出やすく損失が出にくいという点です。

割安な価格で購入ができれば、その後上場した際は購入時よりも高い値段がつくことが期待できるでしょう。IPO株は大きな期待を背負って上場するため注目が集まり、資金も流れ込むため、株価が上がりやすい特徴があります。

人気の業種・業界のIPO株は、上場後もしばらく、将来的な期待から購入希望者が集まり買い注文が入ります。その結果として、価格が下がりにくくなる傾向があります。IPOは短期、中長期でも利益が期待できる投資手法で、大きく負けにくいという点が人気の理由の1つです。

IPOに投資する4つのメリット

Q.IPO投資のメリットにはどのようなものがありますか?
A.IPO投資の最大のメリットは、銘柄やタイミングによっては大きく利益が出る可能性もある反面、リスクが比較的少ない点です。さらに資金面や手数料の点でも、取り組みやすいという利点があります。

IPOは、比較的低リスクなので、株の初心者や資金が少ない方でも始めやすい投資手法です。購入時の手数料や落選時の返金など金銭的リスクが少ない点も魅力です。

IPO投資のメリット

  1. 当選後に短期間で利益を得やすい
  2. 少ない資金でも大きな利益が狙える
  3. 購入時の手数料が無料
  4. 落選時には前受金が返金されるので損失が出ない

IPOのメリット1:当選後に短期間で利益を得やすい

IPOでは多くの場合、抽選が行われます。抽選に当選さえすれば上場前に購入し、上場日に売ることができるため短期間で大きな利益を得やすい傾向にあります。IPO投資は抽選から上場まで2~3週間なので、短期間で大きな利益が得やすくなっています。

通常の株式では何か大きなイベントがない限り、株価が乱高下することは少なく、上昇するときも穏やかに上がっていきます。その場合、たとえば5%の利益を得るのでも長い期間が必要となります。また、購入してすぐ上がり調子になるためには、株を購入するタイミングが肝要になります。株価が上昇するタイミングで買い注文を出すことは、プロの投資家でさえ簡単なことではありません。

買いのタイミングを誤ると損失を抱えてしまいます。そういった点でも、上場後に値上りが期待でき、2週間程度の短期間での投資で完結するIPO投資は大きな魅力があるといえます。

IPOのメリット2:少ない資金でも大きな利益が狙える

通常の株式投資では大きな利益を得るためには、大きな資金が必要になります。しかしIPOでは通常の株式投資よりも、少額の資金で同じだけの利益が狙えます。

例えば、1口1,000円の株で10万円の利益を狙う場合を考えてみましょう。仮に5%の値上がり率だとすると、10万円の利益を出すためには2,000口つまり200万円の元手が必要となります。

一方、初値で大きく上昇することが期待できるIPOでは、公募価格が1,000円で初値が2倍の2,000円になることも珍しくありません。このケースでは、公募価格1,000円のIPO株を100株購入し(10万円)、初値の2,000円で売れば10万円の利益が得られます。

IPO投資ならば、少額の資金でも大きな利益が狙えるので個人投資家にとっても取り組みやすい投資といえます。

IPOのメリット3:購入時の手数料が無料

株式の売買では通常「購入時」と「売却時」の両方で手数料がかかります。ほとんどの証券会社では、約定した金額によって、価格が定められています。例えば、松井証券であれば1日の約定代金合計が50万円までは無料、100万円までなら税込1,100円です。

売買の結果、成立した価格を「約定値段」といい、約定値段×株数を「約定代金」といいますが、この約定代金に応じて「委託手数料」とそれにかかる「消費税」を支払います。この委託手数料は、1回の約定代金に設定された率をかけていくケースや、1日の約定代金総額に応じて100万円以下なら一律○○円という具合に定額制をとっているケース等、証券会社によってさまざまです。

出典:松井証券

一方、IPO投資の場合、購入時の手数料はかかりません。IPO投資の場合、年間に複数回の当選は稀ですが、それでも1回分の購入手数料がかからないことは魅力的といえるでしょう。

IPOのメリット4:落選時には前受金が返金されるので損失が出ない

証券会社によっては、抽選時に前受金として資金が拘束されケースがあります。しかし、この資金は落選後に返金されるため、IPOに申し込む金銭的損失はありません。申し込むだけならば無料でできるため、IPOの可能性に賭けて、多くの企業のIPOに申し込んでみても良いでしょう。

IPO投資の3つのデメリット

Q.IPO投資のデメリットはなんですか?
A.IPOに申し込むこと自体に大きなデメリットはありません。しかし新規上場は注目が集まり、資産価値も安定していないため、値動きが激しいことが注意点です。タイミングによっては損失や思っていたほどの利益を出せない場合もあります。思っていたように初値が付かず、公募価格よりも安くなってしまうこともあるでしょう。

IPO投資のデメリット

  • 公募価格よりも初値が安くなることもある
  • 新規上場後の激しい価格変動でリスクが大きくなるケースも
  • 人気銘柄の株は購入できないことがある

IPOのデメリット1:公募価格よりも初値が安くなることもある

公募価格は割安な価格で設定されています。しかし公募後の市場の状況や人気の具合など、さまざまな要因によって初値よりも低い価格で、取引が開始されることも起こり得ます。確率としては少なくなっているものの、10%程度は公募価格割れが起こるので注意しておきましょう。

IPOのデメリット2:新規上場後の激しい価格変動でリスクが大きくなるケースも

新規上場株式は人気が高いため、購入希望者が多くいます。そのため初値の時に急激な株価の上昇があり、「もう少し上がるかな」と様子を見ている間に、売り時を逃してしまうこともあります。また初値が公募価格を下回っていても、買い支えがありその後に初値を上回る動きをする場合もあるでしょう。どちらにしても激しく値が動くことが予想されるため、リスクは大きくなります。

上場直後は値動きが荒く株価が一方通行になりやすいので、大きく値下りするリスクがあります。

出典:SBI証券

上場直後は企業の資産価値が安定していないため、大きな株価の変動が起きる可能性が高くなっています。事前に展開を予想し対策を立てておくことで、リスクを小さくできるでしょう。

IPOのデメリット3:人気銘柄の株は購入できないことがある

人気のある企業の新規上場では購入希望者が多数おり、抽選となる場合が多々あります。当然抽選に落ちたら、IPO株を購入することができません。

ブックビルディング購入できる株数には限りがありますので、必ず取得できるとは限りません。

出典:SBI証券

IPOでは申し込んだ時に資金が拘束されても、落選後には返還されます。落選による金銭的損失はないものの、他の株の購入機会を逃すことにもつながります。特に少額で投資を行っている場合では、資金の余裕を確認するようにしましょう。

IPO投資におすすめの証券会社

Q.IPO投資におすすめの証券会社はどこですか?
A.人気のIPOに対して、独自の取り組みを実施している証券会社も多くあります。自分の取引スタイルや操作のしやすさ、行っているキャンペーンなどから、気になる証券会社をチェックしていきましょう。証券会社によってはIPOの取り扱い数が少ないことや、抽選応募の形式が異なる場合があります。

SBI証券……IPO取扱数業界最多、独自ポイントも魅力

IPO投資が人気の理由は?メリットやデメリット、おすすめ証券会社など初心者向けに徹底解説
(画像=SBI証券より引用)

IPOならSBI証券と言われるほど、SBI証券はIPOの取り扱い数も多く人気の証券会社です。

IPO取扱実績数(2021年) 122社
主幹事数 18件
抽選方法 60%:完全平等抽選
30%:IPOチャレンジポイント
10%:投資状況と適合性の原則に基づく配分
事前入金 必要
NISA口座の利用
手数料 10万円 99円(税込)
50万円 275円(税込)
100万円 535円(税込)
口座開設数 603万件

