19年10月の電気通信事業法改正で、端末の割引上限が2万2000円(税込)までに制限されました。

結果として、以前のように元々の価格が高いハイエンドモデルが0円や1円で販売されるシーンを見かける場面は減っています。各社とも、本体価格が2万円台のエントリーモデルを投入しているため、ほぼ無料で入手できる端末はありますが、端末の性能に応じて、価格に幅が出てきています。

【コラム】1円のiPhone SE、安さには裏があるのか?端末割引の仕組みを解説
(画像=端末の割引に大幅な規制がかかり、無料で手に入る端末はエントリーモデルが中心になった。写真はドコモの「Galaxy A22 5G」で、本体価格は2万2000円、『TECHABLE』より引用)

破格な安さのiPhone

ところが、21年秋ごろから、iPhoneを破格な安さで販売するショップが徐々に増えてきています。

とくに、よく見かけるのが第2世代のiPhone SE。コンパクトモデルで、シリーズの中で比較的リーズナブルなiPhone 12 miniや、iPhone 13 miniを低価格で販売するケースも見受けられます。番号ポータビリティなどで回線契約を移すと、1円や10円といった無料に近い価格まで下がるのが、低価格販売の共通点です。

iPhone SEは、元々の価格がアップル直販で4万9800円(64GB版の場合)。iPhone 12 miniは6万9800円(64GB版の場合)で、どちらも価格は割引の上限である2万2000円を大きく上回っています。

そのため、1円に近い価格で販売すると、端末値引きの上限を超えてしまうことになります。値引きの上限超えは指導の対象になりますが、昨年から今に至るまで、続けられています。

なぜ、このようなことが可能なのでしょうか。