SKCが、二次電池の性能を大幅に改善する次世代素材のシリコン負極材事業を加速化する。英シリコン負極材技術企業のネクセオン(Nexeon)に投資を終えたSKCは、今年に事業運営会社を設立し、商業化を急ぐ戦略だ。韓国メディア「イーデイリー」が報じた。(写真:SKC)
SKCはSJLパートナーズ、BNWインベストメント、キウムPEとコンソーシアムを構成してネクセオンに計8000万ドル(約957億ウォン、約91億円)投資を完了し、ネクセオンの持分の一部とシリコン負極材の事業権を確保した。SKCコンソーシアムは、ネクセオン投資を通じて確保した事業権を基盤に量産を担当する事業運営会社を年内に設立する予定だ。
2024年の量産開始が目標だ。SKCはコンソーシアムの主事業者として事業の主導的役割を担う。
シリコン負極材は、2次電池の負極内含量が高いほど、バッテリーの充電速度や電気自動車の走行距離性能が良くなる。
そこでシリコン負極材は、電気車市場の次世代素材として注目を集めている。市場調査機関によると、市場規模は2025年29億ドル(約3306億円)、2030年146億ドル(約1兆6645億円)規模に成長する見込みだ。
負極内のシリコン含量によって低含量(15%以内)、高含量(15%以上)に分けられるが、現在は低含量製品の商用化初期段階だ。
2006年、英国に設立された技術スタートアップのネクセオンは、性能や価格競争力に優れたシリコン負極材を、短期間で量産できる技術力を備えている。特にシリコン負極材関連の重要特許を最も多く保有している。
SKCはネクセオンの差別的な技術力にグローバル量産とマーケティング力量を結合させて、早くシリコン負極材事業に進出する計画だ。今年に事業運営会社を立ち上げ、低含量製品を商業化してグローバル市場に参入し、市場の開花時期にあわせ、ネクセオンと合弁方式で、高含量製品の事業化も推進する。
特にSKCは銅箔技術を保有しているSKネクシリスと協力し、顧客に差別的なソリューションを提供する計画だ。シリコン負極材の体積膨張に耐える高強度、高延伸銅箔技術を活用してシリコン負極材の比重を高めるなど、さらに優れた二次電池核心素材ソリューションを顧客会社に供給するのが目標だ。
SKC関係者は「両社の強みに世界最高の銅箔技術力を加え、品質はもちろん価格競争力まで備えた二次電池素材ソリューションを提供する計画」とし「シリコン負極材事業を早く成長させ、最高のグローバルESG素材ソリューション会社として位置づけられる」と述べた。
提供元・コリア・エレクトロニクス
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