出典:SBI証券公式サイト

SBI証券のポイントは「主幹事」と「IPOチャレンジポイント」です。主幹事の証券会社となることが多いため、割り当てが多く当選確率が高くなっています。

IPOチャレンジ制度とは?
IPOの抽選に落ちるたびに与えられるポイント制度のことです。IPOチャレンジポイントを利用すると、次回の抽選の時に当選確率が高くなります。

コツコツとポイントを貯めれば、いつか当選するシステムとなっているため、根気強くIPOに申し込み続けることが大切です。

SBI証券はIPOで幹事証券となる割合は9割を超え、業界最多です。これからIPOに挑戦し、何度も抽選をしようと考えている人にはおすすめの証券会社といえるでしょう。

SMBC日興証券……ステージ別抽選では大きい資産を持つ投資家が有利

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(画像=SMBC日興証券より引用)

創業100年を超える、日本の老舗証券会社です。高い実績と主幹事の数から、IPOを行う上で外せない証券会社となっています。

IPO取扱実績数(2021年) 80社
主幹事数 26件
抽選方法 10%:完全平等抽選
5%以下:ステージ別抽選
事前入金 必要
NISA口座の利用
手数料 10万円 137円(税込)
50万円 440円(税込)
100万円 880円(税込)
口座開設数 310万件

出典:SMBC日興証券公式サイト

SMBC日興証券は、主幹事を請け負うことが非常に多いため、割り当てを多く持っていることが特徴です。ネット配分が10%程度と割合としては少ないものの、全体の取り扱い数が大きいため、当選の可能性も高い証券会社です。

10%の完全平等抽選枠があるため、資金力に左右されません。100%完全平等抽選の会社と比べると、見劣りするように感じられますが、取り扱い数の多さでカバーできます。完全平等抽選で落選した場合には、次のステージ制の抽選方法で抽選が行われます。

ステージは、SMBC日興証券への預り資産の残高や信用取引の金額によって4段階に分かれます。ステージ別抽選は預かり資金が5,000万円以上(プラチナ)だと、同250万円以上(ブロンズ)の人に比べて、当選確率が25倍にも上がります。資金が豊富にある場合は、SMBC日興証券をメインにしてもよいでしょう。

マネックス証券……100%完全平等抽選なので初心者にもおすすめ

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(画像=マネックス証券より引用)

マネックス証券の特徴は「100%完全平等抽選制度」です。初心者や資金が少ない方でも、当選の可能性があります。IPOの取り扱い社数も多く、当選確率が資金力の影響を受けません。

IPO取扱実績数(2021年) 66社
主幹事数 1件
抽選方法 100%:完全平等抽選
事前入金 必要
NISA口座の利用
手数料 10万円 110円(税込)
50万円 495円(税込)
100万円 成行:1,100円(税込)
指値: 1,650円(税込)
口座開設数 194万件

出典:マネックス証券公式サイト

マネックス証券の100%完全平等抽選制度は、過去の実績や証券への資金、経験などに関わらず、ひとりに対して1つの抽選券が与えられます。注文数による当選の確率の違いや、過去の実績による差がなく平等に当選の可能性があります。

投資経験が浅く、他の証券会社で当選に有利になるポイントがない場合などにおすすめの証券会社です。主幹事を務めることは少ないものの、引受幹事数はネット証券の中でも多めの5割強となります。幹事数が多いと割り当ても多くなるため、当選を狙うためにも用意しておきたい口座です。

野村證券……主幹事数が豊富な国内最大手の総合証券

IPO投資が人気の理由は?メリットやデメリット、おすすめ証券会社など初心者向けに徹底解説
(画像=野村證券より引用)

野村証券はIPOの主幹事を多く担っている証券会社です。IPOの抽選に資金不要で参加できるため、気軽にIPOに申し込めます。

IPO取扱実績数(2021年) 64社
主幹事数 28件
抽選方法 10%:完全平等抽選
事前入金 不要
NISA口座の利用
手数料
※店舗(本・支店)
10万円 2,860円(税込)
50万円 1.4300%(税込)
100万円 0.9460% + 2,728円(税込)
口座開設数 533万件

出典:野村證券公式サイト

野村証券は国内最大の証券会社であるため、大型のIPO案件ではまず名を連ねていきます。主幹事の割合は多いときでは全体の8~9割を引き受けるので、幹事証券と比べても配分比率の高さが際立っています。

IPO抽選時には事前の入金が不要です。当選確率を上げるためにもぜひ開設したい口座です。全体の10%が個人投資家へのオンライン抽選で当選者が決まります。全体の引き受け数が多いので個人投資家で資金力が弱くても、当選のチャンスがあります。オンライン抽選の場合では完全抽選を採用しています。

岡三オンライン……完全平等抽選+ステージ制で抽選、中小型のIPOに強み

IPO投資が人気の理由は?メリットやデメリット、おすすめ証券会社など初心者向けに徹底解説
(画像=岡三オンラインより引用)

岡三オンラインは、岡三証券のネット取引サービスです。岡三証券は大手証券会社の傘下に入らず、中小型株に強い証券会社として定評があります。IPOにおいても、中小型の取り扱いに強みを持っています。

IPO取扱実績数(2021年) 47社
主幹事数 4件
抽選方法 10%:完全平等抽選
90%:ステージ制
事前入金 不要
NISA口座の利用
手数料 10万円 108円(税込)
50万円 385円(税込)
100万円 660円(税込)
口座開設数 93万件

出典:岡三オンライン公式サイト

岡三オンラインは、事前入金が不要です。また抽選方法は10%を完全平等抽選、90%をステージに応じた優遇サービスを行っています。3ヵ月合計の手数料の総額に応じて、3つのステージに分け、当選確率が変わります。

2017年から取り扱い数が大きく増え委託幹事が多く、特に中小型のIPOに力を入れています。当選後に購入辞退をすると、新たにIPOの購入申し込みができなくなるペナルティがあります。

楽天証券……2021年のIPO実績が前年の約3倍に急増

IPO投資が人気の理由は?メリットやデメリット、おすすめ証券会社など初心者向けに徹底解説
(画像=楽天証券より引用)

楽天証券は、近年IPOの実績を伸ばしているネット証券です。

IPO取扱実績数(2021年) 74社
主幹事数 0件
抽選方法 完全平等抽選
事前入金 必要
NISA口座の利用 ×
手数料 10万円 99円(税込)
50万円 275円(税込)
100万円 535円(税込)
口座開設数 700万件

出所:楽天証券公式サイト

楽天証券は、主幹事の実績はないものの、引受幹事を行うこともあるため取り扱い実績は多くなっています。取扱実績数は2021年が74銘柄で、2020年の27銘柄から1年で大きく伸ばしています。楽天証券は1単元あたり1抽選の平等抽選を行っているため新規のユーザーでも当選する確率はありますが、資金が多い投資家ほど有利になります。

auカブコム証券……ライバルが少ない穴場のネット証券

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(画像=auカブコム証券より引用)

auカブコム証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループのグループ力を生かしたサービスを提供しているのが特徴です。

IPO取扱実績数(2021年) 42社
主幹事数 0件
抽選方法 100%:完全平等抽選
事前入金 必要
NISA口座の利用
手数料 10万円 99円(税込)
50万円 275円(税込)
100万円 535円(税込)
口座開設数 136万件

出典:auカブコム証券公式サイト

auカブコム証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループの委託販売が回ってきます。目論見書などにauカブコム証券の名前が記載されないため、見逃されやすい証券会社です。そのためライバルが少なく、抽選の当選が期待できます。

