楽天証券の米国株投資は初心者におすすめ?手数料負けの可能性は?
(画像=JHVEPhoto/stock.adobe.com)

米国株は一定金額以下の取引だと手数料負けするといわれていましたが、最低手数料の撤廃により、手数料負けを気にする必要がなくなりました。しかし、そもそも手数料負けとはどのような状態でしょうか。米国株の魅力やおすすめの証券会社とともに紹介します。

米国株の手数料負けとはどんな意味?

Q.米国株の手数料負けとは、どのような意味ですか?
A.米国株取引に最低手数料が設定されていたために、少額投資ほど利益が出にくい状態となり、手数料負けと呼ばれていました。

米国株は、ネット証券が力を入れている分野のため、手数料の引き下げ競争による「手数料負け」がなくなっています。

以前は手数料の安いネット証券でも5ドルの最低手数料が設定されていました。売買するたびに必ず往復10ドルの手数料が取られていたため、少額の投資家には大きい負担です。

仮に1ドル=100円とし、50ドルの米国株を1株購入すると、手数料だけで10%も引かれることになります。

最初から10%も引かれれば、かなり不利な状態で投資しなければいけません。利益が出るまでにもその分だけ時間がかかります。売るときにも最低5ドル引かれるため、値上がりしたとしても手数料で利益が圧迫されてしまうでしょう。

これが米国株の「手数料負け」といわれる状態です。

米国株は手数料負けする?しない?

Q.米国株の少額投資は手数料負けしますか?
A.米国株の最低手数料が撤廃されたことにより、手数料負けすることはなくなりました。

米国株は、少額投資ほど手数料負けしやすい状態でした。しかし、現在は手数料負けすることがなくなり、金額を気にせず投資できます。

米国株が手数料負けしなくなった理由

米国株で手数料負けしなくなった理由は、最低手数料が撤廃されたためです。手数料の安いネット証券でも5ドルの最低手数料がありましたが、一定の約定金額以下なら最低0ドル、つまり手数料なしで投資できます。

最低手数料が撤廃される前は、1,111ドル以下の取引は不利でした。1,111ドル以下の取引は必ず5ドルかかっていたからです。

米国株は1株から投資できるため、積み立てのように少額で株を購入できます。以前だったら手数料負けが少額投資を阻む壁でした。しかし、最低手数料が撤廃された現在は、投資金額を気にせず好きに購入できます。

米国株に投資するなら、手数料の安いネット証券を使いましょう。

ネット証券で取引すれば手数料負けは意識しなくていい

ネット証券の中でDMM株、SBI証券、マネックス証券、楽天証券は米国株の最低手数料もなく、手数料負けを意識する必要はありません。

ネット証券 米国株
取引手数料 最低手数料 最大手数料
DMM株 なし なし なし
SBI証券 0.495% 0ドル 22ドル
マネックス証券 0.495% 0ドル 22ドル
楽天証券 0.495% 0ドル 22ドル

DMM株SBI証券マネックス証券楽天証券の公式サイトより作成、2022年1月19日時点

DMM株にいたっては米国株の取引手数料がありません。手数料を気にせず取引できる点は、アドバンテージといえるでしょう。

SBI証券、マネックス証券、楽天証券は一律0.495%で、500ドルの株の場合、手数料込みで502.475ドルかかる計算です。1ドル=100円とすれば、5万円の購入代金に対して247.5円の手数料がかかります。それくらいの手数料であれば、あまり気にする必要はないでしょう。

米国株以外の外国株は手数料負けの可能性がある

米国株の最低手数料は撤廃され、手数料負けすることはなくなりましたが、他の外国株は最低手数料がまだ残っています。例えば、中国株の取引手数料を先ほどのネット証券で比較してみましょう。

ネット証券 中国株
取引手数料 最低手数料 最大手数料
DMM株 取扱なし
SBI証券 0.286% 51.7香港ドル 517香港ドル
マネックス証券 0.275% 49.5香港ドル 495香港ドル
楽天証券 0.55% 550円 5,500円

※楽天証券は円換算の約定代金10万円以下は最低手数料、100万円以上は最大手数料が適用される
DMM株SBI証券マネックス証券楽天証券の公式サイトより作成、2022年1月19日時点

