米国株の取引時間について解説!日本株との違いは?
(画像=scottiebumich/stock.adobe.com)

中長期的に値上がりが見込めることから、日本においても米国株の人気が高まっています。しかし国内株式との違いが多く、特に「時差があるため取引時間がわかりにくい」と感じた方は少なくないでしょう。 このページでは、日本における米国株の取引時間や、米国株の基本的な知識について解説します。

米国株の取引時間

Q.米国株の取引時間は日本株と違うの?
A.米国株の取引時間は、日本時間の夜から朝(冬時間:23時30分〜翌6時、夏時間:22時30分〜翌5時)までで、日本株の取引時間とはまったく重なりません。

米国株の取引時間を知っていないと効率的な取引ができないだけでなく、チャンスを逃すおそれもあります。

ここでは、アメリカ市場の特徴や日本市場の取引時間との違いなどについて確認していきましょう。

日本とアメリカの株式取引時間の違い

国内株の取引時間は9時〜15時で、前場が9時〜11時30分、後場が12時30分〜15時です。米国株の取引時間は現地時間で9時30分〜16時、日本時間で23時30分〜翌6時(サマータイム中は22時30分〜翌5時)です。

このように、国内株式と米国株式の取引時間は大きく異なります。

・アメリカ市場は昼休みがない

東京証券取引所などの国内株式市場では、前場(9時〜11時30分)と後場(12時30分〜15時)の間に昼休みがあります。

一方でニューヨーク証券取引所やNASDAQなどのアメリカ市場は、現地時間の取引時間が9時30分〜16時で、日本のような昼休みはありません。「前場」「後場」のように取引時間が分かれておらず、9時30分から16時まで通しで取引が可能です。

アメリカ市場には昼休みがないことを覚えておきましょう。

・サマータイム期間と期間中の取引時間

アメリカ市場にはサマータイム期間があります。サマータイムとは、日の出時刻が早まるシーズン(3月〜11月)に時計を1時間早く進める制度のことで、欧米やオーストラリアなどで導入されています。

「サマータイム」:サマータイムとは、3月〜11月の日の出時刻が早まる時期に時計の針を1時間進める制度です。

アメリカ市場の取引時間は現地時間で9時30分〜16時(日本時間23時30分〜翌6時)ですが、サマータイム中は8時30分〜15時(日本時間22時30分〜翌5時)となります。日本とは違い、アメリカの株式市場にはサマータイム制度があることを覚えておきましょう。

・時間外取引ができるプレマーケット・アフターマーケットとは

プレマーケット・アフターマーケットとは、立会時間外取引市場のことです。プレマーケットとアフターマーケットを活用することで、立会時間(9時30分〜16時)の前後でも取引ができます。

プレマーケットとアフターマーケットの内容は以下のとおりです。

プレマーケット アメリカの株式市場が開く前の時間帯。現地時間は8時〜9時30分(日本時間22時〜23時30分、サマータイムは21時〜22時30分)。
アフターマーケット アメリカの株式市場が閉まった後の時間帯。現地時間は16時〜20時(日本時間は6時〜10時、サマータイムは5時〜9時)。

※筆者作成

このように、米国株は市場の取引時間である9時30分〜16時の他に、8時〜9時30分のプレマーケット、16時〜20時のアフターマーケットでも取引ができるため、最大12時間取引が可能です。市場の立会時間だけでなく、立会時間外も把握しておきましょう。プレマーケットやアフターマーケットを活用することで、利益を得られるチャンスが広がります。

・特に取引が活発な時間帯

アメリカの市場には世界中から資金が集まるため、どの時間帯も比較的活発に取引が行われます。その中でも特に取引が活発な時間帯は、重要な経済指標などが発表される前後の時間です。

アメリカ市場に影響を与える重要な経済指標が発表される時間帯は、22時30分〜24時前後と3時〜4時前後です。雇用統計やGDP、ISM製造業景況指数、消費者物価指数、中古住宅販売件数などの指標は22時30分〜24時前後に発表されます。FOMCの声明・議事録は月に1回、3時〜4時前後に発表されます。

値動きが激しいタイミングを狙いたい方は、上記の時間帯に取引を行うとよいでしょう。

アメリカ市場の休場時間と休場日

Q.アメリカ株の休場日はいつ?
A. 休場日は土日およびアメリカの祝日です。アメリカの祝日には、独立記念日やクリスマスなどがあります。

アメリカ市場の休場時間と休場日は日本市場とは異なるため、米国株を取引するのであればそれらを把握しておく必要があります。ここでは、アメリカ市場の休場時間と休場日について詳しく見ていきます。

土日の休場時間は日本時間の何時から何時まで?