松井証券……事前入金不要で、売却手数料が安い

IPO投資が人気の理由は?メリットやデメリット、おすすめ証券会社など初心者向けに徹底解説
(画像=松井証券より引用)

松井証券は、事前入金不要で取り扱い実績が多いネット証券です。

IPO取扱実績数(2021年) 56社
主幹事数 0件
抽選方法 70%以上:完全平等抽選
事前入金 不要
NISA口座の利用
手数料 10万円 0円
50万円 0円
100万円 1,100円(税込)
口座開設数 133万件

出典:松井証券公式サイト

松井証券は事前入金が不要です。抽選で当選してから資金の入金を済ませればよいため、IPOの抽選確率を上げるために他の証券会社からも積極的に抽選に参加できます。70%以上が平等抽選方式なため、IPOの抽選目的で口座開設しておきたい証券会社です。

また多くの証券会社では、IPOの売却時の手数料は必要となります。しかし松井証券では、1日約定代金50万円までの取引は手数料が無料となっています。さらに25歳以下であれば株式の売買手数料も無料となっています。IPO株の売却時にも手数料が安いことが魅力といえるでしょう。

大和証券……主幹事が豊富、ネットと店頭の併用申し込みも可能

IPO投資が人気の理由は?メリットやデメリット、おすすめ証券会社など初心者向けに徹底解説
(画像=大和証券より引用)

大和証券は、業界トップレベルの主幹事実績がある大手総合証券です。

IPO取扱実績数(2021年) 49社
主幹事数 14件
抽選方法 10%:完全平等抽選
事前入金 必要
NISA口座の利用
手数料
※ダイワ・コンサルティングコース(店頭)
10万円 2,750円(税込)
50万円 6,325円(税込)
100万円 12,650円(税込)
口座開設数 340万件

出典:大和証券公式サイト

通常、主幹事を務める証券会社には、8割~9割の割当があります。ネット配分は全体の10%ですが、大和証券は主幹事数が多いので、その分高い当選確率を期待できます。

資金に余裕があれば大和証券のよさを生かし店頭配分からも併用で申し込みたいところです。「ダイワ・コンサルティング」コースは、手数料が高くなりますが、支店担当者から資産相談やアドバイスをもらいたい人におすすめです。

CONNECT(コネクト)……優遇条件をクリアすれば当選確率がアップ

IPO投資が人気の理由は?メリットやデメリット、おすすめ証券会社など初心者向けに徹底解説
(画像=CONNECTより引用)

大和証券グループが提供するアプリ証券で、2020年からIPOの取り扱いを始めました。できたばかりの証券会社なのでライバルが少なく、当選確率アップが期待できます。大和証券が主幹事となっているIPOでは、基本的にCONNECTでも取り扱いがあります。

IPO取扱実績数(2021年) 49社
主幹事数 0件(大和証券は14件)
抽選方法 70%:完全平等抽選
30%:優遇抽選
事前入金 不要
NISA口座の利用
手数料 10万円 165円(税込)
50万円 165円(税込)
100万円 330円(税込)
口座開設数

出典:CONNECT公式サイト

販売数量の30%を優遇抽選によって再抽選します。優遇抽選における条件は、「39歳以下」「NISA口座(つみたてNISA口座)を開設済み」「信用口座開設済み」「信用建玉の保有」「投資信託の残高保有」の5つです。該当項目が多いほど当選確率がアップします。

アプリ証券だけあって、アプリを使った簡単な操作で株の購入やIPOの申し込みができます。「ひな株」という1株単位で取引ができるサービスも提供していま。ただし、IPOは100株単位での申し込みとなっています。

新規公開株式の申込数上限は1銘柄1単元(100株単位の場合は100株)です。2単元以上のお申込みは出来ません。

出典:CONNECT

LINE証券……野村證券からの委託販売分に期待

IPO投資が人気の理由は?メリットやデメリット、おすすめ証券会社など初心者向けに徹底解説
(画像=LINE証券より引用)

LINEと野村証券の親会社である野村ホールディングスが開発したスマホ投資サービスです。2021年5月よりIPOの取り扱いが始まりました。

IPO取扱実績数(2021年) 11社
主幹事数 0件
抽選方法 100%:完全平等抽選
事前入金 不要
NISA口座の利用 ×
手数料 10万円 99円(税込)
50万円 275円(税込)
100万円 535円(税込)
口座開設数 100万件

出典:LINE証券公式サイト

LINE証券では野村證券からの委託販売が回ってきます。LINE証券の現物では1株から取り扱いがあるもののIPOでは100株が1単元となっています。2021年5月に取り扱いを始めたばかりで実績が少ない分、まだライバルは少なく当選が期待できます。

PayPay証券……1株からIPO投資ができるスマホ証券の草分け

IPO投資が人気の理由は?メリットやデメリット、おすすめ証券会社など初心者向けに徹底解説
(画像=PayPay証券より引用)

PayPay証券は1株から購入できる「誰でもIPO!」を提供するスマホ証券です。

IPO取扱実績数(2021年) 1社(ソフトバンク)
主幹事数 0件
抽選方法 100%完全平等抽選
事前入金 不要
NISA口座の利用 ×
手数料 10万円 0.5%または1.0%
50万円
100万円
口座開設数 15万件

出典:PayPay証券公式サイト

PayPay証券は、IPOを1株単位で購入でき上限は100株です。完全平等抽選と1株単位の購入で、多くの人に当選の可能性があります。1株単位の購入では購入資金も通常の証券会社の1/100になるため、手軽に抽選に応募できます。

また、PayPay証券は未成年でも1株から株取引を始められるのが魅力です。未成年のキッズ口座を使って、低額からの投資が可能です。PayPay証券はまだIPOの取り扱い数は少ないものの、今後に注目したい証券会社です。

IPO投資をする証券会社を選ぶ際のポイントとは

Q.IPO投資の証券会社はどんなポイントに注目して選べばいいのですか?
A.主幹事を多く行っていて、IPOの取引実績が多い証券会社を選びましょう。資金が豊富にある場合は対面取引を行っている証券会社を選びます。資金に余裕がない場合は平等に抽選が行われている証券会社を選びましょう。また申し込み時に資金が拘束されない証券会社も、資金に余裕がないときにはおすすめです。メインの証券会社と、サブの証券会社と分けて複数開設することもおすすめです。

主幹事実績が豊富な証券会社を選ぶ

IPOは基本的に抽選が必要な投資方法となります。「運」の要素も大きいものの、割当枚数が多ければその分当選の確率は高くなります。

主幹事証券会社は大手だけあって一般の個人投資家では優遇を受けにくくなっているものの、配分の絶対数が多いというメリットは見逃せない点です。できる限り当選確率を上げるためにも、主幹事数の多い、野村證券、SMBC日興証券、SBI証券などの証券会社に口座を開くことはIPO株当選への第一歩と言えるでしょう。

IPOをたくさん扱っている証券会社を選ぶ

IPOの取扱い実績が多い証券会社では、今後も多くのIPOを取り扱うことが期待できます。取扱実績の豊富な証券会社には、口座を開設しておくことをおすすめします。

その一方で、IPOの取り扱いが豊富な証券会社にはIPOを目的としたユーザーも多いため倍率が高くなる傾向もあります。ポイント制度やステージ制度などの優遇制度を導入している場合では、長期間のIPOの挑戦や資産の状況に応じた優遇制度があります。長く投資を続けることで、当選確率を上げることも可能です。

