ドイツ軍用時計の雄として名を馳せたチュチマ グラスヒュッテが、2008年に創業の地であるグラスヒュッテに帰還して以降、積極的に取り組んだのがコレクションの再編と、自社製ムーヴメントの再生産である。この成果のひとつとして13年に誕生したのが、従来のイメージを覆すドレッシーな意匠と、グラスヒュッテの伝統様式を踏襲した自社製ムーヴメントを併せもつパトリアだ。このモデルが新生チュチマ グラスヒュッテを強く印象付けた。
パトリアは当初、ゴールドモデルのみの展開だったが、その後19年に従来同様のハイクオリティな仕上がりで、価格を大きく下げたステンレススチールモデルを追加。搭載するのは、もちろんチュチマ渾身の自社製ムーヴメントである。その充実した内容を考えると、パトリアのコストパフォーマンスは抜きん出ており、一躍、多くの時計愛好家から注目を集めることとなった。 21年、そんなパトリアのスチールモデルに新色が登場した。ブルーのコールドエナメル文字盤を採用し、艶っぽい表情が魅力であった既存モデルから一転、新たに採用されたのはシックな雰囲気をまとったグレー文字盤である。加えてレザーストラップも文字盤に合わせてグレーカラーを採用し、全体的にモノトーンにまとめられている。

2019年に初登場したパトリアのステンレススチール仕様に、シックな雰囲気を醸し出した待望の新色が追加された。もちろん、高品質な外装仕上げやチュチマ渾身の自社製ムーヴメントを搭載する点など完成度の高さは従来に同じだ。
■Ref.6610-02。SSケース、レザーストラップ。ケース径43mm。5気圧防水。手巻き(Cal.617)。87万7800円
多面カットされ、立体的な造形となった針やインデックスで高級感を演出する一方、適度にカジュアル感をプラスするカラーリングは、まさに昨今の高級時計のトレンド。ファッションのコーディネイトでも重くなり過ぎず、デイリーユースとしても非常に使いやすい。


グラスヒュッテストライプを施した4分3プレート、ゴールドのビス留めシャトンといったグラスヒュッテの伝統的な様式を取り入れながらも、華美になりすぎない質実な作りが特徴となった、チュチマ グラスヒュッテの自社製ムーヴメント1号機。耐久を考慮し、振動数を毎時2万1600振動に抑える一方で、巻き上げヒゲやフリースプラングテンプを採用するなど、精度も追求されている。さらにパワーリザーブも約65時間と実用的だ

パトリア アドミラル ブルー。Ref.6610-01。87万7800円
【問い合わせ先】
トラストゲインジャパン TEL.03-6810-9305
文・堀内大輔(編集部)/提供元・Watch LIFE NEWS
【関連記事】
・【第4回-セイコー(プレザージュ&セイコー 5スポーツ)】3大国産時計の売れ筋モデルを調査、本当に売れた時計BEST3
・【1位〜5位まで一挙に紹介します】“タイムギア”読者が選んだ、欲しい腕時計ランキングTOP10-後編
・進化したエル・プリメロを搭載したゼニスの意欲作、“クロノマスター スポーツ”が登場
・菊地の【ロレックス】通信 No.078|小振りで着けやすいベーシックな旧エアキング
・アンティークの無名クロノグラフって知ってますか?