中国株の取り扱いのあるSBI証券、マネックス証券、楽天証券は、最低手数料が設定されています。そのため、一定以下の投資金額では、手数料負けしやすくなるでしょう。SBI証券を例に考えた場合、1万8,076香港ドル以下の取引は最低手数料が適用され、割高な取引となります。

中国株も米国株ほど人気の投資先になれば、最低手数料が撤廃される日も来るかもしれません。

米国株投資の5つのメリット

Q.米国株投資のメリットは何ですか?
A.米国株は配当金の増配や自社株買いを積極的に行っています。世界的な企業が数多く上場していますが、1株から購入できる点も魅力です。米国株の株主還元に積極的な姿勢は、株価にも好影響を与えています。株価の下支え要因にもなるため、長期投資も行いやすいでしょう。

米国株投資の5つのメリット
株主還元に積極的で収益性も高い
年4回配当や連続増配銘柄が多い
自社株買いに積極的なため株価が上昇しやすい
1株から投資できる
米国株式市場には世界的な企業が上場している

株主還元に積極的で収益性も高い

米国株は株主還元に積極的な企業が多いでしょう。それが分かるROE(自己資本利益率)という指標があり、株主にとって非常に重要な指標といわれます。

ROE(自己資本利益率)とは
株主が投下した資産(株主資本)を使って、どれだけ利益を上げられたかを示す指標です。一般的に数値が高いと収益性が高く、効率よく稼げていることを表します。

“会社が自己資本をどれだけ有効に活用して利益を上げているかを示す指標。自己資本利益率(Return On Equity)のこと。”

出典:日本証券業協会

ROEは分母を株主資本、分子を純利益として計算します。

純利益を増やせば収益性は上がりますが、その利益は株主のものです。それをため込むと株主資本が増加します。株主資本が増えると同じ利益を上げていても、ROEは下がってしまうでしょう。以下の例を見ると分かります。

ROE=純利益/株主資本 1年目 2年目 3年目
純利益 15 15 15
株主資本 100 115 130
ROE 15% 13% 11%

※小数点以下切り捨て

ROEを維持するためには利益を出すだけでなく、配当などの株主還元を行い、株主資本を減らすことも意識しなければいけません。ROEは収益性だけでなく、株主還元の積極性を測る指標でもあります。高いROEの維持=収益性と株主還元の両立を意味し、このことが株主にとってROEが重要な指標とされる理由です。

米国株のROEは平均18.4%もあります。日本株の9.4%と比較して非常に高いです。
出典:経済産業省『事務局説明資料(2019年11月)』

REOの高さを見るだけで、米国株は株主還元に積極的かつ収益性も高いことが分かるため、投資対象として魅力があります。

年4回配当や連続増配銘柄が多い

米国株は、年4回配当が一般的です。増配する企業が多い点に魅力があります。

日本では、年1〜2回の配当が一般的ですが、米国では年4回配当する企業が多いです。四半期ごとに配当金を受け取れる点は、長期投資する株主にはメリットでしょう。

米国株は、配当金を毎年増配する企業が多いのも特徴です。例えば、10期以上連続増配する米国株の中から、予想配当利回り3%以上、ROE12%以上で絞ると以下の銘柄があります。

銘柄 連続増配米国株
株価 予想配当利回り 年間配当回数 ROE
IBM 131.58 5.0% 4回 21.9%
ベライゾン・コミュニケーションズ 53.50 4.8% 4回 31.0%
メルク 81.29% 3.4% 4回 22.2%

マネックス証券の「銘柄スカウター米国株」より作成、2022年1月20日時点

毎年増配する企業が多い理由は先ほど述べた通り、高いROEを維持するには配当金を出して株主資本を減らす必要があるためです。

連続増配銘柄は上記以外にも多くあるため、配当を楽しみにしながら米国株に投資しましょう。

自社株買いに積極的なため株価が上昇しやすい

米国株は株主還元の一貫として、自社株買いにも積極的です。

自社株買いとは
自己資金で株式市場から自社株を買い戻すことです。買い戻した自社株を消却すれば、1株当たりの利益が高まり、株主のメリットになります。消却とは、自社株を消滅させることです。

“自社株買いとは、上場企業が自らの資金を使って、株式市場から自社の株式を買い戻すことをいう。”

出典:日本証券業協会

自社株買いをすると発行済株式数が減り、1株当たりの価値が高まるため、株主還元に積極的な米国ではよく行われます。例えば、純利益が1万円である企業の株が1,000株上場しており、200株を自社株買いし消却を行った場合を見てみましょう。

