Macで株取引はできる?株取引ツールのMac対応状況を徹底解説!
(画像= stnazkul/stock.adobe.com)

Macを日常的に使用している人にとって、証券会社の取引ツールが、Macに対応しているかどうかは悩ましい問題です。ネット証券各社が提供している取引ツールは、Windows対応となっており、Macに対応していないケースが多いのです。特に高機能ツールは、Macに対応しているケースはまれです。Macユーザーが株取引をするための最良の方法を解説します。

そもそもMacで株取引は可能なのか?

Q:Macユーザーです。株式投資を始めようと考え、ネット証券のサイトを見て取引方法などを確認しました。始めるなら最初から本格的に取り組もうと思い、高性能のダウンロード版取引ツールを利用しようとしましたが、Macには対応していませんでした。Macでは株の取引はできないのでしょうか?

A:Macユーザーにとって、ネット証券各社の株式取引ツールの多くがMacに対応していないのは残念ですが、Macでの株取引を諦める必要はありません。投資スタイルにもよりますが、Macで株式取引は可能です。

Mac対応のダウンロード版高機能ツールは少ない

今や株式取引の中心はネット取引です。パソコンやスマートフォンの利用が必須と言ってもいいでしょう。

ネット証券各社が提供する取引ツールをどのように活用できるかは、株取引をストレスなくスムーズに進められるかの重要なポイントになります。

ネット証券各社が提供しているダウンロード版の取引ツールは、基本的にWindowsにのみ対応していて、Macに対応していない場合がほとんどです。

ダウンロード版の取引ツールは、情報収集やチャート機能、銘柄スクリーニングなど機能が全て利用できる総合的な取引ツールで、一般に「高機能ツール」と言われています。高機能ツールは、デイトレーダーなど約定のスピードを重視する投資家には必須の取引ツールです。

ブラウザー版ツールはダウンロード版(高機能ツール)に劣るのか?

現在のところMacユーザーが主に利用するツールは、基本的にブラウザ版の取引ツールです。

ブラウザー版の取引ツールとは?
「お客様サイト」など各証券会社のホームページから利用する取引ツール

それでは、ブラウザー版の取引ツールの性能はどのようなものなのでしょうか。取扱商品について、SBI証券のブラウザー版ツールとダウンロード版の高機能ツールである「HYPER SBI」を比較してみました。

SBI証券のブラウザ版とダウンロード版(HYPER SBI)の取引可能商品

国内株式 (現物・信用) 先物・オプション取引 外国株式 債券 投資信託 FX
ブラウザ版(Webサイト)
ダウンロード版(HYPER SBI) × × × ×

SBI証券のホームページより筆者作成

ブラウザ版(Webサイト)では多くの商品が取引できますが、ダウンロード版の高機能ツールであるHYPER SBIでは、国内株式(現物・信用)、先物・オプション取引に限定されます。

高機能ツールは、国内株式の現物・信用取引、先物オプション取引(日経225先物やTOPIX先物など)に特化し、高次元の取引を行うためのツールです。

取引機能については、ブラウザ版よりも高機能ツールであるダウンロード版に強みがあります。

例えばSBI証券のダウンロード版高機能ツールである「HYPER SBI」では、最良気配(発注)ボタンをワンクリックするだけで発注が可能です。狙った価格で一瞬で発注できるので、取引価格にこだわりの強い投資家には魅力的です。ブラウザ版にはこのような発注機能はありません。

Macで株取引はできる?株取引ツールのMac対応状況を徹底解説!
(画像=SBI証券のホームページより引用)

高機能ツールのメリットとしてもうひとつ挙げられるのは、情報をひとつの画面に集約できることです。

板情報、チャート、口座情報(ポジションや買余力)、ニュースなどをカスタマイズして、1画面を見るだけで投資判断が可能になり、素早く発注することができます。このような機能も、ブラウザ版(Webサイト)に求めることはできません。

Macで株取引はできる?株取引ツールのMac対応状況を徹底解説!
(画像=SBI証券のホームページより引用)

どのような投資スタイルで株を運用するかがポイント

ブラウザ版(Webサイト)とダウンロード版の高機能ツールを比較して分かることは、どのようなスタイルで投資をするかによって、どちらを選ぶかが決まるということです。

ダウンロード版高機能ツールの特色であるスピーディーな約定やさまざまな情報を集約して一覧する機能を生かして、国内の株式、先物・オプションを中心にトレードするのであれば、高機能ツールで取引するのが望ましいでしょう。

