あくまで個人的な主観ではあるのだが、TAICHIというと、街歩きしていても違和感のないライディングジャケットをいち早く販売していたように思う。具体的にはマウンテンパーカー、ミリタリージャケットのエッセンスを取り入れたライディングジャケットだ。

筆者はアウトドアが好きだし、ミリタリー感が感じられる製品が好きなので、毎年新作をチェックする数少ないメーカーの一つだったりする。

今期の新作をチェックしてみると、今後のバイク用品業界に、新しい風を吹かせそうな製品を二つ見つけることができた。お借りすることができたので紹介したいと思う。

目次
RSJ726 モンスターオールシーズンパーカ
RSJ727 オクタンウインターフーディ

RSJ726 モンスターオールシーズンパーカ

最近のバイクウェアの進化をTAICHIのラインディングジャケットに感じた話
(画像=『Moto Megane』より引用)

品番:RSJ726 製品名:モンスター オールシーズンパーカ
サイズ:S・M・L・XL・XXL・3XL・4XL・WM・WL
カラー:ブラック×オレンジ・ブラック・チノベージュ・ダークカーキ

アイキョウ MA-1、M65、N-3Bに続くミリタリージャケット

機能的に完成されたミリタリージャケットは今までも多くのバイク用品のデザインに採用されてきた。有名なのは映画トップガンで人気に火が付いたMA-1、アメリカ軍で長らく採用され続けたM65、-10度~-30度のヘビーゾーンで使われることを想定し作られたN -3Bなどだ。

アパレルメーカーでは近年、極寒地で活動する特殊部隊向けに開発された、モンスターパーカーをベースにした製品を見かけるようになった。ヒューストンやワイルドシングス、なんとスポーツ用品メーカーのミズノも販売している。オリジナルはオーバーサイズで丈が長いサイズ感だが、各社街着で快適に着れるように調整している。

最近のバイクウェアの進化をTAICHIのラインディングジャケットに感じた話
(画像=2サイズアップで着用してもオリジナルより短い、『Moto Megane』より引用)

TAICHI版モンスターパーカーに目を向けてみよう。丈はオリジナルに比べて短い。バイクに着座する際に邪魔になるので調整したのだろう。

最近のバイクウェアの進化をTAICHIのラインディングジャケットに感じた話
(画像=襟がないのでアウターを選ばない、袖口と裾にはストレッチニットが採用されていて、適度なフィット感とカジュアルな雰囲気をオンしている。、『Moto Megane』より引用)

防寒性に関してはバイク業界で流行りのインナー脱着式を採用している。私は普段Sサイズを着用しているが、お借りしたのはLサイズにも関わらず全体的なシルエットは細身に見える。オリジナルのモンスターパーカーはダボダボのシルエットで半端じゃない中綿量が入っているので、TAICHIのデザイナーがオマージュしつつ全面的にバイク用に作ったという感じなのだろう。

最近のバイクウェアの進化をTAICHIのラインディングジャケットに感じた話
(画像=『Moto Megane』より引用)

ファスナーはダブルになっており内側が真ん中、外側は少しずらした位置に配されている。ファスナー部分からは風が入りやすいが、位置をずらし、ダブルで配することでシャットアウトしている。

最近のバイクウェアの進化をTAICHIのラインディングジャケットに感じた話
(画像=『Moto Megane』より引用)

エリが高めに設定されており、内側には脱着可能なファーが付いているのでネックゲーターやマフラーなどは不要だろう。

ミリタリー好きとしては「このシルエット、形はモンスターパーカーではないだろ!」と突っ込みを入れたくなってしまうところではあるが、使い勝手の良いポケットを多数配置し、どことなくミリタリーを感じさせつつ、細身のシルエットに整えているので、バイクを降りた後の街歩きでも使いやすい。

RSJ727 オクタンウインターフーディ

最近のバイクウェアの進化をTAICHIのラインディングジャケットに感じた話
(画像=『Moto Megane』より引用)

品番:RSJ727 製品名:オクタンウインターフーディ
サイズ:S・M・L・XL・XXL・3XL・4XL
カラー:モスグリーン・マスタード・ブラック

アイキョウ インナーにプロテクターを内蔵するのが珍しい!

ここ数年バイク業界で大流行のインナー付き。冬モデルは圧倒的にインナー付きモデルが増えてきている。個人的には外気温に合わせて調整しやすいので大歓迎したいところなのだが、一般的にはアウターにプロテクターを内蔵している。オクタンウインターフーディは逆にインナーにプロテクターを内蔵しているのだ。

最近のバイクウェアの進化をTAICHIのラインディングジャケットに感じた話
(画像=インナーなのだが、そのままアウターとして販売されていてもおかしくないレベルだ。、『Moto Megane』より引用)

インナーはソフトシェルジャケットのような風合いのパーカーで、肌触りが良く暖かい裏ボアを採用していて風は通さないので春や秋口に一枚で使うことができる。インナーにフードが付いているのも珍しい。ただアウターを着用した際に首回りが窮屈ということもなく、フード付きのインナーを着用する前提でアウターが設計されていることがわかる。

最近のバイクウェアの進化をTAICHIのラインディングジャケットに感じた話
(画像=襟が低く首には防寒対策がほしいところだ、『Moto Megane』より引用)

アウターは中綿入りのコーチジャケットのようなシルエット。裏地にさらりとした生地を採用しているので重ね着がしやすく、中綿の量も十分なので防寒性はバッチリだ。ただフード付きのインナーと重ね着しやすくするためにエリが低く、首回りにも余裕があるのでマフラーやネックゲーターを追加したいところだ。

最近のバイクウェアの進化をTAICHIのラインディングジャケットに感じた話
(画像=『Moto Megane』より引用)

アウターだけならバイク用品メーカーの製品と言われなければわからないほどカジュアルで、普段着として使っても全く問題なしだ。バイクに乗る時だけインナーを着用すればよい。ファスナー前側にはタテを配するなどバイク用として使い勝手の良い設計にはなっているが、かなりカジュアルな路線に寄せている印象を受ける。

アウター、インナー共にストレッチ素材を採用しており動きやすいのもありがたい。バイクの操作が快適なのはもちろんだが、カジュアルで暖かく動きやすいアウターは、小学生の子供二人を公園に連れていく際にも重宝しそうだ。