  自社株買い前 自社株買い後
純利益 1万円 1万円
上場株数 1,000株 800株
1株当たり利益 10円 12.5円

※1株当たり利益=純利益/発行済株式数

自社株買いによって1株当たり利益が増加しています。これは株主の利益が増えることを意味しますので、株価にもプラスのインパクトを生むことが多いです。

自社株買いは年々増加する傾向にあり、米国の株価上昇を支える要因でもあります。日本でも自社株買いは行われますが、頻度や規模でも米国株が優れているでしょう。

1株から投資できる

米国株は1株から投資できるため、少額から投資を行えます。

日本株の場合は100株が1単元です。1社に投資するだけで、数十万円から数百万円の資金が必要になることもあります。1株から購入できる単元未満株制度もありますが、リアルタイムで売買できないことや手数料が割高になる点はデメリットです。

その点、米国株は購入金額のことをあまり気にする必要がなく投資しやすい環境にあります。

米国株式市場には世界的な企業が上場している

米国には世界的な企業が多数上場しており、株を買ったことがない人でも名前を聞いたことのある企業が多くあるはずです。例えば、以下の企業が上場しています。

・ナイキ
・スターバックス
・マクドナルド
・アップル
・アマゾン
・テスラ

他にも数多くの有名企業が上場しており、米国を拠点にグローバルに事業を展開する企業が少なくありません。グローバル企業はさまざまな国にまたがって事業をすることで、成長性が日本企業とは比較にならないこともあります。

米国株といっても日本でおなじみの会社も多いため、知っている銘柄から投資を始めてもいいでしょう。

米国株投資におすすめの証券会社4選 楽天証券、DMM 株など

Q.米国株投資をするならどこの証券会社がいいですか?
A.米国株投資は手数料が安く、取扱銘柄数も豊富なネット証券がおすすめです。

ネット証券で米国株投資をするなら、DMM株、SBI証券、マネックス証券、楽天証券がおすすめです。中でも楽天証券の取引アプリ「iSPEED」は米国株分析と投資情報の収集が簡単にでき、初心者にも適しています。

ネット証券 米国株
取扱銘柄数 取引手数料 最低手数料 最大手数料 おすすめポイント
楽天証券 4,579 0.495% 0ドル 22ドル 「iSPEED」の米国株投資は初心者におすすめ
DMM株 1,261 なし なし なし かんたんモードのある取引アプリが斬新
SBI証券 5,002 0.495% 0ドル 22ドル IPO銘柄を上場初日から取扱
マネックス証券 4,924 0.495% 0ドル 22ドル 分析ツール「銘柄スカウター米国株」が優れている

楽天証券DMM株SBI証券マネックス証券の公式サイトより作成、2022年1月19日時点

楽天証券……「iSPEED」の米国株投資は初心者におすすめ

ネット証券 米国株
取扱銘柄数 取引手数料 最低手数料 最大手数料 おすすめポイント
楽天証券 4,579 0.495% 0ドル 22ドル 「iSPEED」の米国株投資は初心者におすすめ

楽天証券の公式サイトより作成、2022年1月19日時点

楽天証券の米国株取引手数料

楽天証券の米国株の取引手数料は、約定代金に対して0.495%です。約定代金が2.22ドル以下の場合に最低手数料0ドルとなります。

為替手数料は25銭ですが、他社のように為替手数料が安くなる方法がない点は注意しましょう。

楽天証券の米国株取扱銘柄数

楽天証券の米国株は、約4,600の取扱銘柄数があります。十分な銘柄数があるため、投資先に困ることはないでしょう。

楽天証券では米国株に楽天ポイントが使えます。他社でもポイントで投資信託を購入できるところはありますが、米国株購入にポイントを使えるのはまだ珍しいです。一度利用設定を行うだけで、注文時に自動的にポイントを使用できます。

「iSPEED」は米国株分析から投資の勉強までできて初心者におすすめ

楽天証券の取引アプリ「iSPEED」は、AppStoreで星4.4を獲得するほど高評価です(2022年1月20日時点)。

「iSPEED」は高機能で使いやすく、情報も豊富な取引アプリです。アプリ内で米国株の財務情報をグラフ表示し、収益性や安定性など5項目による総合評価も確認できます。競合銘柄の表示も可能で、初心者でも米国株情報を簡単に取得して投資に生かせるアプリです。