一方でさまざまな商品に長期的な視点で投資するのであれば、ブラウザ版(Webサイト)を利用して投資することで何ら問題はありません。ダウンロード版ほどの機能はないものの、頻繁にトレードする短期トレードでない限り、ブラウザ版は十分な機能を備えています。

従ってMacユーザーであっても銘柄をしっかり分析し、中長期的な視点で取引をする投資家であれば、高機能取引ツールにこだわる必要はありません。ネット証券各社のブ ラウザ版(Webサイト)からパソコンで取引することで株式投資は可能です。

もし高機能ツールを使いこなす必要のある投資スタイルのMacユーザーであれば、Macに対応しているダウンロード版高機能ツール提供しているネット証券に口座を持つか、株取引用にWindows PCを新たに用意するかを選択しなければなりません。

Macで利用できる取引ツールをネット証券7社で比較

Q:ネット証券各社は、ダウンロード版、ブラウザ版を問わず、Macで使える取引ツールや分析ツールを提供していると聞きますが、ネット証券各社のMac対応状況を教えてください。

A:ネット証券各社は取引ツール以外でも、さまざまなダウンロード版、ブラウザ版の分析ツールを提供しています。Mac対応は各社まちまちなので、Macユーザーはそれらのツールを使用する前に確認が必要です。

Macでも利用可能なダウンロード版取引ツールを提供しているのは、楽天証券とDMM.com証券の株取引ブランド「DMM株」の2社ですが、その他の証券会社でも、高機能取引ツール以外でMacに対応したツールを用意しています。

下表にネット証券各社が提供する取引ツールにおける、Macでの取引対応状況をまとめました。全ての証券会社で、ブラウザ版(Webサイト)においてMacで取引することが可能です。一方でダウンロード型の高機能ツールをMacで利用できる証券会社は、楽天証券とDMM.com証券の2社のみでした。

ネット証券7社の取引ツールにおけるMacでの取引対応状況

  楽天証券 SBI証券 松井証券 マネックス証券 auカブコム証券 GMOクリック証券 DMM.com証券
Webサイト(ブラウザ版)
高機能ツール(ダウンロード版) × × × × ×

※楽天証券、SBI証券、松井証券、マネックス証券、auカブコム証券、GMOクリック証券、DMM.com証券のホームページから筆者作成

Macが使えるネット証券7社の取引ツールを徹底解説!

ネット証券各社における、ダウンロート版とブラウザ版のMac対応ツールの状況を確認していきましょう。

楽天証券のMac対応ツール ― 高機能ツール「MARKETSPEED for Mac」が利用可能

Macで株取引はできる?株取引ツールのMac対応状況を徹底解説!
(画像=楽天証券のホームページより引用)

楽天証券では、ダウンロード版の高機能ツール「MARKETSPEED for Mac」が利用可能です。

日本初のMac専用トレードツールである「MARKETSPEED for Mac」は、国内株取引(現物および信用取引)に対応しており、Macユーザーは機能性の高さと豊富な情報量を享受できます。

27種類以上のランキング情報や60種類以上のチャートを活用可能で、リアルタイムニュースも、日経テレコン21、四季報速報、Quickリサーチネット、フィスコ市況と多彩です。

ブラウザ版(Webサイト)もMacで利用可能です。ブラウザ版では、国内株式(現物・信用)、外国株式(米国、中国、アセアン)、FX、投資信託、債券、金・プラチナの取引が可能ですが、先物・オプション、商品先物、海外先物は取引できません。

SBI証券のMac対応ツール ― 高機能ツール「HYPER SBI」はMac非対応

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(画像=SBI証券のホームページより引用)

SBI証券は、ダウンロード版の高機能ツール「HYPER SBI」を投資家に提供していますが、残念ながらMacには対応していません。

Macユーザーは、ブラウザ版(Webサイト)を利用することになります。ブラウザ版では、国内株式、外国株式、先物・オプション、FX、CFD、金・銀・プラチナなどが取引可能です。Macでブラウザ版を利用する際は、ブラウザにSafariもしくはMozilla Firefoxの最新版を用意することが推奨されています。

松井証券の対応ツール - PCツール「ネットストック・ハイスピード」はMac非対応

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(画像=松井証券のホームページより引用)