資金が限られているなら平均均等抽選方法のネット証券会社を選ぶ

資金が限られている場合は当選確率が平等にある、完全平等抽選(平均均等抽選)方法をとっている証券会社を選びましょう。このシステムは1ユーザーに対して1権利が発生するため、多くの口数の注文をしていても当選確率は一定となります。

ユーザーAが3単元、Bが2単元、Cが1単元の注文を行っていた場合を例にとって見てみましょう。

このケースでは、全員で6単元あります。通常の抽選では3単元の割り当てがあった場合では申し込み単元数の多いAの当選確率が高くなります。この場合Cが1単元も購入できないのに、Aが2単元以上購入できる可能性もあります。

しかし完全平等抽選ではA、B、Cの当選確率は同じです。人数と同じ単元数の割り当てがあれば、全員が当選するシステムです。

資金力が乏しい場合では、大投資家と戦っても勝機がありません。均等の確率で当選する証券会社を選びましょう。

対面証券をよく使う人は対面証券会社から申し込む

豊富な資金があるユーザーは対面証券会社から申し込むと、IPOの当選確率が上がります。証券会社では対面販売用に、営業がIPOの枠を持っている場合(裁量分配)が多くあります。大口の投資家を対象に行っているため、高い確率でIPOの当選を手に入れられるでしょう。

大手証券会社ではIPO割り当ての9割を対面販売、1割をネット抽選販売としている証券会社もあります。日ごろから営業担当と懇意にしているヘビーユーザーの方は、一度相談してみるとよいでしょう。

少額投資の場合は1株単位で買える証券会社を選ぶ

国内の株式売買は単元株(100株)が基本ですが、一部の証券会社は少額投資が可能な「単元未満株」のサービスを提供しています。IPOでも同様に、PayPay証券のように1株から申し込みができるサービスを行っている証券会社もあります。

PayPay証券ではスプレッド式を採用しており、東京証券取引所が開いている時間では約定価格の0.5%、時間外では1%の手数料がかかります。手数料は、1万円以上の高額な取引の場合では通常の格安ネット証券口座のほうが安くなる傾向にありますが、少額の場合では最低手数料を設定している他社よりもPayPay証券のほうが安くなるケースもあります。

IPO株が上場するまでの6つのフロー

Q.IPOが上場するまでの流れを教えてください。
A.上場したい企業が申請をあげ、上場の承認を得ます。その後仮条件が決定され、ブックビルディングが行われ公募価格が決定されます。公募価格をもとに各証券会社が顧客に対して購入申請・抽選を行い、上場日を迎えるのです。

上場承認から上場までは1ヵ月程度、特に公募価格が決まってから上場までも1週間程度となる場合が多く、タイトなスケジュールで進んでいきます。

IPO株が上場するまでの6つのフロー

  1. 証券取引所による上場承認
  2. 仮条件の決定
  3. ブックビルディング期間
  4. 公募価格の決定
  5. 抽選
  6. 株式の上場

証券取引所による上場承認

どの会社でも上場できるわけではないため、上場希望会社は証券取引所に対して上場申請を行い、ヒアリングなどを重ねて上場の承認を得ます。承認を得た後でも会社の都合などで、上場基準を満たせなくなる場合もあり得ます。また新型コロナウィルスのような不確定要素によって市場環境が大きく変わった場合など、上場の見送り(上場承認取り消し)が起きることもあります。

仮条件の決定

仮条件の決定とは、上場する企業の株価の仮条件を決めることです。企業と主幹事で市場について分析し、想定価格を決定します。機関投資家に想定価格についてヒアリングをし、価格を調整して仮条件を決定します。仮条件では通常「1,000円~1,500円」のように、ある程度の幅を持った価格が決められます。

ブックビルディング期間

ブックビルディングとは? 「需要積み上げ方式」とも呼ばれ、市場の需要を測定し公募価格を決定するために使われます。

ブックビルディング期間に、投資家は「いくらでどれくらい」IPOの購入意思があるかを示すために証券会社で購入申請を行います。証券会社によっては、この時点で資金が拘束される場合もあります。

公募価格の決定

公募価格は一般の投資家を対象に株を購入してもらう時の価格です。一般的に企業の価値よりも割安になっています。

上場申請をした企業と主幹事の証券会社が、ブックビルディングによる申し込み状況や需要などから、総合的に判断して公募価格を決めます。需要と供給のバランスから判断されるため、市場の感覚から大きく外れた価格にはなりにくくなっています。

抽選

人気のIPOでは抽選が行われますが、当選確率は非常に低い傾向にあります。また証券会社によっては完全平等抽選ではない場合があります。1人で複数単元を申し込める場合は、資金力がある人が有利です。

当選確率を上げるためには、完全平等抽選を実施している証券会社から申し込みすると良いでしょう。落選した場合はその時点で拘束されていた資金が解放されます。当選が確認できたら必要な購入申請をし、資金の用意をして上場日を待ちましょう。

株式の上場

IPO投資では「初値売り」が基本とされており、上場して最初についた株価で売却します。もちろん、長期保有する手もあります。しかし、銘柄によっては初値が付いたあとに急落することもあるため、慎重に行動しましょう。上場の日は特に値動きが激しく、一喜一憂してしまうこともあるかもしれません。そのなかでも冷静さを保ちながら売却もしくは保有を判断することが大切です。

IPO購入までの流れを6ステップで解説

Q.IPO株を購入する方法を教えてください。
A.証券口座を開設した後は、IPOのスケジュールを確認しましょう。その後、購入を検討するIPO銘柄の目論見書をチェックし、企業HPで会社について研究しましょう。IPOを購入する際には、まずは証券会社からブックビルディングで申し込む必要があります。

ステップ1:証券口座を開設する

IPOを始めるためにはまず、証券口座の開設が必要です。証券口座は大手総合証券からネット証券、スマホ証券と多岐にわたります。証券口座を1つも持っていない場合は大手総合証券か大手ネット証券のうち実績の豊富な証券会社を選ぶといいでしょう。

IPOでは証券会社の力がそのまま当選確率に影響を与えます。主幹事実績や取扱件数、取引方法や抽選方法を見ながら資金を効率よく動かせる証券口座を複数用意しましょう。

ステップ2:スケジュールを確認する

IPOはタイトなスケジュールで進行するため、抽選から上場まで2週間~3週間ほどしかありません。申請・入金・確認など遅滞なく行っていかなければならないので、投資家にとってスケジュール確認はとても重要です。

各証券会社のサイトなどにブックビルディング期間などが記載されています。日程を確認したら、申し込み日や入金の有無、入金日も把握し、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。余裕があれば、複数の証券会社で申し込むことも検討しましょう。IPO投資は複数口座から申し込めば、それだけ当選確率を上げることができます。

ステップ3:目論見書を確認する

IPOは企業の調査なくして成功はあり得ません。将来的に有望なのか、現状の財政状況はどうなっているかなど、詳しく確認することで成功確率を上げていきます。その調査のために必要な情報は「目論見書」から手に入れられるのです。目論見書は証券会社のHPから入手できます。上場前は情報がただでさえ少なくなっているので、積極的に目論見書から情報をとりましょう。

有価証券の募集あるいは売出しにあたって、その取得の申込を勧誘する際等に投資家に交付する文書で、当該有価証券の発行者や発行する有価証券などの内容を説明したものをいう。発行者が有価証券を販売する場合は、必ずこれを作成し、投資家に交付しなければならない。

出典:目論見書|野村證券

目論見書で確認するポイントは5つあります。

<企業理念や事業内容>
IPOを予定している企業は有力企業であり、初値売りで利益を得やすい傾向にありますが、必ず株価が上昇するとは限りません。どのような事業を展開しているのかなど、今後の会社の方針や経営内容などは必ず目を通しましょう。