「iSPEED」はカスタマイズ性が高いため、オリジナルの投資情報画面を10ページまで作成でき、自分に必要な情報を集約できることも特徴です。投資のニュースポータルである「Market Today」の画面では、以下の中から好みの情報のみを表示できます。

・楽天証券マーケットニュース
……取引時間終了後にマーケット速報を約2分の動画で配信
・ニュースヘッドライン
……ジャンルを問わず、ロイターの最新ニュース3件を確認できる
・株主優待
……株主優待ニュースや権利確定月の確認、優待銘柄の検索などができる
・カレンダー
……決算発表の銘柄や開催イベントが確認可能
・Pick up!
……キーワード別のロイターニュースを配信

アプリ内から楽天証券が運営する投資情報メディア「トウシル」の閲覧が可能です。

トウシルは投資の疑問や不安を減らし、投資へのハードルを下げるためのコンテンツを提供しました。初心者でも分かりやすい投資の基礎から、少し上級者向けの内容まで、さまざまなコンテンツが配信されています。アプリから最新情報をチェックでき、投資知識を身につけられます。

「iSPEED」を使えば、米国株の分析から投資の勉強まで1つのアプリでカバーできます。楽天証券は初心者にもおすすめです。

DMM株……かんたんモードのある取引アプリが斬新

楽天証券の米国株投資は初心者におすすめ?手数料負けの可能性は?
(画像=DMM 株より引用)
ネット証券 米国株
取扱銘柄数 取引手数料 最低手数料 最大手数料 おすすめポイント
DMM株 1,261 なし なし なし かんたんモードのある取引アプリが斬新

DMM株の公式サイトより作成、2022年1月19日時点

DMM株の米国株取引手数料

DMM株の米国株取引手数料は、売り買いともに無料で業界最安です。他に無料で取引できるネット証券はなく、取引手数料がない分、有利に投資できます。

ただし売買するときは日本円と米ドルを交換して決済するため、為替手数料が1ドル当たり片道25銭です。配当金受取時は、基準為替レートより−1円で交換されます。

米ドルの預け入れや払い出しはできず、日本円のみの取引になる点は注意しましょう。

DMM株の米国株取扱銘柄数

DMM株の米国株取扱銘柄数は、約1,200本です。比較的新しいネット証券ということもあり、他社に比べ銘柄数はまだ充実していません。

しかし頻繁に銘柄追加が行われており、取扱銘柄も急速に増えていくはずです。取扱銘柄は随時追加希望を出せますので、買いたい銘柄がない場合は積極的に要望してみましょう。

かんたんモードのある取引アプリだから初心者も安心

DMM株は初心者でも米国株に安心して投資できるように、取引アプリに「かんたんモード」を用意しています。

「かんたんモード」では、難しい用語や複雑な操作はありません。注目テーマや購入可能額の条件などから銘柄を選べる設計です。アナリストや個人投資家の予想もチェックでき、まだ米国株を始めたばかりでも安心して投資できるでしょう。

取引アプリとして一般的な高機能チャートや豊富な情報を備えた「ノーマルモード」への切り替えも可能です。同じアプリで国内株にも投資でき、全て完結できる機能性が魅力です。

SBI証券……IPO銘柄を上場初日から取り扱う

楽天証券の米国株投資は初心者におすすめ?手数料負けの可能性は?
(画像=SBI証券より引用)
ネット証券 米国株
取扱銘柄数 取引手数料 最低手数料 最大手数料 おすすめポイント
SBI証券 5,002 0.495% 0ドル 22ドル IPO銘柄を上場初日から取扱

SBI証券の公式サイトより作成、2022年1月19日時点

SBI証券の米国株取引手数料

SBI証券の米国株取引手数料は、約定代金に対して0.495%です。最低手数料0ドルは約定代金が2.02ドル以下のときに適用されます。

円貨決済で米国株を売買するときは、為替手数料が1ドル当たり25銭です。しかし、住信SBIネット銀行なら4銭で交換でき、無料でSBI証券に入金できます。ネットで手続きは必要ですが、SBI証券で米国株投資をするときは住信SBIネット銀行をぜひ活用しましょう。