松井証券では、ダウンロード版の高機能取引ツール「ネットストック・ハイスピード」がMacに対応していないため、Macユーザーはブラウザ版(お客様サイト)を利用します。

松井証券では投資情報ツールが多数用意されています。株価やチャートなどの情報を確認する「株価ボード」「フル板情報(BRiSK for松井証券)」「チャートフォリオ」や、銘柄選択などに活用する「テーマ投資ガイド」「アクティビスト追跡ツール」がMacに対応しています。

マネックス証券の対応ツール - 高機能ツール「マネックストレーダー」はMac非対応

Macで株取引はできる?株取引ツールのMac対応状況を徹底解説!

マネックス証券が提供する高機能トレーディングツール「マネックストレーダー」は、残念ながらMacでは使えません。Macに対応しているのは、ブラウザ版のFX取引用ツールである「Monex Trader FX」で、MacユーザーがFX以外の取引を行う場合はブラウザ版(お客様サイト)の取引画面を利用します。

「銘柄スカウター」「チャートフォリオ」「マーケットボード」などの投資情報ツールの多くは、ブラウザ版(お客様サイト)経由でMacユーザーでも利用できます。株価自動更新ツールの「マルチボード500」「フル板情報ツール」もMacに対応しています。

au カブコム証券の対応ツール - 高機能ツール「kabuステーションⓇ」はMac非対応

Macで株取引はできる?株取引ツールのMac対応状況を徹底解説!

au カブコム証券のダウンロード版高機能ツール「kabuステーション」は、Macに対応していません。Macユーザーは、株式などの取引をブラウザ版(お客様サイト)経由で行います。

au カブコム証券では、いくつかの分析ツールがMacに対応しています。高機能スクリーニングツール「カブナビ®」、高機能チャートツール「Everチャート」、ストレステスト機能を備える「先OPナビ」は、Macユーザーでも利用可能です。

GMOクリック証券の対応ツール 高機能取引ツール「スーパーはっちゅう君」はMac非対応

Macで株取引はできる?株取引ツールのMac対応状況を徹底解説!

GMOクリック証券の株式および先物・オプションの高機能取引ツール「スーパーはっちゅう君」「はっちゅう君」は、Macに対応していません。Macユーザーは、ブラウザ版(お客様サイト)を利用して取引します。

FX取引用の「はっちゅう君FXプラス」もMacでは利用できませんが、CFD取引用の「はっちゅう君CFD」だけはMacに対応しています。

高品位テクニカルチャートツールの「プラチナチャート」はブラウザ版のツールですが、Macでも利用可能です。

DMM.com証券の対応ツール - 高機能取引ツール「DMM株 PRO+」はMacで利用可能

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(画像=DMM.com証券のホームページより引用)

DMM.com証券の高機能取引ツールであるダウンロード版「DMM株 PRO+」は、Macに対応しています。

DMM.com証券は、すでにMacに対応していたブラウザ版の国内株式・米国株式取引ツール「DMM株STANDARD」を提供していました。そこから機能を高めた「DMM株 Pro+」がMacに対応したことで、Macユーザーには選択肢が増えました。MacユーザーとってDMM.com証券は、ますます魅力的な証券会社になったのではないでしょうか。

「DMM株STANDARD」「DMM株PRO+」は、取引機能はもちろん、チャートやニュース、ランキングなどが使えるツールです。特に「DMM株PRO+」は注文機能なども強化され、Macユーザーが、Windowsユーザーと全く同等に利用できる唯一のダウンロード版高機能取引ツールになっています。

Macで使える2つの有力取引ツール

Q:Macで利用できる高機能トレーディングツールを提供するネット証券が少ないのは分かりました。ただ本格的に株のトレードを始めたいと考えているので、できるなら高機能ツールを使いたいと思っています。株取引専用のWindows PCを買う気にはならないので、Macで利用可能な高機能ツールを教えてください。

A:2つのネット証券会社が、Macで利用可能な高機能ツールを提供しています。それらのツールは、取引可能商品や利用可能な機能にそれぞれ特色がありますので、どちらかを選択する前にしっかり検討する必要があります。

楽天証券の「MARKETSPEED for Mac」とDMM.com証券「DMM株PRO+」は、Macで利用可能なダウンロード版の高機能ツールです。取引対象商品や強化された機能など、両ツールの特徴を解説します。