<業績データ>
単純に売上の総額だけではなく資産の総額や内訳、純利益といった財務データも書かれています。赤字になっていないか、今後の事業展開に使えるお金があるかなど確認しましょう。

<資金の用途>
株式で手に入れた資金をどのように使う予定でいるかということも、記載されています。資金の使い道によって上場後の事業の方向性なども分かります。

<新規発行株式数と売出株式数>
これらの数が少ないとそもそも当選に当たらない可能性があります。また多すぎると1株当たりの純利益が下がってしまうため、人気の低下につながります。

<ロックアップの条件や期間>
既存の大株主が上場後一定の期間、株の売却ができないように制限をかけている場合もあります。上場価格が一定金額を超えた場合に制限が解除されるケースもあります。

ステップ4:ブックビルディングに申し込む

ブックビルディング期間に申し込みを行わなければ、IPOは購入できないので注意が必要です。ブックビルディング期間中に、いくらで何株買うかを申請します。この購入希望の結果から公募価格が決定されます。ブックビルディングへの参加申し込みは、IPOを取り扱っている証券会社から行います。

ブックビルディングへの申し込み方法

ブックビルディングに申し込む場合は、まず、ブックビルディング期間中に仮条件の範囲内で需要申告を行います。申請方法には「成行」と「指値」があります。

成行注文とは、売買を行うときに、値段を指定せずに注文することをいいます。 売買が成立した場合の値段は、成立した売買の相手によって決まります。成行注文をした人が一番有利な売買の相手と取引することになります。つまり、成行売り注文をした場合は、そのときに一番高く買い注文していた人と売買が成立し、成行買い注文をした場合は一番安く売り注文していた人と売買が成立します。 成行注文に対し、売買の際に値段を指定して注文することを指値注文といいます。

出典:SMBC日興証券

IPOでは申請価格よりも公募価格が高くなった場合には、IPOの購入はできません。例えば、「1,000円~1,500円」の仮条件の場合、1,200円の指値で申請したときの公募価格が1,300円だったときには抽選対象外となり、購入できなくなります。

ブックビルディング時に資金が拘束される場合もある

申し込み時に資金の拘束がある証券会社では「申告価格×申告株数」の買付余力が必要となります。ブックビルディング期間中に仮条件が変更され、値段の上限が上がる企業もあります。資金は余裕をもって入金し、適宜仮条件の変更に注意しましょう。

一方、申し込み時に資金の拘束がない証券会社もあります。資金が少ない個人投資家やIPO株投資の初心者などは、こうした前受金の不要な証券会社を利用するのもいいでしょう。

ステップ5:抽選結果を確認する

IPOの購入希望者が多ければ抽選となります。公式には倍率が発表されていないものの、IPO投資の当選確率は1%ほどと言われています。抽選の方法は証券会社によって異なり、主に3種類の方法が取られているのです。

  1. 完全平等抽選制:1人のユーザーに対して1つの抽選権があり、申し込み口数によって当選確率が影響を受けないものです。例えば5人の応募者がそれぞれ異なる口数の申し込みをしていたとしても、全員同じ確率で当選します。
  2. 口数比例制:申し込み数に応じて当選確率が高くなるものです。例えば5人の応募者がいて、1人が10口、残りの4人は1口だった場合、10口申し込んだ人の方が当選確率は高くなります。
  3. ステージ制:各証券会社独自のステージを用意しており、そのステージに応じた基準で当選確率に変動があります。資産の残高や過去の申し込み状況など、さまざまなステージが用意されています。

口数比例やステージ制は、申し込み数や資産の状況、過去の実績の影響を受けます。そのため投資経験が豊富な人や多額の資産がある富裕層などに有利です。これからIPO投資を始める方は、完全平等抽選制を採用している証券会社がおすすめです。

ステップ6:当選確認後に、購入申し込みをする

抽選が終了したら結果をホームページなどから確認できます。前期型では当選後、購入申し込みをして購入が成立するため購入申請が必要です。当選は購入の権利を得ただけで、購入ではないので注意が必要です。

一方後期型では、ブックビルディングの申し込みの際に購入申請を行います。当選した後にキャンセルするとペナルティが課される証券会社もあるため、どちらを使っているか確認してから申し込みましょう。

IPO銘柄を選ぶ際のポイントは5つ

Q.どんなIPO銘柄を選べばいいのでしょうか?
A. IPOだからといって、どんな銘柄でもよいわけではなく、ある程度の見極めが大切です。公募価格で買って初値で売ることを考えている場合は、目論見書をよく読み会社の概要をしっかりと確認してから購入しましょう。その中で成長性や初値の予想をしながら、銘柄を選んでいきましょう。

今後成長が見込める業種・業績の銘柄を選ぶ

IPOの企業情報は証券取引所の会社情報ページや、企業のHP・証券会社のサイトなどから確認できます。中でも目論見書は、企業の業績をチェックできるので必ず確認しましょう。また注目が集まっている業種では人気が高まり、初値が高くつきやすい傾向があります。

これ以外にも難しく考えすぎず、知っている銘柄を選ぶという選択肢もあります。新規上場する会社の多くは、認知度を上げることを上場目的の1つにしているのです。既に自分が知っている企業は他の人も知っている可能性も高く、話題や注目を浴びます。

例えば2015年の郵政グループの上場では今まで、IPOに興味を示していなかった投資家がIPOに足を踏み入れました。また、上場前にアプリの累計ダウンロード数が1億に到達していた2018年上場のメルカリでは、初値が公募価格を66%上回るなど投資家からの注目が集まりました。

今注目の業種や、自分の身の回りにある情報からも成長の可能性が見えるIPOを見つけられるでしょう。

公募株が売り出しよりも多い銘柄を選ぶ

株には「公募」と「売り出し」の大きく2種類あります。公募は新しく発行した株式のことで、新規発行株と呼ばれます。IPOではこのイメージが強いのではないでしょうか。売り出しとは、既に発行されており、役員や大株主が持っていた株式を売りに出すことです。

新規上場の際に購入する側としては、この2種類の違いはありません。しかし、銘柄の予測をつけるときや今後保有していく中では、判断する上で重要なポイントになります。

公募株が売り出しよりも多い場合は、企業として積極的に資金を集めて今後の事業に投資しようという、姿勢が見られます。しかし公募株よりも売り出しが多い場合は、既存の大株主が株式を持ち続けるよりも、今売りに出した方が得をしそうだと感じたと取れるでしょう。情報が少ない中で積極的な買いを集めにくい傾向となります。

つまり売り出しが多い株では企業として身売りをしているのと同じで、今後の経営に期待が持てなくなるとも言えるのです。

新規公開株式が多すぎる銘柄は避ける

株は新規発行(公募)が多ければその分資金が集まり、企業はそれを元手に業績向上を図ります。企業業績が上がることで、株主は配当などで恩恵を受けることもあります。

しかし多すぎる新規発行株式は、1株当たりの資産を希釈させてしまうため、投資家からは嫌がられる傾向にあるのです。また新規発行株式は潜在的な売りの圧力となりやすく、初値が公募割れするリスクを持ちます。そのため新規公開株が多い銘柄は初値が上がりにくいと言われています。

IPOの公開株式の中でどのくらいが新規発行で、どれくらいが売り出しなのかという情報は、目論見書や証券会社の企業紹介ページに記載があります。割合を計算してみたり他の銘柄と比較してみたりして、明らかに多い場合は購入を見送るなど慎重に判断しましょう。