SBI証券の米国株取扱銘柄数

SBI証券の米国株取扱銘柄数は5,000を超えており、非常に充実しています。銘柄は随時追加されており、それだけ多いと銘柄検索も大変です。しかし、SBI証券では「米国テーマ・キーワード検索」があります。

この機能は特定のテーマやキーワードに関連する米国株を検索でき、関連企業を知らなくても銘柄を探せるでしょう。例えば、「メタバース」「半導体製造装置」「電気自動車関連」「アップル関連」などさまざまなテーマが用意されています。

「米国テーマ・キーワード検索」を使えば、米国株に詳しくない人でも銘柄を探しやすいでしょう。

「IPOスピードキャッチ!」で新規上場株を見逃さない

SBI証券は米国IPO株を上場初日から多数取り扱っています。

IPOとは
新しく株式市場に上場する新規上場株のことです。

“Initial Public Offeringの略で、新規公開株式を公募・売り出しすることをいう。新規上場会社は、証券会社を通じて、株式を一般投資家へ売り出し、株式市場に上場させて資金調達を図る。”

出典:日本証券業協会

日本株のIPOは上場前に購入を申し込めますが、米国株は上場後に証券会社が取り扱わなければ投資できません。

SBI証券ではIPO銘柄を原則初日から取り扱うことにしており、新規上場株の情報をお知らせする「IPOスピードキャッチ!」というサービスを提供しています。米国株は上場時点で市場の注目度が高い銘柄もあるため、上場初日からIPO銘柄に投資したい人におすすめです。

マネックス証券……分析ツール「銘柄スカウター米国株」が優れている

楽天証券の米国株投資は初心者におすすめ?手数料負けの可能性は?
(画像=マネックス証券より引用)
ネット証券 米国株
取扱銘柄数 取引手数料 最低手数料 最大手数料 おすすめポイント
マネックス証券 4,924 0.495% 0ドル 22ドル 分析ツール「銘柄スカウター米国株」が優れている

マネックス証券の公式サイトより作成、2022年1月19日時点

マネックス証券の米国株取引手数料

マネックス証券の米国株取引手数料は、約定代金に対して0.495%です。マネックス証券も最低手数料は0ドルですが、売却時のみ現地取引費用として1ドルにつき0.0000051ドルがかかります。

取引手数料はSBI証券と楽天証券と同じです。しかし、マネックス証券では円貨決済で米国株を買い付けたときに、通常かかる25銭の買付時為替手数料が無料になります。為替手数料の無料化は随時実施されていますが、為替変動などを考慮して定期的に見直される点は注意が必要です。

マネックス証券の米国株取扱銘柄数

マネックス証券の米国株取扱銘柄数は約5,000本あり、SBI証券と遜色ありません。取扱銘柄も随時追加されていますので、今後も増えていくでしょう。

マネックス証券の米国株は、市場の取引時間9:00〜16:00(現地時間)に加え、以下の時間でも取引できます。

・8:00〜9:30のプレ・マーケット
・16:00〜20:00のアフター・マーケット

米国株の取引時間は通常6時間半ですが、マネックス証券では最大12時間取引できるため、決算などで株価が大きく動くときでも取引チャンスを逃しにくいでしょう。

優れた分析ツール「銘柄スカウター米国株」がある

マネックス証券は銘柄数が多いだけでなく、分析ツールの「銘柄スカウター米国株」も優れています。「銘柄スカウター米国株」は過去の業績や配当金推移などがグラフ化して表示され、決算書を見なくてもトレンドを簡単に把握できる非常に便利なツールです。

機能が制限されたノーマル機能と高機能のプロフェッショナル機能がありますが、外国株口座開設から6ヵ月はプロフェッショナル機能が使えます。その後も以下のいずれかの条件を満たすだけで、プロフェッショナル機能を利用可能です。

・外国株取引口座に日本円換算で5万円以上の預り金がある
・過去1年以内に1回以上の米国株または中国株の取引がある

米国株式市場のニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック(NASDAQ)とは

Q.米国のニューヨーク証券取引所とナスダックはどのような違いがありますか?
A.ニューヨーク証券取引所は歴史があり、多くの老舗グローバル企業が上場しています。一方、ナスダックは新興企業向け取引所で、ハイテク関連の上場企業が多いのが特徴です。