楽天証券のMARKETSPEED for Mac

2014年に提供が始まった楽天証券の「MARKETSPEED for Mac」は、Macユーザー待望のダウンロード版高機能トレーディングツールです。楽天証券で口座を開設すれば無料で利用できます。

「MARKETSPEED for Mac」は、国内株式を取引するMacユーザーにリアルタイムかつ豊富な情報を提供し、特にアクティブトレーダーの日本株取引を強力にサポートしています。

「マーケットスピード」は、Windows版が提供されたときから株取引に便利な投資ツールとして高い評判を得ています。その「マーケットスピード」をMacで利用できることは、Macユーザーとしてはこの上ない喜びでしょう。「MARKETSPEED for Mac」は、Macユーザーにとって、株式取引を行う上で欠かせないツールになっています。

「MARKETSPEED for Mac」は、100銘柄を一覧できる画面や、各画面をパーツ化して独自の画面配置が可能なことなど、投資家の視点に立って使いやすさを追求しています。

60種類以上のチャートが用意され、27種類以上のランキング情報を活用できることに加え、「日経テレコン21」や「四季報速報」などの情報ソースも無料で利用可能です。

「MARKETSPEED for Mac」は、楽天証券が提供する株式取引用のスマートフォンアプリ「iSPEED」とも連携可能です。例えば、お気に入り銘柄などもパソコンで登録した銘柄は、スマートフォンでいつでも見ることができます。

MARKETSPEED for Macの特徴

高性能の注文機能は、ダウンロード版高機能取引ツール特徴のひとつです。「MARKETSPEED for Mac」でも注文機能を画面の中心に据えて、個別銘柄の板情報、チャート、ニュースなどを確認しながらのトレードが可能です。

「MARKETSPEED for Mac」では、新たに「本銘柄の資産」という情報が閲覧可能となっています。

「MARKETSPEED for Mac」にある「本銘柄の資産」とは?
この機能は「MARKETSPEED for Mac」で始めて導入された機能で、画面で選択している株式の保有株式数や評価損益が確認できます。注文内容を入力している間にも最新情報をチェックできる便利な機能です。

Macで株取引はできる?株取引ツールのMac対応状況を徹底解説!
(画像=楽天証券のホームページより引用)

「MARKETSPEED for Mac」は、必要な全ての情報がワンクリックでひとつの画面にそろいます。画面構成は「セレクター」と呼ばれる部分に株価指数や銘柄が登録されており、ここで選択した銘柄の情報(チャートやニュースなど)が「情報エリア」に表示されます。情報エリアに表示する項目も事前に指定することができます。

Macで株取引はできる?株取引ツールのMac対応状況を徹底解説!
(画像=楽天証券のホームページより引用)

株式投資をする際には、コアになる銘柄、注目銘柄、市場動向を把握するためにウオッチする銘柄などを登録し、いつでも素早く確認できる状態にしておきたいものです。

「MARKETSPEED for Mac」のドラッグ&ドロップ編集モードは、ドラッグ&ドロップするだけでストレスなくウオッチ銘柄の登録や解除を行えます。またランキングの一括登録やウオッチリスト間の一括コピーや移動を簡単な操作で行えます。

Macで株取引はできる?株取引ツールのMac対応状況を徹底解説!
(画像=楽天証券のホームページより引用)

「MARKETSPEED for Mac」では、 情報ソースとして楽天証券版「日経テレコン」を閲覧できます。

「日経テレコン」とは?
新聞や雑誌、企業の情報、業界レポート、人物情報などを収録したビジネスツール

取引ツール内で、個別銘柄やセクターの分析を行うのに必要な情報を閲覧できるのはとても便利です。楽天証券版「日経テレコン」を「MARKETSPEED for Mac」で使えると、情報の確認から取引を終了させるまでシームレスな投資を実現することが可能です。

MARKETSPEED for Macのデメリット

「MARKETSPEED for Mac」のデメリットは、取引対象商品が国内株式(現物・信用)のみに限定されていることです。

Windows PC対応の「マーケットスピード」では、国内株式(現物・信用)に加え、先物・オプション、米国株、海外先物もトレード可能です。また「マーケットスピード」をさらに進化させた高性能ツールである「マーケットスピードⅡ」では、国内株式(現物・信用)、先物・オプション、商品先物が取引できます。

