スズキは2019年12月24日、5年ぶりにモデルチェンジした軽自動車クロスオーバーSUVの新型「ハスラー」を発表した。新型ハスラーは東京モーターショーに参考出品されたが、ほぼそのままの姿で市販されることになった。

コンセプトとデザイン

軽自動車SUVとしてヒットしたデザイン性とライフスタイルを強く主張した初代ハスラーの個性をそのままに、2代目ハスラーの開発コンセプトは「もっと遊べる、もっとワクワク、もっとアクティブな軽クロスオーバー・ワゴン」だ。
 

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(画像=AUTO PROVE)

新型ハスラーのアピール・ポイントは、より力強いスタイルの個性的なデザイン、広く使いやすい室内と進化したパッケージング、さらに充実したスズキ・セーフティサポート、徹底的に鍛え上げた走行性能と快適性能、大きく、楽しい、カラフルなインフォテイメント・システムの採用だ。

デザインは従来のコンセプトを受け継ぎながら、より機能的でタフな力強さを強調している。エクステリアは、よりスクエア感を強調し、リヤ・ハッチドアは直立させている。そしてリヤのクォーター・ガラスを追加し、クラシックなテイストを取り込んだ6ライト・キャビンとなってる。また従来はブラック処理されていたボディサイドのピラーはボディ同色になり、2トーンの場合はC/Dピラーがルーフと同色にして個性を強調している。
 

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ボディフォルムは、ボンネットを高くし、ボディの断面は一見するとスクエアで平面的だが、詳細に見ると微妙な張りを付けることで質感を向上。
 

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新色のバーミリオンオレンジ/ガンメタリック・ルーフの2トーン仕様(画像=AUTO PROVE)

 

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インテリアのトリムもオレンジで統一(画像=AUTO PROVE)

ボディカラーは、赤みの強いバーミリオンオレンジ、ナチュラル・テイストを強調するデニムブルーなどの新色を加え、全11色の展開だ。
 

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インテリア

インテリアはタフなクルマであることを強調し、アウトドアグッズのようにプロテクト感を表現したデザインとし、同時に機能性やユーティリティを向上させている。インスツルメントパネルはタフさを感じさせる斬新なデザインを採用。大きな3連フレームを持つインスツルメントパネルのフレームカラーはボディと同色にコーディネイトするなど遊び心も徹底されている。
 

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従来型と同様にグローブボックスを開けるとテーブルに(画像=AUTO PROVE)

またフロントシートは、これまでのベンチシートから左右独立シートとなり、左右シートの間には紙袋やバッグなどを置けるスペースを確保。その他に助手席側のグローブボックスを開けるとテーブルになるなど、各所に収納を設置し利便性を高めている。
 

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ラゲッジスペースはボードを使用した2段構成(画像=AUTO PROVE)

新世代プラットフォームに最新エンジン、最新CVTを搭載

新型ハスラーはスズキの新世代プラットフォーム「ハーテクト」を採用し、ホイールベースは35mm延長されている。そのため前後シートの間隔も35mm長くなり、リヤシートの居住スペースを拡大。また全高も15mm高くするなど、室内スペースも極限まで拡大している。
 

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前後のオーバーハングも切り詰め、フロントのアプローチ・アングル、リヤのデパーチャー・アングルを増大させている。最低地上高は180mmを確保し、十分な悪路走破性を備えるとともに、SUVらしいスタンスを実現している。
 

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赤色部が接着剤の採用部(画像=AUTO PROVE)

新型ハスラーのボディは、最新技術を投入している点でも注目される。ボディは環状骨格構造を採用した上で、スズキ初となる構造用接着剤を多用して剛性を向上。さらに軽自動車で初となる合成ゴムを主成分とした弾性接着シール剤「高減衰マスチックシーラー」をルーフ周りに採用しており、室内の静粛性を大幅に向上させている。
 

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RA06A型ターボ・エンジン(画像=AUTO PROVE)

搭載するエンジンは、従来からの64ps/98Nmを発生するR06A型3気筒ターボエンジンと、新開発の自然吸気エンジン「R06D型」3気筒エンジンをラインアップしている。
 

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新開発された自然吸気のRA06D型エンジン(画像=AUTO PROVE)

新開発のRA06D型はボア・ストロークも一新し、デュアル・インジェクションを採用。スズキ初となる大量クールドEGR、高圧縮比、急速燃焼を追求した新世代エンジンで、出力は49ps/58Nm。燃費性能と実用域での扱いやすさを追求した最新エンジンとなっている。またハスラーは全車がマイルドハイブリッド・システムを採用している。

 
CVTはアイシン製の最新タイプを採用。2ポート・オイルオンプ、高効率ベルトなどを採用し軽量化も図るなど、最新世代のCVTになっている。

4WDモデルは従来通りビスカス・カップリング式だが、従来のヒルディセント・グリップコントロールに加え、今回からスノーモードを追加。スノーモードをオンにするとエンジン出力を絞り、同時にブレーキ制御によりホイールの空転を防ぎ、アイスバーンや雪道など滑りやすい路面での発進性能を高めている。

サスペンションは、新世代プラットフォームから採用されているフロント・ストラット、リヤ・トーションビーム式を採用。4WDモデルのリヤは従来通りI.T.L(アイソレーテッド トレーリング リンク式だ。またタイヤは全モデルが165/60R-15となっている。

安全装備とインフォテイメント

自然吸気エンジン「G」のベース・グレード以上には安全装備では、より進化したスズキ・セーフティサポートが標準装備される。デュアル・カメラ式で夜間歩行者検知、道路標識認識、自動ブレーキ付き後退時ブレーキサポートなどの機能が追加されている。
 

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追加された新機能(画像=AUTO PROVE)

 

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ターボ・モデルには全車速追従式ACCも設定(画像=AUTO PROVE)

またターボ・モデルには、スズキ初となる全車速追従式のアダプティブクルーズ・コントロール、車線逸脱抑制機能を搭載する。
 

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4.2インチのカラー液晶メーター(左)と9インチサイズの多機能ディスプレイ(画像=AUTO PROVE)

インフォテイメントは、メーカーオプションで9インチサイズのディスプレイを設定。SDL規格のスマートフォン連携機能を備えている。またナビゲーションは天頂衛星、グロナス衛星も併用するなど大幅に自車位置検出精度が高められている。

メーターパネルもスズキの軽自動車初となる4.2インチカラー液晶メーターを採用。カラー表示を生かし、多彩な車両情報などを見やすく表示できるようになっている。
 

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スズキ ハスラー 主要諸元表

【グレード構成・価格】

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提供元・AUTO PROVE

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