米国株は、主にニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック(NASDAQ)の2つの株式市場で取引します。その2つで世界の市場規模の約40%を占めるほど、巨大な株式市場です。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)とは

ニューヨーク証券取引所は世界最大の取引所で、東京証券取引所のおよそ4倍の時価総額があります。
出典:野村資本市場研究所(2021年8月末)

時価総額とは
発行済株式数と株価を掛けた値です。企業の株式市場における規模を表し、大型株・中型株・小型株の目安になります。上場企業の時価総額を足し合わせたものが証券取引所の規模です。

“各銘柄の時価総額とは、通常、「株価×発行済株式数」で計算されるもので、その企業の規模を示しているものといえます。また、「東京証券取引所市場第1部の時価総額」などという場合は、東証1部上場企業の時価総額を合計したものです。”

出典:SMBC日興証券

米国の金融中心地であるニューヨークのウォール街にあり、世界の投資家が注目する市場です。かつては歴史ある企業の上場先でした。しかし、ハイテク関連の多いナスダックの上場企業が台頭していることから、テクノロジーを駆使して事業を行うニューエコノミー企業の誘致にも積極的です。

ナスダック(NASDAQ)とは

ナスダックはニューヨーク証券取引所に次ぐ、世界で2番目に時価総額の大きい取引所です。新興企業向けの取引所で、ニューヨーク証券取引所と比べ、ハイテク関連企業が多く上場している特徴があります。

新興企業向けとはいえ、日本のマザーズやジャスダックとは違い、東証一部のような上位の市場があるわけではありません。巨大企業に成長しても、そのままナスダックに上場し続けるため、アップルやマイクロソフトのような新興企業とはいえない銘柄も存在しています。

ナスダックには成長著しい企業が多く上場し、取引所の規模も大きいです。そのため、全上場銘柄を対象にしたナスダック総合指数は、NYダウ(ダウ工業株30種平均)やS&P500と並んで世界の投資家が注目しています。

NYダウは米国を代表する30社で構成される株価指数です。NYダウの採用銘柄は時代を反映して入れ替えられてきたため、情報技術の発展とともにナスダック上場企業からの選出も増えています。

NYダウには以下の銘柄が採用されており、(n)はナスダック上場企業です。

NYダウ(ダウ工業株30種平均)の採用銘柄
アメリカン・エキスプレス アムジェン(n) アップル (n)
ボーイング キャタピラー シスコ・システムズ (n)
シェブロン ゴールドマン・サックス ホーム・デポ
ハネウェル・インターナショナル (n) IBM インテル (n)
ジョンソン・エンド・ジョンソン コカ・コーラ JPモルガン・チェース
マクドナルド 3M メルク
マイクロソフト (n) ナイキ プロクター&ギャンブル
トラベラーズ ユナイテッドヘルス セールスフォース
ベライゾン・コミュニケーションズ ビザ ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス (n)
ウォルマート・ストアズ ウォルト・ディズニー ダウ・ケミカル

CNBCより作成、2022年1月21日時点

ニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック(NASDAQ)の上場企業は?

ニューヨーク証券取引所とナスダックは、世界でも主要な証券取引所です。どのような銘柄が上場しているのか、時価総額順に上位10社を紹介します。

時価総額順位 ニューヨーク証券取引所 ナスダック
1 台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング アップル
2 ユナイテッドヘルス・グループ マイクロソフト
3 ジョンソン・エンド・ジョンソン アマゾン・ドット・コム
4 JPモルガン・チェース テスラ
5 バークシャー・ハサウェイ アルファベット
6 プロクター&ギャンブル メタ・プラットフォーム
7 ウォルマート・ストアズ エヌビディア
8 バンク・オブ・アメリカ ASMLホールディング
9 ホーム・デポ ペプシコ
10 マスターカード シスコ・システムズ

※アルファベットのA株・C株は同じ順位として作成
Yahoo!JAPANファイナンスより作成、2022年1月22日時点

ニューヨーク証券取引所にしてもナスダックにしても、多くの人が知る企業が上位に並んでいます。このような有名グローバル企業に投資できることが米国株投資の魅力です。

米国株投資で取引手数料を抑える3つのポイント

Q.米国株に取引手数料を抑えながら投資する方法はありますか?
A.頻繁に売買することは手数料がかさむためにおすすめできません。手数料を抑えるにはまとめて購入したり、NISA口座で投資したりする方法もあります。