楽天証券 - 各高機能ツールの取引対象商品

  MARKETSPEED for Mac マーケットスピード マーケットスピードⅡ
国内株式
(現物・信用)
先物・オプション ×
商品先物 × ×
米国株式 × ×
海外先物 × ×

※楽天証券のホームページより筆者作成

「MARKETSPEED for Mac」は、最上位のトレーディングツールである「マーケットスピードⅡ」で導入された「アルゴ注文」にも対応していません。

「アルゴ注文」とは?
事前に条件を登録し、それに合致した場合に注文が自動発注される機能のことです。登録した条件を楽天証券のサーバーで管理するので、パソコンを起動していなくても注文が有効になる便利な機能です。

例えば、「スナイパー注文」という注文方法があります。

「スナイパー注文 🄬」とは?
希望する価格に気配が表示されていないとき、指定した価格の気配が表示されるまでは注文を出さず、表示されたときに素早く発注する機能です。流動性の薄い銘柄で、自身の戦略を他の投資家に知られたくないときに使うと有効です。

スナイパー注文のように複雑な発注方法でも、「アルゴ注文」を利用すれば、マーケットにアクセスできない場合などにも便利な機能です。

このような複雑な注文方法を利用するのはかなり熟練した投資家であり、投資初心者には必要ではありません。しかし本格的に日本株取引に挑戦しようと考えている投資家は、将来アルゴ注文の機能が必要になる可能性があります。現在のところ、アルゴ注文は「MARKETSPEED for Mac」では利用できないことを覚えておいてください。

「MARKETSPEED for Mac」はまだ発展途上の感が否めません。今後取引可能な商品や機能が追加されることが予想されますが、現在のところは、国内株式を専門的に売買する投資家向けのツールと考えるべきでしょう。

Macで株取引はできる?株取引ツールのMac対応状況を徹底解説!
(画像=楽天証券のホームページより引用)

DMM.com証券のDMM株PRO+

DMM.com証券は、FXを中心に金融サービスを展開していますが、2018年に「DMM株」というブランドを設立して株式取引に進出しました。

株式取引においては新規参入組ですが、DMM.com証券の最大の特徴である「手数料の安さ」を武器に急速に人気を高めています。

取引ツールも評判が高く、ブラウザ版で取引する「DMM株 STANDARD」に加え、パソコンにダウンロードして利用する「DMM株 PRO+」も投資家に提供しており、どちらも無料で利用できます。

ダウンロード版の高機能取引ツール「DMM株 PRO+」は、注文機能の水準が高く、利益確定と損切りの注文を同時に行う「IFD-OCO注文」に対応しています。

使い勝手のいいチャート機能も搭載しています。チャートのテクニカル指標も34種、描画ツール10種を持つ高い機能が特徴です。

「DMM株 PRO+」は、一般投資家から熟練デイトレーダーまで、あらゆるスタイルの投資家にも適応する取引ツールですが、この高機能ツールをMacで利用することができます。Macユーザーにとって、数少ないダウンロード版高機能のツールのひとつが「DMM株 PRO+」なのです。

DMM株PRO+の特徴

DMM.com証券では、Macにも対応したダウンロード版の高機能取引ツール「DMM株 PRO+」を2020年2月から投資家に提供しています。Macユーザーにとってうれしいのは、「DMM株 PRO+」はMac版でもWindows版でも機能面に差がないということです。

ネット証券が提供するもうひとつのダウンロード版高機能取引ツールである楽天証券の「MARKETSPEED for Mac」は、Windows版に比べると機能面で劣る印象がありました。「DMM株 PRO+」では、MacユーザーでもWindowsユーザーと同じ取引環境を実現できます。

「DMM株 PRO+」の主な特徴は以下の3点になります。

「DMM株 PRO+」の主な特徴

  1. スピーディーな取引が可能な発注画面
  2. 新たな注文機能の追加
  3. チャート機能の強化

1 スピーディーな取引が可能な発注画面

「DMM株 PRO+」では、「トレード板」を見ながらスピーディーな発注が可能です。この「トレード板」から「ワンクリック発注モード」で注文を行うと、発注ボタンの画面表示や注文確認画面が省略され、ワンクリックで即時に注文が発注されます。

Macで株取引はできる?株取引ツールのMac対応状況を徹底解説!
(画像=DMM.com証券のホームページより引用)