アメリカ市場の取引時間は9時30分〜16時(日本時間23時30分〜翌6時)です。そのため、日本時間の土曜日の朝6時まで取引ができ、月曜日は23時30分から取引を開始できます(サマータイム中の取引時間は日本時間の22時30分〜翌5時)。

プレマーケットやアフターマーケットなど立会時間外取引市場を活用する場合は、月曜日は21時(または22時)から、土曜日は午前9時(または10時)まで取引が可能です。

ただし、注文受付や取引時間は証券会社によって異なる場合があるので、事前に確認しましょう。

アメリカの祝日

アメリカ市場の休場日は、土日および祝日です。2022年のアメリカの祝日は、以下のとおりです。

・1月1日:元日(New Year’s Day)
・1月17日:キング牧師生誕記念日(Martin Luther King Jr Day)
・2月21日:ワシントン生誕記念日(Washington’s Birthday)
・5月30日:戦没将兵追悼記念日(Memorial Day)
・6月19日:奴隷解放記念日(Juneteenth)
・7月4日:独立記念日(Independence Day)
・9月5日:労働者の日(Labor Day)
・10月10日:コロンブス・デー(Columbus Day)
・11月11日:退役軍人の日(Veterans Day)
・11月24日:感謝祭(Thanksgiving Day)
・12月25日:クリスマス(Christmas Day)

上記の祝日は休場日なので、米国株の取引はできません。

米国株とは?日本の株式とどう違う?

Q.米国株の特徴って何?
A.米国株は市場全体のパフォーマンスが高めです。高配当銘柄が多く、年4回配当を実施している企業が多いです。また1株単位で売買できるので、少額の資金で有名企業に投資できます。

米国株と日本株は市場のパフォーマンスや配当利回り、配当ペース、売買単位などが異なります。違いを知れば、米国株が自分に合うかどうかを判断できるでしょう。ここでは、米国株の特徴や日本株との違いについて見ていきます。

世界最大・最強の市場

アメリカの株式市場(NYダウ)は、長期的に成長が続いています。平成の30年間で、日経平均株価のパフォーマンスはマイナスでしたが、NYダウは約12倍になりました。また、ナスダック総合指数は平成の30年間で約21倍になっています。

米国株は市場全体のパフォーマンスが高いため、大きなキャピタルゲインを期待できます。

「ナスダック総合指数」:ナスダック総合指数は、ナスダック市場に上場する全銘柄を対象とした指数です。時価総額加重平均型の株価指数で、1971年2月5日の値を100としています。

高配当銘柄が多い

米国株は高配当銘柄が多いのが特徴で、主な高配当銘柄と直近配当利回りは以下のとおりです。

銘柄 直近配当利回り
エクソン・モービル(XOM) 5.49%
IBM(IBM) 4.81%
アルトリア・グループ(MO) 7.50%
ベライゾン コミュニケーションズ(VZ) 4.79%
AT&T(T) 8.11%
SFL コーポレーション(SFL) 8.58%
ルーメン テクノロジーズ(LUMN) 7.78%

※2022年1月時点
Bloombergをもとに筆者作成

上記のとおり、利回りが4〜5%を超える銘柄が数多く存在しています。

多くの企業で配当が年4回ある

日本株の配当は年1〜2回が一般的で、配当が年3回以上ある銘柄はほとんどありません。よって株を購入してから配当を受け取るまで、半年~1年待つケースが多いです。

一方で米国株は、多くの銘柄が年4回の配当を実施しています。そのため、四半期に一度のペースで配当を受け取ることが可能です。例えばアップルは、例年2月・5月・8月・11月に配当を実施しています。

多くの企業が年4回配当を実施していることも、米国株の特徴です。

数十年単位の長期連続増配銘柄が豊富にある

日本株の長期連続増配銘柄の代表は花王で、31期連続増配(2020年12月末時点)を達成しています。

しかし、米国株にはプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やスリーエム(MMM)、コカ・コーラ(KO)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)など、50〜60年以上連続で増配を達成している銘柄があります。