米国株投資で手数料負けすることはなくなりましたが、それでも売買を繰り返すと手数料がかさんでリターンを押し下げる要因になるでしょう。手数料を抑えるためには、頻繁に売買しない、まとめて投資する、NISA口座を活用するといった方法があります。

米国株投資で取引手数料を抑える3つのポイント
取引回数を少なくする
一定以上の金額で取引する
NISA(ニーサ)口座で投資する

取引回数を少なくする

米国株で取引手数料を抑えるには、取引回数を少なくしましょう。ネット証券で安く米国株投資ができるとはいえ、取引回数を重ねれば、その都度手数料もかかります。

片道の手数料が0.495%の場合、株価100ドルの場合の手数料を含めた購入代金は100.495ドルです。つまり0.495ドルが手数料ですが、取引を繰り返すほど手数料の金額は増えていきます。売却時にも同じく0.495%がかかるため、このケースでは株価が100.495ドルを超えればよいのではなく、さらに株価が上昇しなければ利益にはなりません。

手数料を抑えるには、中長期投資で取引回数を少なくし、余計なコストを払わないようにすることが大切です。

一定以上の金額で取引する

前述したネット証券は、米国株の取引手数料の上限を設定しています。約定代金が一定以上の取引は、手数料が割安でしょう。

4,445ドル以上の購入で手数料が割安になる

DMM株は取引手数料がかかりませんが、SBI証券、マネックス証券、楽天証券は22ドルが最大手数料です。手数料率は0.495%のため、約定代金が4,445ドルになると22ドルの手数料に達します。

つまり4,445ドル以上は手数料が最大でも22ドルであり、約定代金が高いほど割安です。以下の表で約定代金と手数料率の関係を見てみましょう。

約定代金 手数料 手数料率
1,000ドル 4.95ドル 0.495%
3,000ドル 14.85ドル 0.495%
4,445ドル 22ドル 0.495%
5,000ドル 22ドル 0.440%
7,000ドル 22ドル 0.314%

約定代金4,445ドル以上の手数料率は、金額が増えるごとに下がっていきます。このことから仮に1万ドル分の米国株を一括と5回に分割して買うなら、一括のほうが手数料は安くなるでしょう。

<1万ドル分の米国株を買う場合の合計手数料>
・1回で一括……22ドル
・5回で分割……49.5ドル

ある程度まとまった金額で投資する場合は、この手数料体系を利用してコストを抑えましょう。

まとまった金額の投資は高値づかみのリスクがある

まとまった金額で投資すると手数料は安くなります。しかし、手数料だけに気を取られないようにしましょう。一括投資は手数料を抑えられるのと同時に、高値づかみのリスクを高めてしまうからです。

例えば、一括投資した場合と分割投資した場合を考えてみましょう。購入当初の株価は100ドルで、そこから株価が下がり続けると、それぞれの損失額はどうなるでしょうか。

株価 一括投資 分割投資
購入金額 損失額 購入金額 損失額
100ドル 1,000ドル 0ドル 200ドル 0ドル
80ドル 200ドル 200ドル 40ドル
50ドル 500ドル 200ドル 175ドル
25ドル 750ドル 200ドル 387.5ドル
20ドル 800ドル 200ドル 470ドル

購入後から株価が下がり続けた場合、どちらも含み損を抱えますが、分割購入は株価が下がったときにも買い付けることで平均購入単価が引き下がります。どちらも含み損ではあるものの、分割投資が下げ相場における心理的負担は小さいはずです。購入単価が下がったことにより、上昇相場に転じたときには分割投資が早く含み益になる利点もあります。

もちろん、上げ相場の投資では、株価の上昇を追いかけて購入する分割投資よりも一括投資が有利です。資金を分散することで高値づかみのリスクは減らせます。

投資の手数料は大事な要素であることは確かですが、長く投資を続けるにはリスクに気を配ることも重要です。無理をして一括投資をするくらいであれば、リスク分散のために分割投資を検討しましょう。

NISA(ニーサ)口座で投資する

米国株の取引手数料を抑えるために、NISA口座を活用する方法もあります。

NISA(ニーサ)とは
投資の利益には税金がかかりますが、NISAは毎年120万円まで非課税で投資できる制度です。非課税期間は5年間で、米国株も対象になります。

“通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。”