「DMM株 PRO+」では、東京証券取引所が提供する「東証FLEX Full」を配信しています。

「東証FLEX Full」とは?
国内株式の板情報をリアルタイムで提供するサービス。

「トレード板」は「東証FLEX Full」に対応しています。価格ごとの注文件数や引け注文数量といったオーダーの細部を確認できるので、より詳細に相場状況を把握しながら取引が可能です。

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2 新たな注文機能の追加

IFD-OCO注文に対応

IFD-OCO注文は、新規の注文が成立した後に、事前に指定した利益確定と損切りの注文が自動発注されます。株価を頻繁に確認できないときに便利です。

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注文執行条件の前・後場指定が可能

「寄付」「引け」などの執行条件を付けるときに、前場と後場のどちらで有効にするかを指定できます。以前は、後場の注文を発注するケースでは、前場が終わってから発注する必要がありました。「DMM株 PRO+」では、前場のうちに後場における発注ができます。

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逆指値注文の種類を追加

通常の逆指値注文の場合、現在の価格よりも不利である価格が発動条件になります。「DMM株 PRO+」の場合は、現在の価格よりも有利な価格が発動の条件になる逆指値注文を行えます。

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(画像=DMM.com証券のホームページより引用)

3 チャート機能の強化

「DMM株 PRO+」では、最大で32銘柄のチャートを表示できる「チャートボード」を搭載しています。また、トレンド系やオシレータ系など、34種類ものテクニカル指標とトレンドラインや無限線などの10種類の描画機能を活用できます。

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(画像=DMM.com証券のホームページより引用)

また比較チャート機能も強化されました。個別銘柄、指標、業種別指数を組み合わせて表示することが可能です。

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(画像=DMM.com証券のホームページより引用)

DMM株PRO+のデメリット

「DMM株 PRO+」は、MacでもWindows PCと全く同じように利用できます。ブラウザ版取引ツールである「DMM株 STANDARD」と比較しても取引機能などが強化されており、使用する上でデメリットは感じません。

あえて使い勝手悪いところを挙げるとすれば、「DMM株 PRO+」では閲覧できない投資情報がいくつかあることぐらいです。

DMM株ではニュースはじめとしたと投資情報の配信が豊富で、株式投資に人気の情報サイト「みんかぶ」、投資信託の格付評価を中心とした金融情報を提供する「モーニングスター」などからリリースされた投資に役立つさまざまな情報を提供しています。

その他にも、証券専門誌の「株式新聞」や米国で最も有名な投資週刊誌「バロンズ」のダイジェスト版なども購読可能です。

情報の確認から取引を完結させるまでをスムーズに行うためには、取引ツール内で投資判断に必要な情報を閲覧可能だと便利です。しかし「DMM株 PRO+」では、いくつかの投資情報が提供されていないので、閲覧したいときは「DMM株 STANDARD」を利用することになり、やや使い勝手が悪い印象があります。

DMM株が提供する投資情報一覧

  DMM株 PRO+ DMM株 STANDARD
東証FLEX Full板情報 ×
リアルタイム株価(日・米)
四季報情報
投資情報(みんかぶ)
投資情報(モーニングスター)
株式新聞Web ×
バロンズ・ダイジェスト ×
決算情報 ×
株主優待情報 ×
株価分析(みんかぶ) ×
銘柄検索(テーマ検索) ×
銘柄スクリーニング

DMM.com証券のホームページより筆者作成

Mac対応しているネット証券のツールについてよくある6つのQ&A

Q Macに対応しているダウンロード版ツールを持つ証券会社はどこ?

A.楽天証券とDMM.com証券の2社が、Macに対応しているダウンロード版の高機能取引ツールを提供しています。

楽天証券の「MARKETSPEED for Mac」は、日本株取引(現物・信用)に特化した取引ツールです。DMM.com証券の「DMM株PRO+」は、日本株に加え米国株も取引可能です。

Q.Macユーザーは基本ブラウザ版ツールを使う?

A.現在のところMacユーザーが主に利用するツールは、「お客様サイト」など各証券会社のホームページから利用するブラウザ版の取引ツールです。ネット証券各社が提供しているダウンロード版の高機能取引ツールは、基本的にWindowsにのみ対応していて、Macに対応していない場合がほとんどです。

Macユーザーでダウンロード版の高機能取引ツールを利用したいのなら、Macに対応しているダウンロード版高機能ツールを提供している楽天証券およびDMM.com証券に口座を持ち、提供されているダウンロード版ツールを利用するのがいいでしょう。

Q.楽天証券のMacで使えるツールの特徴は?