配当の源泉は利益なので、連続増配を実現するためには利益を増やし続ける必要があります。米国株は利益が増え続け、株主還元に力を入れている企業が多いことがわかります。

1株単位で気軽に購入できる

日本株は、原則として100株単位で売買されます。そのため、株を購入するには「株価×100株」の資金が必要です。例えば、トヨタ自動車(7203)の株価は2,292円(2022年1月5日時点)なので、購入に必要な資金は22万9,200円です。このように、有名企業の株を購入するためには数十万円の資金が必要になるケースが多いです。

一方で米国株は1株単位で売買できるため、数千円〜数万円の資金で購入できます。例えばアップルの株価は179.70ドル、マイクロソフトは329.01ドル(2021年1月4日時点)です。※Yahoo!ファイナンスより

米国株は1株単位で売買できるので、少額の資金でも投資できます。

ティッカーシンボルで表示されるので初心者でもわかりやすい

ティッカーシンボルとは、日本株の銘柄コードのように銘柄を識別するための記号のことです。銘柄の正式名称を覚えていなくても、ティッカーシンボルを使って銘柄を検索できます。例えばジョンソン・エンド・ジョンソンの名称は「Johnson & Johnson」ですが、ティッカーシンボルの「J&J」で検索できます。

「ティッカーシンボル」:ティッカーシンボルとは、欧米などで上場する銘柄を識別するためのコードです。アルファベット1文字〜4文字で表されます。

主な米国株のティッカーシンボルは、以下のとおりです。

銘柄 ティッカーシンボル
アップル AAPL
マイクロソフト MSFT
コカ・コーラ KO
テスラ TSLA
アマゾン AMZN
ベライゾン・コミュニケーションズ VZ

※筆者作成

値幅制限がないのでハイリスク・ハイリターン

日本株には、投資家保護を目的に「ストップ高」「ストップ安」という値幅制限が設けられています。ストップ高・ストップ安になると、その日の取引はできなくなります。

しかし、米国株にはストップ高・ストップ安などの値幅制限はありません。値幅制限がないので、ハイリスク・ハイリターンの取引が可能です。

米国株を取引できる証券会社

Q.国内の証券会社で米国株の取引はできる?
A.SBI証券や楽天証券などの国内証券会社を通じて、米国株の取引が可能です。海外の証券会社で口座を開設しなくても、アップルやアマゾン、マイクロソフトなどの有名企業に投資できます。

米国株を取引できる証券会社を知っておくことが大切です。また、証券会社によって米国株の取引手数料や取扱銘柄数などが異なります。

ここではSBI証券や楽天証券など、米国株を取引できる証券会社を紹介します。

SBI証券

米国株の取引時間について解説!日本株との違いは?
(画像=SBI証券より引用)

SBI証券は以下の外国株式を取り扱っているため、さまざまな国の企業に投資できます。

・米国
・中国
・韓国
・ロシア
・ベトナム
・インドネシア
・シンガポール
・タイ
・マレーシア

米国株の取扱銘柄数は5,002銘柄(2021年12月29日時点)です。最低手数料は0ドルで、米国株をSBI証券に貸して金利手数料を得る「米国貸株サービス」も行っています。決算速報やアナリストレポートが充実しているため、効率的に情報を収集できます。米国株をはじめとした外国株式の取り扱いが豊富であり、手数料が安いのが魅力です。

注文可能時間 冬時間 下記以外の時間帯
19時〜19時30分
取引終了後〜9時頃
夏時間 下記以外の時間帯
19時〜19時30分
取引終了後〜9時頃
時間外対応 下記以外の時間帯
23時30分〜6時
6時〜10時30分
19時〜19時30分 ※冬時間
取引手数料 約定代金の0.495%
最低手数料:0ドル
上限手数料:22ドル
米国株取扱数 5,002銘柄 ※2021年12月29日時点
キャンペーン ・【キャッシュバック上限なし】2022年は米株でスタートダッシュ!!
・先着で手数料全額キャッシュバック!米国株デビューでGOGOキャンペーン
・米国株アプリをダウンロードして当てよう!抽選で合計3,000名様にえらべるギフト500円分プレゼント!

