東京オートサロン2020の会場にて、三菱自動車が新型軽スーパーハイトワゴンを世界初公開した。「eKクロス スペース」と「eKスペース」、それに、コンセプトモデルの「eKクロス WILD BEAST Concept」はどういうクルマなのだろうか。

「eKクロス スペース」と「eKスペース」は三菱自動車と日産自動車の合弁会社が企画・開発

軽スーパーハイトワゴンと言えば、軽自動車の売上上位を占めるほど人気があり、2019年度の軽自動車新車販売数では、1位ホンダ「N-BOX」(253,500台)、2位ダイハツ「タント」(175,292台)、3位スズキ「スペーシア」(166,389台)と、ベスト3はすべてスーパートールワゴンが入っている。三菱車「eK」(44,883台)は10位にランキングしているが、この数字はekシリーズである、「eKクロス」「eKワゴン」「eKスペース」「eKスペースカスタム」の合算だ。

今回発表された2台は、2019年3月に発売した「eKクロス」「eKワゴン」に続く新型軽スーパーハイトワゴンの第2弾。三菱自動車と日産自動車の合弁会社である株式会社NMKVが、企画・開発マネジメントしたものだ。デザインテーマは「SMILES & FREESTYLE」で、両車とも広々とした快適な居住空間を実現している。

ちなみに第1弾の「eKクロス」は「eKワゴン」はともに2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤー「スモールモビリティ部門賞」と、さらには2020年次「RJCカーオブザイヤー」を受賞している。

新型「eKクロス スペース」の特徴 「eKクロス」と「eKスペース」の中間

(写真=鈴木博之)

軽クロスオーバーSUVというジャンルでは三菱自動車でも「eKクロス」というクルマを発売している。今回発表された「eKクロス スペース」というのは、「eKクロス」と「eKスペース」の中間に位置する。

「eKクロス」に引き続き、三菱自動車のデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」をフロントフェイスに採用し、SUVらしい力強さと安定感が表現されている。

特徴的なのはフローティングライン、ベルトラインからつながるリアで斜め上に切れ上がるジェットフィンピラー(Dピラー)があるところだ。「eKクロス」にも同様の意匠はあるがゆっくり切れ上がるのに対して、「eKクロス スペース」はシャークフィンのような形状でしかも盛り上がっている。

SUVらしさを強調するために、サイドシルガーニッシュやホイールアーチはブラックにし、前後バンパー下のスキッドプレートはシルバーに設定。

武骨さとスタイリッシュさを両立させているデザインだ。

新型eKクロス スペース スペック表

ベース車名・類別 eKクロス スペース T
ボディカラー オリーブグリーンメタリック/ホワイトソリッド
駆動方式 4WD
エンジン 型式 DOHC 12 バルブ・3 気筒

メーカーオプション

ルーフレール 先進快適パッケージ
先進安全パッケージ プレミアムインテリアパッケージ
安全装備 三菱e-Assist
衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM) 踏み間違い衝突防止アシスト
車線逸脱警報システム(LDW) &
車線逸脱防止支援機能(LDP)
オートマチックハイビーム(AHB)

新型「eKスペース」の特徴 精悍なマスクにチェンジし、より快適に

(写真=鈴木博之)

新型「eKスペース」は先代に比べると、フロントフェイスは開口部が少なくグリルをボディ同色にしていて精悍な顔つきになった。

スーパーハイトワゴンの名にふさわしく、クラストップレベルの広々とした室内空間を誇る。室内高も1,400mmと、同社の「タウンボックス」1,420mmについで高い。

(写真=鈴木博之)

左右スライドドアの開口幅は650mmと開口幅、スライド量、後席足元の広さもクラストップレベル。小さな子どもをチャイルドシートに乗せるのも楽だ。スライドドアはファミリーではドアパンチの心配もなく雨の日も楽だろう。

(写真=鈴木博之)

「eKスペース」にもDピラーにジェットフィンピラーがあり、斜め後ろから見ると、個性的なリアまわりが見て取れる。

初代モデルよりホイールベースを延長したことで、室内空間はさらに拡大。前席を一番後ろに下げた状態でも、後席の足元空間を確保している。

(写真=鈴木博之)

エンジンはハイブリッドシステムを採用する自然吸気とターボを設定し、CVTと組み合わせることで優れた燃費性能と力強い加速性能を実現。また日本国内では三菱車初となる「ヒルディセントコントロール」を搭載している。これは急な坂を下る際に、電子制御により速度を低く抑えてくれる機能のことだ。

ドライバーの負担を軽減し安全・安心を提供するために、高速道路同一車線運転支援技術である「MI-PILOT(マイパイロット)」や、衝突被害軽減ブレーキシステム、さらには踏み間違い衝突防止アシストなど、「サポカーSワイド」に該当する予防安全技術「e-Assist」を採用しているという点にも注目したい。

新型eKスペース スペック表

ベース車名・類別 eKスペース T
ボディカラー レッドメタリック
駆動方式 2WD
エンジン 型式 DOHC 12 バルブ・3 気筒

メーカーオプション

先進快適パッケージ 先進安全パッケージ
安全装備 三菱e-Assist
衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM) 踏み間違い衝突防止アシスト
車線逸脱警報システム(LDW) &
車線逸脱防止支援機能(LDP)
オートマチックハイビーム(AHB)

コンセプトモデル「eKクロスWILD BEAST Concept」はカスタムのお手本になる

(写真=鈴木博之)

 
「eKクロス」のコンセプトモデル「eKクロスWILD BEAST Concept」も展示されていた。「eKクロス」にルーフ、テールゲート、さらにボディサイドにブラック/グレーのクロスの文字にカモフラージュ柄のアクセントをあしらっている。

展示会用のコンセプトモデルだが、カスタマイズの手本として考えるのもいいだろう。「eKクロス スペース」と「eKスペース」は、2020年春に発売予定となる。軽スーパーハイトワゴンの購入を考えている人は、注目してみてもらいたい。

文・鈴木博之(フリーランスライター)
 

【関連記事】
富裕層のガレージにフェラーリやランボルギーニがある理由
ロレックス以外に「オシャレ」「投資対効果」を満たす腕時計はない
シュプリームが支持され続けるワケ 6万円のTシャツがオークションで16万円に?
「なぜ富裕層は「英国靴」を愛用?庶民は知らない「エドワードグリーン」と「ジョンロブ」
「山崎50年」が約3,000万円に!日本産ウイスキーの価格はなぜ高騰している?