韓国で、次世代人工知能(AI)半導体開発に4000億ウォン(約385億円)の国家予算が追加投入される。またAI半導体神経処理網(NPU)チップ設計技術の確保と専門人材育成も推進される。これを通じてグローバル市場での競争力確保に乗り出すというのが韓国政府のAI半導体中長期戦略だ。韓国メディア「韓国日報」が報じた。(写真:韓国科学技術情報通信部)
科学技術情報通信部は19日、ソウル中区に位置するソウル中央郵便局で開催された「第2回人工知能(AI)最高位戦略対話」で、このような内容のAI半導体未来ビジョンを明らかにした。AI半導体であるPIM半導体は、メモリ内部で演算処理が可能となる。
韓国政府はまず、2028年までに「メモリ・演算統合インテリジェント(PIM)」半導体開発に4027億ウォン(約388億円)の予算を追加投入することにした。これに先立ち、政府では2029年までに合計1兆96億ウォン(約971億円)を投入する「人工知能半導体産業発展戦略」を発表した。
これと共に政府はAI半導体NPUチップの設計技術確保とパッケージ型製品の生産も支援する予定だ。また、AI半導体開発環境を提供するソフトウェア(SW)の開発も推進する計画だ。また、開発されたAI半導体が市場に円滑に進出できるように性能検証も支援する方針だという。
AI半導体の専門人材養成案も発表された。まず年内に3つの大学を選定、電気電子工学とコンピュータ工学、物理学などを連携した「人工知能半導体学部連合専攻」を新設する予定だ。また、PIM半導体設計分野で学士や修士・博士など多様な専門人材を養成する計画だ。
「超巨大AI生態系」構築計画も出した。「AI半導体設計ツール」を共同で活用し、AI半導体開発企業のコスト負担を軽減するという説明だ。また、中小企業と大学が大企業の超巨大AIを使用する際に支払わなければならない費用をバウチャー形式で支援することにした。さらにAI学習用データ1,300種を「AIハブ」を通じて2025年まで開放し、データ構築ロードマップも用意する計画だとした。
この日、戦略対話に出席した企業人たちはAI半導体育成のためのインフラ強化を要求した。イ・サンホSKテレコムT3Kセンター長は、AI半導体公共需要創出のための省庁及び自治体間協力事業を促した。ペク・ジュノ Furiosa AI代表は、半導体チップの開発段階から超巨大モデルサービスの提供まで、企業間の相互協力を強調した。これにイム・ヘスク課期正統部長官は「AI半導体競争力確保のために民・官が共に悩み、政府も政策的支援に最善を尽くする」と答えた。
提供元・コリア・エレクトロニクス
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