※2022年1月時点
※日本時間
※税込
SBI証券より

楽天証券

米国株の取引時間について解説!日本株との違いは?
(画像=楽天証券より引用)

楽天証券は米国株と中国株、ASEAN株を取り扱っています。米国株の最低手数料は0ドル、上限手数料は22ドルで、手数料の1%がポイントバックされます。貯めた楽天ポイントは、投資信託の買付に使うこともできます。

楽天証券指定の米国ETFは、買付手数料が無料です。取引ツールが使いやすく、投資情報も充実しています。

注文可能時間 冬時間 下記以外の時間帯
月〜金:6時〜8時
土:6時〜8時、翌2時30分〜3時30分、5時〜5時15分
日:翌2時30分〜3時30分、5時〜5時15分
夏時間 下記以外の時間帯
月〜金:5時〜8時
土:5時〜8時、翌2時30分〜3時30分
日:5時〜5時15分、翌2時30分〜3時30分
時間外対応 月〜金:8時〜23時30分
土:8時〜翌2時30分、3時30分〜5時、5時15分〜6時
日:6時〜翌2時30分、3時30分〜5時、5時15分〜6時
※冬時間
取引手数料 約定代金の0.495%
最低手数料:0ドル
上限手数料:22ドル
米国株取扱数 4,585銘柄 ※2022年1月4日時点
キャンペーン ・米国株式移管手数料キャッシュバックキャンペーン!
・米国株式取引手数料無料プログラム

※2022年1月時点
※日本時間
※税込
楽天証券より

「米国ETF」:アメリカの証券取引所に上場している投資信託で、NYダウやS&P500など、さまざまな指数をベンチマークとしています。

マネックス証券

米国株の取引時間について解説!日本株との違いは?
(画像=マネックス証券より引用)

マネックス証券は米国株と中国株を取り扱っています。米国株と中国株を合わせた取扱銘柄数は6,000を超え、米国株の最低手数料は0ドルです。

銘柄情報分析ツール「銘柄スカウター米国株」を使えば、スピーディーに個別銘柄の情報を収集できます。毎月決まった日に指定した米国株の自動買付注文を出せる「米国株定期買付サービス」もあるので、忙しい方にもおすすめです。

注文可能時間 冬時間 下記以外の時間帯
10時〜22時
夏時間 下記以外の時間帯
9時〜翌21
時間外対応 22時〜23時30分、翌6時〜10時
※冬時間
取引手数料 約定代金の0.495%
最低手数料:0ドル
上限手数料:22ドル
米国株取扱数 4,293銘柄 ※2022年1月時点
キャンペーン ・米国株デビュー応援プログラム
・米国ETFの買付手数料が実質無料(USAプログラム)

※2022年1月時点
※日本時間
※税込
マネックス証券より

DMM.com証券

米国株の取引時間について解説!日本株との違いは?
(画像=DMM.com証券より引用)

DMM.com証券のDMM株は約定代金にかかわらず、米国株取引手数料は一律0円です。保有する米国株を担保にして信用取引ができます。また、1つのスマホアプリで国内株と米国株の両方を取引できるため、非常に便利です。

LINEやメール、電話による24時間サポート体制があるので、米国株初心者でも安心して取引できます。

注文可能時間 冬時間 下記以外の時間帯
日〜金:6時〜16時
土:3時〜16時
夏時間 下記以外の時間帯
日〜金:5時〜16時
土:3時〜16時
時間外対応 16時〜23時30分
取引手数料 約定代金にかかわらず一律0円
米国株取扱銘柄数 1,263銘柄 ※2022年1月4日時点
キャンペーン 現在実施中の米国株キャンペーンはありません。

※2022年1月時点
※日本時間
※税込
DMM.com証券より

PayPay証券

米国株の取引時間について解説!日本株との違いは?
(画像=PayPay証券より引用)

PayPay証券では、米国株の取引時間によって手数料が変わります。23時30分〜6時は「基準価格×0.5%」で、それ以外の取引時間は「基準価格×0.7%」です。取扱銘柄数は少ないですが、アマゾンやアップル、コカ・コーラなど有名企業は揃っています。

テーマで銘柄を選ぶことができ、マンガで投資の知識を学べます。

注文可能時間 冬時間 下記以外の時間帯
10時〜22時
夏時間 9時〜21時
時間外対応 22時〜23時30分、翌6時〜10時
※冬時間
取引手数料 ・取引時間 23時30分〜6時:「基準価格×0.5%」
・取引時間 上記以外:「基準価格×0.7%」
米国株取扱銘柄数 147銘柄 ※2022年1月4日時点
キャンペーン ・年末年始キャンペーン