公募価格が仮条件の上限に達しない銘柄は避ける

IPOの中では仮条件の上限価格を引き上げるものもある一方で、仮条件の上限に達しない銘柄も存在します。人気の銘柄の場合は皆が欲しいと考えるため、ブックビルディングの申し込みの際に購入希望価格が仮条件の上限となり、そのまま公募価格になります。

しかし人気がない銘柄では仮条件で申し込む投資家が少なく、公募価格が仮条件の上限以下の価格で設定されます。そういった銘柄は初値が上がりにくく、公募割れを起こす可能性があるのです。人気のない銘柄は損失を出してしまう可能性が高まるので注意しましょう。

大株主がベンチャーキャピタルでロックアップなしの銘柄は避ける

IPOをする会社の株式を持っている役員や関連会社などの情報は、企業HPや証券会社のHPから確認ができます。このときにチェックすべきなのは、株主の構成です。ベンチャーキャピタルが大量の株を保有している場合は注意が必要です。

ベンチャーキャピタルとは?
ベンチャーキャピタルは未上場の会社に出資をして株式を購入します。経営コンサルタントやマネジメントなどを行い、経営をサポートするのが役割です。出資した会社が上場したあと、保有していた株式を売却し利益を得るビジネス形態です。

ロックアップとは?
株価の急落を防ぐことを目的に、上場後90日や180日などの期間、上場前の株主がその株を売却できないように制限をかける制度です。

大株主に「〇〇投資事業組合」などの名称がついていたら、ベンチャーキャピタルである可能性が高いため、ロックアップ条項をよく確認しましょう。このロックアップ期間を守らなかったのが、2020年に上場したモダリス(4833)という会社の大株主です。

バイオベンチャーのモダリスは、大株主による株の売却を上場日から半年間制限する「ロックアップ」に違反があったと発表した。有名個人投資家の片山晃氏が同社株60万株(約18億円)を期間内に売却していた。違反への罰則はないが、ロックアップについての情報は上場前に開示が求められており株取引の需給にも影響する。

出典:日本経済新聞

大株主のロックアップ違反が発覚したことにより、モダリスの株価は下落しました。その後その大株主とモダリスとの間で解決金の検討がされています。

IPOの当選確率を上げるための方法とは?

Q.IPOの当選確率を上げる方法はありますか?
A.当選確率を上げるためには、多くの抽選に応募することです。IPOの主幹事を行っている証券会社や、ポイント制度を使うなど、自分の資金や状況に応じた当選を勝ち取る工夫が必要です。限られた時間と資金を有効に使う方法を探しましょう。

複数の証券口座を開設して抽選に申し込む

応募の回数が増えれば、抽選に当たる確率も増加します。また複数の証券会社から応募ができるようにしておくと、チャンスを逃しにくくなります。証券口座は保有するだけならば、費用がかからないため目的に合った証券口座を複数開設しましょう。

また信用取引や投資信託の過去の実績で優遇制度がある場合もあるので、資金に余裕があれば優遇条件をクリアするような取引も検討しましょう。

家族口座や未成年口座を作って抽選回数を増やす

家族口座や未成年口座を利用してIPOに申し込むことで、当選機会を増やせます。家族口座や未成年口座の場合、資金を家族に貸与して、名義人本人が取引を行う必要があります。なお、本人以外が取引した場合には借名取引となり、違反行為となる場合があるため注意してください。

未成年口座では両親が口座を持っていることなどを条件としたものや、取引金額に上限があるなど制限があります。しかし1口座としてカウントし、抽選に参加可能です。将来的な教育も含めて、子どもの勉強の一環として株式投資にチャレンジさせてみるのもよいでしょう。

証券会社独自のポイント制度や優待特典などを活用する

普通に応募しただけでは1%程度の当選確率のIPOは、なかなか購入できません。証券会社によっては当選しにくいIPOのために、独自のポイント制度や優遇制度を設けています。

SBI証券のIPOチャレンジポイントでは、IPOの抽選に外れた場合にポイントが付与されます。次回以降に、このポイントを使ってIPOに申し込むことで当選しやすくなります。長期間、IPO投資に挑戦し続ければいつかは当たる仕組みといえます。

他にも、SMBC日興証券のように信用取引の建玉残高や資産残高に応じてステージが作られ、そのステージに応じて当選確率が上がる証券会社もあります。

一般型と後期型の時間差を利用する

証券会社によっては、抽選の発表のタイミングが異なる場合があります。最初に申し込み・抽選が行われた後でも、まだ申し込める会社もあるのです。落選によって拘束が解除された資金を、他の証券会社へ移動させて、IPOにチャレンジできます。

例えばA社の抽選が終わった後にB社の申し込み期間中だった場合、A社で拘束されていた資金をB社へ動かし抽選に参加できます。その後B社でも落選したが、結局資金なしで抽選ができたC社で当選した場合、資金はC社へ入れられるのです。つまり1回分の資金で2回の抽選に参加できます。

各社の申し込み期間が異なるため、よくブックビルディングの説明を読んでから応募しましょう。

複数の抽選方法がある証券会社を利用する

証券会社の中には、一回の申し込みに対して複数回抽選がある場合があります。

例えばSMBC日興証券では最初に完全平等抽選を行い、落選した中から最大25倍の当選確率となるようなステージ抽選を行っています。配分枠の5%と大きな枠となっているため、当選の確率が高くなっているのです。

前受金不要の証券会社を利用する

IPOではブックビルディングの際に資金が拘束される後期型と、あとから資金を入金する前期型があります。まず前期型で資金なしで応募を行います(1応募目)。次に資金が拘束される方で資金を入れて、応募をしましょう(2応募目)。IPOは倍率が高いので、複数応募したとしても一方しか当選しないことがほとんどでしょう。そこで、当選した方に資金を入れて取引を行います。1単元を購入する費用で2つの応募ができるようになるため、少ない資金でも応募回数を稼げるようになるのです。

これらのやり方は各証券会社によって異なるため、複数社の証券口座を開設することで当選に近づきます。資金がなくても抽選に参加できる証券会社は、松井証券や岡三オンラインなどです。

証券会社ごとに銘柄を精査して複数銘柄に申し込む

企業の精査はもちろんのこと、申し込み期間や抽選期間もしっかりと精査しましょう。スケジュールを把握することで、同時期に行われるIPO銘柄に複数の申し込みが可能となります。例えば拘束されている資金が解放されたら、すぐに別の銘柄のIPOに応募するなど資金移動をスピーディに行うことで、当選機会を増やすことができます。

IPOの利益を最大化させるために当選後にすべきこと

Q.IPOの利益を最大化させるために、すべきことはありますか?
A.株の売買では購入手数料・売却手数料、税金などさまざまな経費がかかります。IPOの場合では購入手数料がかからない証券会社がほとんどですが、売却手数料はかかります。この手数料を比較したり、税制優遇制度を使うなどして利益を確保しましょう。

売却手数料が安い証券会社を選ぶ

IPOでは購入時には手数料がかからないものの、売却時には手数料がかかります。多くの証券会社では約定価格によって、手数料が決められています。

例えば約定金額が90万円のとき、楽天証券の超割コースでは535円(税込)ですが、松井証券では1,100円(税込)です。またSMBC日興証券ダイレクトコースでは、880円(税込)となっています。約定代金や契約しているコースによって変わるものの、手数料の安い会社を選べばその分だけ利益を増やせるのです。

また楽天証券やSBI証券などでは、1日定額の料金コースもあり、約定代金が100万円までは手数料が無料です。初値を予測して自分に都合のよいコースへ変更しておくことも、大切です。