A.「MARKETSPEED for Mac」は、楽天証券が提供するMacに対応したダウンロード版高機能取引ツールです。注文から約定までをスピーディーに行えることが特徴で、注文機能を画面の中心に据えて、個別銘柄の板情報、チャート、ニュースなどを確認しながらのトレードが可能です。

また100銘柄を一覧できる画面や、各画面をパーツ化して独自の画面配置が可能なことなど、投資家の視点に立って使いやすさを追求しています。

60種類以上のチャートが用意され、27種類以上のランキング情報を活用できることに加え、「日経テレコン21」や「四季報速報」などの情報ソースも無料で利用可能です。

Q.DMM.com証券のMacで使えるツールの特徴は?

A.「DMM株 PRO+」は、DMM.com証券が提供するMacに対応したダウンロード版の高機能取引ツールです。「DMM株 PRO+」では、国内株式の板情報をリアルタイムで提供する「東証FLEX Full」を配信しています。「東証FLEX Full」を参照することにより、価格ごとの注文件数や引け注文数量といったオーダーの細部を確認して、より詳細に相場状況を把握しながら取引が可能です。

注文機能の水準も高く、利益確定と損切りの注文を同時に発注する注文方法である「IFD-OCO注文」に対応するなど、注文機能が強化されています。

また使い勝手のいいチャート機能も搭載しています。チャートのテクニカル指標も34種、描画ツール10種を用意しています。

Q.SBI証券のMacで使えるツールの特徴は?

A.SBI証券でMacユーザーが利用できるのは、ブラウザ版(Webサイト)取引ツールのみです。 SBI証券では、ダウンロード版の高機能ツール「HYPER SBI」を投資家に提供していますが、残念ながらMacには対応していません。

ブラウザ版取引ツールでは、国内株式、外国株式、先物・オプション、FX、CFD、金・銀・プラチナなどが取引可能です。Macでブラウザ版を利用する際は、ブラウザにSafariもしくはMozilla Firefoxの最新版を用意することが推奨されています。

Q.松井証券のMacで使えるツールの特徴は?

A.Macユーザーはブラウザ版(お客様サイト)取引ツールを利用します。松井証券では、ダウンロード版の高機能取引ツールである「ネットストック・ハイスピード」を提供していますが、Macには対応していません。

松井証券では取引ツールのほかに投資情報ツールも数多く用意されています。株価やチャートなどの情報を確認する「株価ボード」「フル板情報(BRiSK for松井証券)」「チャートフォリオ」や、銘柄選択などに活用する「テーマ投資ガイド」「アクティビスト追跡ツール」がMacで 利用可能です。

Macユーザーでも高機能取引ツールを使って株取引はできる

Macユーザーにとって「株式取引でMacは使えるのか?」という疑問は、常に悩みの種なのではないでしょうか。Windowsユーザーは、自由に相性のいいネット証券を選び、使い勝手のいい取引ツールを利用していますが、Macユーザーは取引証券会社を選ぶ際に、取引ツールがMacに対応しているかを必ず確認する必要があります。だからといって株式投資でMacを利用するのを諦める必要はありません。

まず自身の投資スタイルをよく理解しましょう。中長期投資で売買頻度が高くない一般の投資家なら、株式投資についてはブラウザ版の取引ツールで十分です。ネット証券各社が提供するほとんどのブラウザ版ツールは、Macに対応しています。

もしデイトレーダーのように売買頻度が高く、取引のスピードを重視するスタイルなら、ダウンロード版の高機能取引ツールが必要でしょう。残念ながら、Macに対応したダウンロード版ツールは多くありません。

しかしMacユーザーが使えるダウンロード版の高機能取引ツールも提供されています。楽天証券の「MARKETSPEED for Mac」とDMM.com証券の「DMM株 Pro+」が、MacユーザーにWindowユーザーに劣らぬ取引環境を提供しています。

投資で成果を上げるには、ストレスなく取引できることが大切です。日常で使い慣れたMacを株式投資にも活用できれば、投資にプラスの効果をもたらすのではないでしょうか。

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