※2022年1月時点
※日本時間
※税込
PayPay証券より

米国株売買の始め方

Q.米国株と日本株は始め方が違う? A.米国株と日本株の売買の始め方は、基本的に同じです。どちらも証券会社の口座を開設して入金し、銘柄を選んで取引します。異なる点は、米国株は決済通貨を選択できることです。

事前に米国株の売買までの流れを知っていれば、スムーズに進められます。ここでは、米国株売買の始め方について見ていきましょう。

米国株を扱う証券会社で口座を開設する

まずは、米国株を売買する証券会社を決めて、口座を開設しましょう。SBI証券や楽天証券、マネックス証券、DMM.com証券、PayPay証券など、米国株を取引できる証券会社は複数あります。

米国株の取扱銘柄数や手数料、注文・取引時間、取引ツールなどを比較して、自分に合う証券会社を選ぶことが大切です。自分に合う証券会社を見つけたら、口座開設の手続きを行います。スムーズに手続きを進めるために、事前に必要書類を確認しておきましょう。

審査で問題がなければ、後日ログインIDとパスワードが記載されたメールや書類が届きます。

決済通貨を決めて購入資金を入金する

証券会社の口座を開設したら、決済通貨を決めます。米国株の決済通貨は「円(円貨決済)」と「ドル(ドル決済)」の2つです。円貨決済とドル決済の内容は、以下のとおりです。

決済方法 内容
円貨決済 証券口座に入金した日本円を使って米国株を注文する方法。証券会社の指定為替レートで自動的に円がドルに換金され、売買を行う。
ドル決済 米国株を直接ドルで購入する方法。米ドルMMF買付や為替取引、ドル入金などの方法で、あらかじめドルを用意する必要がある。

※筆者作成

円貨決済のメリットは自身でドルを用意する必要がないことで、デメリットはドル決済と比べて手数料が高いことです。

ドル決済のメリットは円貨決済より手数料が安いことで、デメリットはドルを用意する手間がかかることです。

決済方法を決めたら、投資資金を口座に入金しましょう。

銘柄を選択して購入する

決済方法を決めて投資資金を入金したら、銘柄を選んで購入します。

米国株にはアップルやマイクロソフト、テスラ、ネットフリックス、アルファベットなど数多くの銘柄があります。株価やチャート、マーケット情報などを確認した上で注文を出しましょう。

注文が成立すると、保有株の評価損益などの情報を確認できるようになります。あらかじめ「株価が◯◯円まで上がったら(下がったら)売る」など、売買ルールを決めておくと決済タイミングを迷わずに済みます。

米国株購入のポイント

Q.米国株を購入するときの大事なポイントは?
A.米国株を購入する際は、証券会社や決済通貨、銘柄選びなどが重要になります。これらによって、手数料や取引のしやすさなどが変わるからです。

米国株を購入する際は、Webサイトやマイページ、取引ツール、問い合わせのすべてが日本語に対応していてコストが安い、日本のネット証券がおすすめです。

また、米国株を購入する際は、円貨決済または外貨決済を選ぶ必要があります。

ここでは、米国株購入のポイントについて見ていきましょう。

「円貨決済」:円貨決済は、証券口座に入金している日本円を使って外国株を注文する方法です。証券会社が指定為替レートで外国通貨(米ドルなど)に交換し、決済を行います。

「外貨決済」:外貨決済は、外国株の購入資金を直接外国通貨で支払う方法です。

低コストで日本語に対応している日本のネット証券がおすすめ

米国株を購入する際は、日本のネット証券がおすすめです。

海外の証券会社は日本語に対応していないところが多いので、外国語が堪能でないとスムーズに利用することができず、気軽に問い合わせもできません。国内の対面式の証券会社は手数料が高いのでコスト負担が大きく、利益を圧迫してしまいます。

SBI証券や楽天証券、マネックス証券、DMM.com証券など、日本のネット証券であれば日本語に対応しているので安心して利用できます。わからないことがあれば気軽に問い合わせができ、もちろん回答も日本語です。

