体の肥満防止システムを再起動する安全な方法を探る

肥満マウスが激ヤセ! 食べる量を減らしても「消費カロリーが維持される」方法を発見
(画像=HDAC6阻害薬は毒性があるため分子構造を再設計した改良版が必要である / Credit:Canva . ナゾロジー編集部、『ナゾロジー』より引用)

今回の研究により、理想的なダイエットを実現するために重要な「レプチンに対する敏感さ」を再起動させる方法が発見されました。

私たちの体は生存のためにヤセることをなんとしても避けようとする防衛機能がありますが、同時にレプチンを中心とした肥満防止システムも存在します。

新たに発見された方法は、レプチンに対する敏感さを取り戻させ、体に元々そなわった肥満防止システムを再活性化させることを可能にします。

ただ残念なことに、直ぐにでも夢のヤセ薬が即座に開発できるわけではなさそうです。

肥満防止システムを再活性化させるために用いたツバスタチンAなどのHDAC6阻害剤には無視できない毒性があるからです。

研究者たちは今後、ツバスタチンAを参考に、毒性を発揮せずにレプチンに対する敏感さを取り戻せる化合物を設計していくとのこと。

成功すれば今度こそ、ダイエットの努力が結果に直結するようになる、夢のヤセ薬が実現するでしょう。


参考文献

Targeting an enzyme in fat cells drives rapid weight loss in obese mice

元論文

Histone deacetylase 6 inhibition restores leptin sensitivity and reduces obesity


提供元・ナゾロジー

【関連記事】
ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功