NISA口座での取引でIPO株の売買益を非課税にする

株式を売買して得た利益に対しては、譲渡益課税がかかります。税率は20.315%なので、100万円の利益を得たときには、約20万円が税金として徴収されてしまうのです。その税金を非課税にするNISA口座を使い、IPOを購入することで非課税枠の範囲内で税金分利益を多く得られます。IPOは利益が得られる確率が高いため、NISA口座とは相性が良い制度です。

ただし、一般口座や特定口座で保有している株をNISA口座へは移せません。NISAを使う場合は、事前にNISA口座を開設して、その口座からIPOを購入する必要があります。

注文状況を詳細にチェックして最適なタイミングで売る

初値売りをした場合には気にする必要はありませんが、しばらく持ち続ける場合には随時株価をチェックして売り時を逃さないように工夫する必要があります。

人気銘柄では上場初日に買い注文が多くなるため、初値が付かないことも多くあるのです。中長期保有する場合、どのタイミングで売るかなど戦略を立てておくことも大切です。その際には、常に株価の動向を注視してなるべく高値で売れるような投資環境(スマホアプリの導入など)を整えておきましょう。

当選しても購入しないという選択も

当選したからといって、必ずしもIPO株を購入しなければいけないというわけではありません。当選したとしても購入をキャンセルできます。また当選後に、購入申請を行わないことで、自動的にキャンセルとなる場合があるのです。

一方で後期型では抽選前に購入申請を実施しているため、当選後のキャンセルができないものや、当選後のキャンセルにペナルティを課している証券会社もあります。購入後のキャンセルにペナルティを課している証券会社は、SMBC日興証券、岡三オンライン、三菱UFJモルガンスタンレー証券です。

IPO株の売り方は?初値売りとセカンダリー投資の違い

Q.IPO株は、どのように売ればいいのですか?
A.「初値売り」は、上場後の激しい乱高下を気にしなくてよいため、一喜一憂せずに取引できます。その一方で初値売りには、機会を逃してしまうデメリットもあります。IPO株の売り方には他にもセカンダリー投資という手法があります。

初値売りの特徴とメリット・デメリット

初値売りは上場した日の最初についた値段で売ることで、IPOで利益を得やすいといわれる売り方です。上場して最初に付く値段であるため、いくらの値段がつくか予想がしにくく、ギャンブル的要素を含みます。市場の過熱や他の要因によって、価格の変動を受ける可能性があるものの、IPOのほとんどが初値売りで利益を出しています。初値売りをする場合、購入価格である公募価格よりも高い場合が利益、低い場合が損失となるのです。

IPO投資では通常、公募価格が割安に設定されており、初値売りをしておけばリスクを犯さずに利益が得やすくなっています。1回では損失を出すことがあっても、複数回のIPO初値売りを行っていれば多くの場合では、利益が出る可能性が高くなります。

初値売りのメリット

1番のメリットは「初値売りをする」と決めておくことで、精神的にも作業的にも楽になることです。上場後激しく乱高下する市場を見ながら悩まずにすむため、精神的にはとても楽に取引を行えます。

初値で売らず価格が下がったタイミングで売ってしまい、その後初値を超えてさらに上がることもあるので、売るタイミングを間違うとあとで後悔することもあります。一方、期待が高かっただけで、初値が付いた後に連続ストップ安となる銘柄もあります。

例として、2018年4月20に上場したヒーローズ(4382)があります。話題性も成長性も期待され公募価格では4,500円で、初値は4万9,000円(公募価格比+44,500円、988.9%)という、高い初値を付けました。しかしその5日後売り気配からストップ安となり、そのまま初値まで戻ることはありませんでした。

目まぐるしく動く株価の変動の中で「いつ売れば一番よいのか」と悩みながら、なかなか決断ができずに売り損ねるのは利益的にも精神衛生的にもデメリットになります。最初から「初値売り」と決めておくと気が楽で、かつ作業面では事前に売り注文を出しておくだけでよいので仕事中でも売却取引が行えるのでメリットが多いでしょう。

どれだけ株価が乱高下していても耐えられる精神力と、相場を注視していられる時間がある方以外は初値売りをした方がよいかもしれません。

初値売りのデメリット

初値売りのデメリットは公募割れをしてしまった際に、損失が出てしまう点です。しかし下がっても、公募価格から大きく離れることは少なく損失を出しても限度があります。

他のデメリットとしては、初値が付いたあとにその後もさらに株価が上がるケースでは、長期保有で得られたであろう利益を手放してしまいます。

例えば2017年3月17日に上場したジャパンエレベーターサービス(6544)は、最初マザーズで上場した際の公募価格550円で初値が890円でした。しかしその後も上がり続けて、2022年1月現在では東証一部へ市場替えをし、2,000円に到達しました。

このように初値でも利益は出ているものの、持っていればさらに利益を得られたであろう企業を、手放してしまうことはデメリットといえます。

初値売りのやり方

初値売りのやり方はIPOで当選した株式を、上場前に「成行」で売り注文を出しておくだけです。あとは市場の状況によって、成行で売却注文が約定するのを待つだけとなります。

成行とは?
時間を優先した注文方法で「価格がついたときにいくらでもよいから、注文を出す(この場合は売り)」方法です。

指値とは?
価格を優先した注文方法で「時間は気にせず、〇〇円以上(または以下)になったら注文する」方法です。

注目の銘柄では上場日に値段が付かないこともあるため、その場合は翌日の市場が開くまでに、成行で売り注文を出すのです。

IPOによっては公募価格を割ってくるものもあります。含み損を抱えても損失を出したくない場合には、条件付き注文を出せる会社では「公募価格よりも下がっている場合は売らない」注文をしましょう。初値売りに失敗した場合は損切りするか、長期保有するかあらかじめ考えておくと、その後の失敗が少なくなります。

成行の注文を出せる時間が証券会社によって異なるため、注意が必要です。早い証券会社では前日の17時以降から注文が出せます。遅い証券会社では上場日の朝6時からとなるため、通勤や仕事の都合を考えて、売り注文を確実に出せるようにしましょう。

セカンダリー投資の特徴とメリット・デメリット

セカンダリー投資とは?
上場前に購入し上場初値で売るやり方ではなく、上場後に株の売買を行うことです。IPOで当選していたものの初値で売らず、しばらく保有した後に2段階目の値上がりで売る場合や、IPOで当選はしなかったもののその企業の成長性に賭け初値付近で購入し、上がった後に売る方法です。

すでに発行された証券などが投資家間で売買される市場のこと。流通市場(二次市場)とも呼ばれ、取引所取引と店頭取引がある。 一方、国や企業等が新たに発行した証券を直接(または仲介者を通じて)投資家が取得する市場を、「プライマリーマーケット(発行市場、一次市場)」と呼ぶ。

出典:セカンダリーマーケット|野村證券

セカンダリー投資は、初値をピークとせず、今後の成長や展望に期待をして売買を行う方法です。上場直後に株を購入する場合はIPOの抽選がありません。市場価格で購入ができるため、抽選による「運」の要素は必要ありません。しかし、上場直後の乱高下する値動きの中で取引を行うため、違った意味の「運」や投資スキルが必要となっていきます。

セカンダリー投資のメリット

セカンダリー投資のメリットは、自己の先を読む目を活かして短期間で大きな利益を出せる可能性がある点です。激しい値動きの中で押し目のタイミングで購入し、その後の成長や需要を見込んで購入・売却し利益を出していけます。

セカンダリー投資のデメリット

セカンダリー投資のデメリットは短期間で大きな損失を出す可能性があることです。IPOの銘柄は評価が安定していないため、短期間で大きな利益を出せる一方で、短期間で大きな損失を作ってしまう可能性もはらんでいます。ギャンブル的な要素が大きく、長期的なスパンで売買するなど、リスクに対してのマネジメントが必要となります。