対面式の証券会社より低コストで取引できるのも魅力です。米国株を取引する場合は、日本のネット証券を選ぶと、低コストで安心して利用できます。

手間を省ける円貨決済とコストを抑えられる外貨決済

米国株を購入する際は、円貨決済と外貨決済のいずれかを選択することになります。

円貨決済は、証券口座に入金している日本円を使って米国株を購入する方法です。購入時に証券会社の指定為替レートで自動的にドルに交換されるため、ドルを用意する手間を省けます。外貨決済より手数料は高くなりますが簡潔でわかりやすいため、米国株初心者におすすめの決済方法です。

外貨決済は、自分でドルなどの外貨を用意して米国株を購入する方法です。外貨を調達する手間はかかりますが、円貨決済よりも手数料を抑えられます。

米国株を購入する際は、手間を省ける円貨決済かコストを抑えられる外貨決済を選択する必要があるので、事前に決めておくとよいでしょう。初心者には円貨決済をおすすめします。

米国株のおすすめ銘柄はGAFAM

米国株のおすすめ銘柄は「GAFAM」です。GAFAMとは、誰もが知る世界的有名企業である「Google(Alphabet)」「Apple」「Facebook(Meta)」「Amazon」「Microsoft」のことです。いずれも規模が大きく、成長が続いています。米国株に投資するのであれば、GAFAMは外せない銘柄といえるでしょう。

ここでは、それぞれの企業の特徴について見ていきます。

・Google(Alphabet)

Google(Alphabet)は、Google ChromeやYou Tube、Gmail、Google Calendar、Androidなど、多くの人が利用するサービスを提供している世界的に有名なIT企業です。Alphabetは、Googleやグループ会社の持株会社として2015年に設立されました。

Google(Alphabet)の株価は約2,809ドルで、時価総額は約8,900億ドルに上ります(2022年1月5日時点)。配当の実績はありませんが、株価は長期的に上昇が続いています。

・Apple

Appleは iPhoneやiPad、Mac、Apple Watchなどを販売する超有名企業で、2022年1月には時価総額が3兆ドル(約345兆円)を超えました。これはトヨタの時価総額約34兆円の10倍であり、東証一部の時価総額の合計の半分に相当します。

2022年1月5日時点のAppleの株価は約178ドルなので、世界的企業に2万円以下で投資できることになります。株価は長期的に上昇が続いているため、米国株初心者にもおすすめの銘柄です。

・Facebook(Meta)

FacebookやInstagram、WhatsAppで知られる世界的企業Facebookは、2021年10月に社名を「Meta」に変更しました。VRブランドのOculusなども展開しており、今後は次世代のデジタル空間メタバースに力を入れることを発表しています。

Facebook(Meta)の株価は約330ドルで、時価総額は約7,800億ドルです(2022年1月5日時点)。

・Amazon

多くの人が利用するオンラインショッピングサイトAmazonを運営しており、AWSなどのクラウドサービスも提供しています。Amazonの株価は約3,314ドル、時価総額は約1兆6,800億ドルで、Apple、Microsoftに次ぐ規模です。配当金はありませんが、売上・利益は伸び続けており、今後も株価の上昇が期待できます。

・Microsoft

WindowsやOffice、Surface、Microsoft Azureなどで有名なMicrosoftは、誰もが知る有名IT企業です。株価は約319ドル、時価総額はAppleに次いで世界2位の約2兆4,000億ドルです(2022年1月5日時点)。配当利回りは1%未満とあまり高くありませんが、株価は長期的に上昇を続けており、キャピタルゲインが期待できます。

個別株だけじゃない!米国株式市場で押さえておきたいETF、ADR

Q.米国株で魅力的なのは個別株だけ?
A.個別株の他、ETFやADRも人気です。特にETFは低コストで分散投資ができるため、多くの投資家から注目されています。

ニューヨーク証券取引所やナスダックなどの米国株式市場で取引できるのは、個別株だけではありません。NYダウやナスダック総合指数などに連動するパフォーマンスを目指すETFや、アメリカ以外の企業が発行するADRなども取引できます。

個別株以外にETFやADRも知っておくと取引の幅が広がり、投資スタイルや市況に合った投資ができます。

ここでは、ETFやADRについて見ていきましょう。

ETFとは

ETF(Exchange Traded Fund)とは上場投資信託のことです。

NYダウやナスダック総合指数、S&P500、日経平均株価、TOPIXなどに連動するパフォーマンスを目指す投資信託などがあります。

ETFの主な特徴は以下のとおりです。

・指数に連動するため値動きを把握しやすい
・分散投資ができる
・コストが安い
・いつでも売買できる

ETFは株価指数などに連動するパフォーマンスを目指しているため、NYダウやナスダック総合指数などの指数をチェックすれば値動きを把握できます。

指数を構成する銘柄に幅広く分散投資をしているため、リスクを軽減できます。運用コストは0.1〜1.0%程度の商品が多いです。投資信託の基準価額は1日に1回しか算出されませんが、ETFはリアルタイムの価格で売買できます。

