ローヤルゼリーには医薬品並みの効果があるようです。
日本の熊本大学と杉養蜂園の共同研究によれば、ローヤルゼリーには、心臓病・脳卒中・腎不全の原因となる動脈硬化を予防する効果があるとのこと。
どうやらローヤルゼリーには血管内側の機能を改善することで「血管を元気」にする機能があるようです。
研究内容の詳細は日本動脈硬化学会の学会誌である『Journal of Atherosclerosis and Thrombosis』に掲載されています。
ローヤルゼリーには心臓病・脳卒中・腎不全の原因となる動脈硬化を予防する効果がある
ローヤルゼリーにはさまざまな健康効果があり、多くのサプリメントや栄養ドリンクに含まれています。
特に、生活習慣病に対する効果が期待されており、高血圧の予防・コレステロール上昇の予防・高齢者の筋力量増大などにかかわる数々の研究結果が報告されています。
しかし血管内皮とローヤルゼリーの関係を調べる研究は行われていませんでした。
血管内皮(内側)の機能が損なわれると動脈硬化が発生し、心臓病・脳卒中・腎不全などを引き起こすことが知られています。
そこで今回、熊本大学の研究者たちは、ローヤルゼリーの血管内皮に対する効果を確かめるため、100人の健康な被験者に対して4週間にわたり、ローヤルゼリーとプラセボ(偽薬)を投与。
その後、血管内皮の健康度の指標となるRHI(反応性充血指数)が調べられました。
RHI(反応性充血指数)とは、圧迫などにより止められた血流が、解放と同時に血流量が一時的に大きく増加する現象を調べることで測定されます。
この値が高い場合、血管内皮は反応が機敏で(健康で)、動脈硬化などになりにくいと考えられています。
測定を行った結果は非常に明瞭でした。
上のグラフのように、プラセボ(偽薬)を飲んだグループのRHI(反応性充血指数)には統計的に変化がみられなかったものの、ローヤルゼリーを摂取していたグループはRHIが大きく上昇しました。
この結果は、ローヤルゼリーには血管の内側をある意味で「元気」にする効果があることを示します。
血管の内側が健康が維持できれば、動脈硬化の予防になり、血管の病気である心臓病や脳卒中・腎不全などの予防にもつながります。
また興味深いことに、被験者たちの血液を調べたところ、ローヤルゼリーを飲んでいたグループでは、肝機能の指標である「ALT」や「γGTP」の値も改善していました。
ローヤルゼリーは安全で優れた効果をもつ
今回の研究で、ローヤルゼリーが血管の健康を改善することが示されました。
血管が元気になることで、心臓病・脳卒中・腎不全などを予防することができると期待されます。
また追加の実験では、ローヤルゼリーに肝機能の指標を改善する効果があることが示されました。
これらの結果は、プラセボとの厳密な比較を経て得られたものであり、ローヤルゼリーには、医薬品に匹敵するような高い健康効果がある可能性が示唆されます。
また4週間の試験中に、ローヤルゼリーによる副作用はみられませんでした。
もしお酒やタバコのせいで血管の健康や肝機能に不安があるならば、ローヤルゼリーを試してみるのもいいかもしれません。
参考文献 ローヤルゼリーが血管内皮機能を改善する効果を検証―動脈硬化予防に期待―
元論文 A Randomized, Double-Blind Comparison Study of Royal Jelly to Augment Vascular Endothelial Function in Healthy Volunteers
提供元・ナゾロジー
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