風力発電は燃料を必要とせず、発電時にCO2を排出することもありません。

そのため「環境にやさしい発電」として、現在特に注目されています。

そして最近、アメリカ人デザイナー兼起業家のジョー・ドーセット氏により、家庭用の「風力発電壁」が新たに開発されました。

1世帯の年間電気使用量の2倍以上を発電できるだけでなく、洗練されたビジュアルからアートとしても楽しめるでしょう。

目次

  1. 1世帯の電気使用量を十分まかなえる家庭用「風力発電壁」

1世帯の電気使用量を十分まかなえる家庭用「風力発電壁」

1年で2世帯分を発電できる「風車の壁」が登場!
(画像=一般的な風力発電機(風力タービン) / Credit:Depositphotos、『ナゾロジー』より 引用)

通常の風力発電機は、いわゆる「風車」の型を採用しています。

そしてより効率的に発電するために、大型化したり集合設置したりしています。

広大な土地に複数の大型風力タービンが並んでいる光景を見たことがある人も多いでしょう。

しかし、これら従来の風力発電機にはデメリットがあります。

その大きさや回転するブレードの危険性から、混雑した都市部や小さな家庭に設置するには不向きなのです。

そこでデザイナーのドーセット氏は、新しく家庭用の風力発電機を開発することにしました。

たくさんの小型風力タービンで構成された「風力発電壁」をデザインしたのです。

開発された風力発電壁は2.4m×7.6mという目立たないサイズですが、ユーザーのニーズに合わせてデザインやサイズを調整できるとのこと。

1年で2世帯分を発電できる「風車の壁」が登場!
(画像=デザインやサイズは調整可能 / Credit: Joe Doucet、『ナゾロジー』より 引用)

驚くべきは、その発電量です。

現在、この風力発電壁は年間1万kWh(キロワット時)の電力量を生み出すと言われています。

日本の環境省によると、1世帯の年間電気消費量は平均4332kWhです。

つまり、新しい風力発電壁は1年で一般世帯の2年分以上の電力量を発電できることになります。

家庭用の風力発電機としては十分な性能があると分かりますね。

また風力発電壁はアート・オブジェクトとしての側面もあります。

デザインされた風力タービンの回転には独特の魅力があり、家や会社の壁、または高速道路の脇に設置することで、目にする人を楽しませてくれるでしょう。

現在ドーセット氏は、この風力発電壁を一般販売できるようメーカーと話し合っている最中です。

デザイン性が高く、環境にやさしい家庭用風力発電壁。皆さんの家にも設置することを計画してみてはいかがでしょうか。


参考文献

A New Wind Power Wall Could Produce Over 10,000 KWh a Year

WIND TURBINE WALL


提供元・ナゾロジー

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