ADRとは

ADR(American Depositary Receipt)とは米国預託証書のことです。米国預託証書は、アメリカ以外の企業や政府、アメリカ企業の外国法人などが発行する有価証券に対する所有権を示す、米ドル建ての記名式譲渡可能預り証書です。

ADRにはニューヨーク証券取引所に上場しているものもあり、株と同じように売買できます。例えば、アメリカの投資家が日本株に直接投資する場合は取引が煩雑になりますが、ADRを活用すると取引が容易になります。

アメリカのADRだけでなく、日本や中国などの企業のADRも上場しており、取引が可能です。

米国株の主要な2つの市場

Q.米国株の主な市場はどこ?
A.米国株の主要市場は「ニューヨーク証券取引所(NYSE)」と「ナスダック(NASDAQ)」の2つです。この2つは覚えておいたほうがよいでしょう。

ニューヨーク証券取引所は厳しい審査をクリアした優良企業が多く、ナスダックには勢いのある新興企業が多く上場しています。

ここでは、米国株の主要市場「ニューヨーク証券取引所」と「ナスダック」について見ていきましょう。

伝統のある大手優良企業の上場が多いニューヨーク証券取引所(NYSE)

ニューヨーク証券取引所(NYSE)は「ビッグ・ボード」とも呼ばれる世界最大の証券取引所で、ニューヨークのウォール街にあります。ロンドン証券取引所の次に古い証券取引所です。

ニューヨーク証券取引所は上場審査が世界で最も厳しい証券取引所として知られており、ゴールドマン・サックスやエクソン・モービル、コカ・コーラ、ウォルマート、JPモルガン・チェース、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど世界的に有名な企業が名を連ねています。

ハイテク・IT関連企業が多く上場しているナスダック(NASDAQ)

ナスダック(NASDAQ)は、1971年に設立された新興企業向けの株式市場です。新興企業向けの株式市場としては世界最大規模で、アップルやアルファベット、アマゾン、ネットフリックスなど、人気企業が多数上場しています。

ナスダックは日本市場で例えるとマザーズやジャスダックのような位置づけで、大きく成長する可能性を秘めた企業の株が取引されています。

アメリカの代表的な株式指数

Q.アメリカの有名な株式指数にはどんなものがある? A.NYダウやS&P500、ナスダック総合指数は、米国株を取引していなくても覚えておきたい指数です。

NYダウやナスダック総合指数、S&P500などの指数を見ることで、米国株全体の方向性を把握できます。

ここでは、アメリカの代表的な株式指数であるNYダウ、ナスダック総合指数、S&P500について見ていきましょう。

米国株指数の中で最も古いNYダウ

NYダウはアメリカの代表的な株式指数で、1896年からダウ・ジョーンズ社が算出しています。「ニューヨークダウ」と呼ばれることが多いですが、正式名称は「ダウ工業株30種平均」です。

アップルやボーイング、シェブロン、インテル、マイクロソフト、ゴールドマン・サックス・グループなど、アメリカを代表する30銘柄の平均株価を指数化したものです。構成銘柄が少ないため、個別銘柄の影響を受けやすい指数といえます。

NASDAQの全銘柄を対象に算出されるナスダック総合指数

ナスダック総合指数は、ベンチャー向け株式市場であるNASDAQに上場する全銘柄を対象とした時価総額加重平均型の指数です。1971年に始まった指数で、当時の値を100として算出しています。

NASDAQには、テスラやマイクロソフト、アマゾン、ネットフリックス、ペイパル、インテル、アップル、アルファベットなど数多くの有名企業が上場しています。

勢いのある代表500銘柄から算出されるS&P500

S&P500は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場していて、流動性のある大型株から選ばれた500銘柄で構成されています。NYダウ同様、ダウ・ジョーンズ社が算出しています。日本市場のTOPIXと同じように、時価総額を指数化したものです。