出典:金融庁

NISA口座による取引は、ネット証券では手数料を一部無料化しました。米国株は、個別株の買付手数料が無料のところもあれば、米国ETFの買付手数料が無料のところもあります。

ETF(上場投資信託)とは
上場投資信託ともいい、商品性は投資信託と同じですが、取引方法は株と同じで取引時間中にリアルタイムで売買が可能です。1つの商品で複数の株などに分散投資でき、初心者にも向いています。

“上場投資信託。証券取引所に上場され、株式と同様に売買されている投資信託。”

出典:日本証券業協会

前述のネット証券4社のNISAにおける米国株と米国ETFの買付手数料を見てみましょう。

ネット証券 NISAの米国株手数料 NISAの米国ETF手数料
買付 売却 買付 売却
楽天証券 0.495% 0.495% 無料 0.495%
DMM株 無料 無料 無料 無料
SBI証券 0.495% 0.495% 無料 0.495%
マネックス証券 無料 0.495% 無料 0.495%

楽天証券DMM株SBI証券マネックス証券の公式サイトより作成、2022年1月22日時点

DMM株はもともと米国株手数料が無料ですが、SBI証券と楽天証券は米国ETFの買付手数料が無料、マネックス証券は米国株・米国ETFの買付手数料が無料です。

米国株は国内株と比べて手数料が少し高いため、NISAで手数料を抑えながら投資することも検討してみましょう。NISAを利用すれば、運用益も非課税になります。通常の課税口座よりもお得に投資が可能です。

米国株投資でよくあるQ&A

Q.米国株は手数料負けするリスクが高いですか?
A.米国株投資で手数料負けすることはありません。

以前は手数料の安いネット証券でも最低手数料5ドルが設定されていたため、1,111ドル以下の取引では手数料率が割高になり、手数料負けすることもありました。

しかし、最低手数料が撤廃されたことで少額投資でも手数料が割高にならず、米国株で手数料負けを気にする必要はありません。

Q.米国株式市場のメリットは何ですか?
A.米国株式市場の魅力は、以下の3つです。

・株主還元に積極的
・1株から購入できる
・世界的な企業に投資できる

株主還元の方法には、配当や自社株買いがあります。米国株はいずれにも積極的です。配当は年4回が一般的で、毎年増配する企業も珍しくありません。自社株買いも日本より規模が大きく、金額も増加傾向にあるため、長期投資にも向いています。

アップルやスターバックス、コストコなど1株から有名グローバル企業に投資できるのも魅力です。

Q.米国株はどうやって買えますか?
A.米国株投資のできる証券会社に口座を開設する必要があります。証券会社を選ぶときは、以下の点に注意しましょう

・取扱銘柄数
・取引手数料
・使いやすさ

使いやすさは実際に体験してみないと分かりません。複数の証券口座を開設して取引アプリなどを操作してみましょう。口座開設は無料です。

Q.米国株取引におすすめの証券会社は?
A.米国株取引は楽天証券、DMM株、SBI証券、マネックス証券がおすすめです。

ネット証券 米国株
取扱銘柄数 取引手数料 最低手数料 最大手数料 おすすめポイント
楽天証券 4,579 0.495% 0ドル 22ドル 「iSPEED」の米国株投資は初心者におすすめ
DMM株 1,261 なし なし なし かんたんモードのある取引アプリが斬新
SBI証券 5,002 0.495% 0ドル 22ドル IPO銘柄を上場初日から取扱
マネックス証券 4,924 0.495% 0ドル 22ドル 分析ツール「銘柄スカウター米国株」が優れている

楽天証券DMM株SBI証券マネックス証券の公式サイトより作成、2022年1月19日時点

Q.米国株の最低取引単位は?
A.米国株は1株から取引できます。最低投資金額のハードルが低く、少額投資や分散投資を行いやすいです。

日本株は100株単位の取引が基本で、1銘柄につき数十万円から数百万円必要なこともあります。米国株は、日本株と比べて投資しやすいでしょう。

米国株は手数料負けせずネット証券で低コスト投資ができる

米国株は最低手数料の撤廃により手数料負けしなくなり、DMM株、SBI証券、マネックス証券、楽天証券を使えば低コストで取引できます。ネット証券は最大手数料も設定されているため、ある程度まとまった金額で投資したい人も割安に投資できておすすめです。

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