例えば、2021年8月に上場したジェイフロンティア(2934)の公募価格は4,190円で、初値が大きく上がると予想されていた株でした。しかし実際の初値は3,560円と15%の下落で始まりました。注目されていたため、セカンダリーマーケットを狙った方もいたようです。その後、一時的に株価を戻したタイミングもありましたが、そのまま下落を続け2022年1月時点では2,000円を切り、初値の半値以下まで下がってしまいました。

ジェイフロンティの例では、初値売りができた方は-15%の損失を被ったものの、初値で購入してセカンダリーマーケットを狙った方では2022年1月時点で-50%までマイナスとなっています。セカンダリーマーケットは的確な銘柄を選択すれば、利益が出る可能性は十分にあります。その反面大きな損失を抱えてしまう可能性もあるのです。

さらに加熱によって初値が高値に設定された場合では、二度と初値付近まで戻ってこないのです。その意味で、セカンダリー投資はリスクの高い投機的な取引となってしまう場合もあります。

最新のIPOスケジュール(2022年)

Q.2022年で注目のIPO銘柄はありますか?
A.注目銘柄は2022年2月4日上場予定のビッグツリーテクノロジー&コンサルティングです。コンサルティングとテクノロジーの両方に強みを持っており、DX戦略の立案から実現するまでのシステム開発を行います。IPOで人気の大和証券が主幹事を務め、引受幹事はSMBC日興証券、野村證券、SBI証券などです。大型の案件と話題のDX事業で、注目を集めています。

2022年に予定されている注目のIPO銘柄は次の通りです。

【セイファート】
セイファートは美容業に関する広告求人サービスや紹介、派遣・教育サービスを行っている企業です。

  • 市場区分:ジャスダック
  • コード:9213
  • 購入申請期間:1/19~1/25
  • 上場日:2/4
  • 取り扱い証券会社:みずほ証券、大和証券、岩井コスモ証券、マネックス証券ほか

【ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング】
ビッグツリーテクノロジー&コンサルティングは、クラウド・AI、デジタルマーケティングなどの最新技術を活用した、ITコンサルティングシステム開発によるDX推進支援の企業です。

  • 市場区分:マザーズ
  • コード:4266
  • 購入申請期間:1/20~1/26
  • 上場日:2/4
  • 取り扱い証券会社:大和証券、SMBC日興証券、野村証券、SBI証券、マネックス証券、楽天証券ほか

【ライトワークス】
ライトワークスは次世代型学習管理・人材開発プラットフォーム、および付帯するコンサルティングサービスを提供している企業です。

  • 上場区分:マザーズ
  • コード:4267
  • 購入申請期間:1/21~1/27
  • 上場日:2/9
  • 取り扱い証券会社:エイチ・エス証券、SMBC日興証券、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、岡三オンラインほか

【エッジテクノロジー】
エッジテクノロジーの事業内容はAI実装の支援および、ビッグデータ解析コンサルティング業務です。AIソリューションに強みを持っています。

  • 上場区分:マザーズ
  • コード:4268
  • 購入申請期間:2/1~2/7
  • 上場日:2/17
  • 取り扱い証券会社:SMBC日興証券、野村証券、SBI証券、楽天証券、いちよし証券、極東証券、松井証券ほか

IPOは人気のジャンルであることも大切です。AI・医療などの領域では他の既存の会社との優位性が見えないと、買い注文が入りにくく初値も上がりにくい傾向があります。

2022年のIPOでもSMBC日興証券、大和証券など大手が主幹事を多く引き受けています。証券会社選びの際には、主幹事を任せられている大手総合証券を口座開設の候補に入れておきましょう。

IPO投資に関するQ&A

Q.IPO銘柄は何を基準に選んだらいい?

A.公募価格で買い、初値で売れば多くの場合で利益を得られる可能性が高いのがIPOです。しかしどの銘柄でもよいわけではありません。人気のないIPOでは初値が公募価格を割り込むものも、しばしば見受けられます。

一例として、市場区分で選ぶ方法をおすすめします。IPOの中で成長する企業が集まっているのはマザーズ市場です。マザーズは市場第一部を目指す成長企業向けの市場であり、申請する会社は高い成長可能性を秘めています。

短期的に急騰する銘柄ならばマザーズ、長期目線も視野に入れ長く付き合っていくならば、東証一部の銘柄を選んでみましょう。

Q.IPOの申し込みはキャンセルできる?

A.IPOの申し込みは、申込期間中のキャンセルは可能です。当選後も購入申請を期間内に行わなければ、当選辞退となる証券会社もあります。しかし購入申請後に抽選が行われ当選と同時に購入となる(後期型)ため、当選後のキャンセルはできない証券会社があります。また当選後のキャンセル(辞退)に、ペナルティを課している証券会社もあるため、事前の確認が必要です。

後期型のシステムをとっているのは、下記の証券会社です。

  • auカブコム証券
  • GMOクリック証券
  • 楽天証券
  • 岩井コスモ証券

当選後のペナルティを課している証券会社は下記の会社です。

  • SMBC日興証券
  • 三菱UFJ モルガン・スタンレー証券
  • 岡三証券

ペナルティの内容としては、ネットからのIPO申し込みが一定期間不可となるものなどです。SMBC日興証券や三菱UFJ モルガン・スタンレー証券は期間が、1ヵ月と決まっています。しかし岡三証券は期間が決まっていないため、今後のIPO取引ができなくなる可能性があるため、注意してください。

Q.IPO株を長期保有することはリスクが高い?

A.IPO銘柄は割安価格が設定されている場合がほとんどです。ジャスダック、東証2部、東証1部銘柄では比較的穏やかな動きを見せることが多い傾向にあります。そのため長期保有をしてもリスクは高くないと考えられます。配当を目当てに長期保有するのもいいでしょう。

Q.IPOは一般投資家でも申し込みできる?

A.IPOは機関投資家や大投資家だけではなく、一般投資家でも申し込めます。公募価格が1,000円を切るものでは10万円以内で購入できる銘柄もあるため、気軽に始められます。抽選が残高に影響されない完全平等抽選の証券会社から申し込むことや、複数の証券会社から申し込むなどして、当選確率を上げられます。

Q.証券会社の口座開設にはどれくらいの日数がかかる?

A.ネット証券では、書類のやり取りがスマホやPCから行えます。本人確認書類もネットで提出できます。例えば、DMM株などでは最短当日・無料で口座開設できます。多くの証券会社では翌営業日開設で、長くても1週間程度で開設ができます。郵送を使って申し込める証券会社もあるものの、時間がかかるため、早くて便利なネットを使い申し込みましょう。

Q.複数の証券会社で口座を作ることはできる?

A.1人で複数の証券口座を開設できます。複数の口座が欲しいときには、同一証券会社では作れないため、他の会社の証券口座を開設しましょう。メインとなる証券会社と抽選方法や使い勝手に応じて使うサブの証券会社を使い分けるとよいでしょう。IPO抽選時に資金が不要な証券口座を持っておくと、抽選の機会が増えるため、当選しやすくなります。

IPOの抽選に通過するため、証券会社に口座を作ろう

IPOは勝率が高く人気の投資方法ですが、抽選に当たりづらいという難点があります。抽選回数を増やして当選確率を高めるためには、証券会社に複数口座を持ち、ポイントや優遇制度を使い、各社・各銘柄の抽選の時差を活用する方策などが有効です。

証券口座を作る際に費用はかからないため、IPOの主幹事が多い証券会社に口座を作るなど工夫をしてIPO投資にのぞみましょう。

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