S&P500の構成銘柄には、フォードやゼネラル・モーターズ、バンク・オブ・アメリカ、エクソン・モービルなどがあり、構成銘柄は定期的に見直されます。

米国株の取引時間に関するQ&A

ここからは、米国株の取引時間に関するQ&Aを見ていきましょう。

Q.アメリカの証券取引時間は日本時間の何時から何時まで?
A.日本市場の取引時間は9時〜15時ですが、アメリカ市場の取引時間は現地時間で9時30分〜16時、日本時間で23時30分〜翌6時です。サマータイム中は1時間早くなるため、日本時間の22時30分〜翌5時となります。日本市場とは取引時間が異なることを覚えておきましょう。

Q.アメリカと日本の株式の取引時間はどう違う?
A.アメリカ市場と日本市場の取引時間は、以下の点が異なります。

・アメリカ市場には昼休みがない
・アメリカ市場にはサマータイムが導入されている

日本の市場は前場と後場の間に1時間の昼休みがありますが、アメリカ市場にはありません。日の出時刻が早まるシーズン(3月〜11月)にはサマータイムが適用され、取引時間が1時間早くなります。

また、プレマーケットやアフターマーケットなど立会時間外取引市場を利用することもできます。米国株の取引を始める前には取引時間など、日本市場との違いを確認しておきましょう。

Q.米国株は時間外でも取引できる?
A.米国株の取引時間は、日本時間の23時30分〜翌6時です(冬時間)。ただし、アメリカの株式市場が開く前の22時〜23時30分(プレマーケット)、アメリカ市場が閉まった後の6時〜10時(アフターマーケット)であれば、注文を出すことができます。

プレマーケットやアフターマーケットを活用することで、時間外でも取引ができます。「夜中に取引するのは難しい」という方でも、日本時間の朝に注文を出せるので便利です。

Q.アメリカの株式指数にはどのようなものがある?
A.アメリカの代表的な株式指数はNYダウ、ナスダック総合指数、S&P500です。NYダウ(ダウ工業株30種平均)は、アメリカを代表する30銘柄の平均株価を指数化したもので、ダウ・ジョーンズ社が算出しています。

ナスダック総合指数はNASDAQに上場する全銘柄を対象とした時価総額加重平均型の指数です。NASDAQには、マイクロソフトやテスラなどが上場しています。S&P500は流動性のある大型株から選ばれた500銘柄の時価総額を指数化したものです。

米国株を取引する際は、これらの代表的な株式指数は必ずチェックするようにしましょう。

Q.米国株と日本株はどのような部分が違う?
A.米国株と日本株の主な違いは、以下のとおりです。

・米国株は1株から取引できる
・米国株は年4回配当の銘柄が多い
・米国株は高配当銘柄が多い

米国株は1株から取引できるため、少額の資金でも投資できます。日本株の配当は年1〜2回がほとんどですが、米国株は年4回配当を受け取れる銘柄が多いです。

また高配当銘柄が多いので、高利回りで運用できます。例えば、エクソン・モービルの直近配当利回りは5.49%、IBMは4.81%、アルトリア・グループは7.50%です。

このように米国株と日本株は、売買単位や配当回数、利回りなどが異なります。

Q.どのような人が米国株取引に向いている?
A.米国株取引に向いているのは、以下のような人です。

・世界的に有名な企業に投資したい人
・夜取引をしたい人
・成長が続く市場に投資したい人
・高利回りで運用したい人
・1株単位で取引したい人

米国株であれば、アップルやマイクロソフト、テスラ、ネットフリックスなどの世界的有名企業の株を1株から購入できます。NYダウやS&P500は長年成長が続いているため、大きな利益を狙うことも可能です。高配当銘柄も多く、年4回配当金を受け取ることができます。

上記に当てはまる人は、米国株取引がおすすめです。

まとめ

米国株は高配当銘柄が多く、年4回配当を受け取れます。マイクロソフトやアップル、ネットフリックス、コカ・コーラなどの世界的有名企業の株を1株から購入できるのもメリットです。取引時間は日本時間の夜〜朝なので、日中忙しい方でも取引ができます。

SBI証券や楽天証券など日本のネット証券を利用すれば日本語に対応しており、コストも低く抑えられます。

米国株投資に興味がある方は、ここで紹介した内容を参考にして、取引を始めてみてはいかかがでしょうか。

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