パックマンを通じて、ゲームの歴史を学ぶ
2021年12月17日より、横浜ランドマークタワー69階展望フロア「スカイガーデン」で開催されている、PAC-MAN×SKYGARDEN「パックマンのゲーム博物館」。 1980年にアーケード版がリリースされ、日本国内だけでなく世界中で大ヒットし、特に北米では「80年代のミッキーマウス」と称され、日本のインベーダーブームに匹敵するムーブメントを巻き起こしました。
その『パックマン』を中心に、80年代にリリースされたナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)のアーケードゲームに関する展示が開催されています。
このイベントを訪れたので、紹介を兼ねたレポートを行います。
貴重な筐体や資料を見てみよう
スカイガーデンに向かうエレベーターのホールに入ると、ポリゴン風のパックマンが出迎えてくれます。
スカイガーデンに到着し、順路どおりに進むと、クリスタル調のゴーストが待ち構えていますが、追いかけられる心配はありません。
最初の展示コーナーでは、『パックマン』を中心とした80年代のビデオゲームとエレメカが実際に遊べます。
日本国内ではテーブル筐体での流通が多かったので、純正のアップライト筐体は、ナムコの直営店やデパートの屋上のゲームコーナー以外で見かけることはまれでした。
北米ではバリー・ミッドウェイ社(現:ワーナー/NetherRealm Studios)がライセンス販売を行い、前述のとおり、空前絶後の大ヒットとなりました。
尚、この際に日本で付けられていた"PUCK-MAN"の表記が"PAC-MAN"に改められています。
北米版『スーパーパックマン』のアップライト筐体。
パックマンの意匠をこらした、ユニークなデザインです。
北米版『パックランド』のアップライト筐体。
これまでのドットイートアクションではなく、北米で放映されたアニメ「ザ・パックマンショー」のヒットを受けてか、アドベンチャースタイルのアクションゲームになりました。
『パックマン』シリーズ以外にも、『スカイキッド』や『ドラゴンバスター』、『ワニワニパニック』などが設置され、試験休みの学生や家族連れ、カップルたちがこぞって遊んでいました。
中央のモニターには、シリーズの生みの親である岩谷徹さんによる、開発インタビューや80年代当時描かれたアートに関するビデオ映像などが放映されています。
ナムコのビデオゲーム開発の躍進のきっかけになった『ギャラクシアン』を始め、これまで知られなかった面白い話を聞くことができます。
次のコーナーではギャラリーが展開されており、ポスターなどで使用された手書きのアートワークと、当時の企画書や仕様書が展示されています。
アートワークはポスターやカレンダー、当時のナムコの機関紙「NG」に使用されたもので、中には『フェリオス』や『未来忍者』などの滅多に見られないタイトルも揃っており、貴重な展示となっています。
同時に展示されている企画書や仕様書も、貴重な資料の一つです。
ワープロや画像処理ソフトが普及していない頃のものなので、全て手書きで作成されています。
実際のゲームを思い出しながら読むのも良いですが、ゲーム業界を目指す学生たちの参考資料としても役立つと思います。