「防災情報ナビ」というサイトがあります。

防災情報ナビ:世界の火山噴火年表

このサイトでは、10年を1単位として、世界の主要な火山噴火が時系列で紹介されています。

このサイトの情報源や紹介される噴火規模の基準などがわからないため、正確性がどこまで担保されているかは不明ですが、直近10年の噴火が目に見えて多くなっていることは昨今感じる肌感覚とも合致しています。

さて、今月15日に、トンガで海底火山の大規模噴火が起きました。

昨今の報道を見ると、今のところ「今回のようなケース」で津波のおきるメカニズムや、日本における今回の津波の影響に報道が集中しているようにみえます。

確かにそれらの検証は重要ですが、火山列島とも呼ばれている我が国においては、トンガの噴火を契機として、「日本において、大きな噴火が発生した場合の影響と対策」に、そろそろ重点を置いた報道をしてもらいたいと考えます。

トンガの海底火山噴火を契機に求められる「我が事」としての報道
(画像=GA161076/iStock、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

昨今では、富士山、箱根、九州、北海道をはじめ、「噴火規模が大きくなる可能性のある火山」に関する危険性が叫ばれて久しく、その認識も徐々に国民に広がってきたところではあると思います。

その意味で、今回のように、数千キロ離れた日本でも影響が出たトンガの海底火山の噴火は、国民にとって「我が事」として考え、今一度真剣に対策を検討する機会であるとも言えるのだろうと考えます。

例えば、NHKが昨年10月21日に公開した「火山灰が首都圏に!そのとき何が起きるのか? 徹底検証 富士山噴火」では、ざっと以下のような問題の発生が紹介されています。

  1. 停電
  2. 信号の誤作動
  3. エンジントラブル
  4. 水質汚染と水道への影響
  5. 発電所
  6. 灰の除去
  7. 健康被害

仮に今富士山が大きな噴火をしたら、停電による暖房インフラの崩壊、噴火により生じたPM2.5の影響、水質汚染等により少なくない数の方が命を落とすでしょう。

また噴火規模や期間によっては、想像を絶する長い期間、生活インフラが復旧できない可能性もあります。

さらにいえば、トンガの噴火以降、我が国において「海底火山が噴火する可能性」とその影響について検証している報道は、ネットでの記事以外では知る限り見たことがありません。

この記事を読む限り、海底火山の噴火の可能性は、我が国の海域では「十分有りうる」とのことです。

今回トンガをおそった大災害を契機として、私たちに今何ができるのかという視点で、公共の電波や新聞各紙は、もう少しボリュームを増やして報道してほしいと思います。

文・高橋 富人/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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