つみたてNISAに向かない人とは 5つのタイプを紹介

2019.8.7
INVESTMENT
(写真=Panumas Yanuthai/Shutterstock.com)
(写真=Panumas Yanuthai/Shutterstock.com)
つみたてNISAを活用すべきか否かで迷っている人も多いだろう。基本的に大きなデメリットのない仕組みなので危機感をあおるような情報は見当たらないが、誰にでも合うというわけではない。ここではつみたてNISAに向かない5つのタイプを紹介する。

つみたてNISAは投資信託を対象とした長期積立投資を支援する制度

つみたてNISAは一般NISAに続き2018年1月からスタートした長期積立投資を支援するための非課税制度だ。少額ずつ定期的に金融商品を買い付け、一般NISAよりも長いスパンで非課税の恩恵を受けられることが大きな特徴だ。
  • 非課税期間:最長20年間
  • 非課税投資枠:年間40万円(20年間で最大800万円)
  • 非課税対象:投資から得られる分配金や譲渡益
  • 投資対象商品:金融庁が許可した一定の投資信託
  • 投資形式:(毎月など)決まったタイミングで自動買付
年間の投資額は一般NISAやジュニアNISAよりも低めながら、期間が長いのでトータルでの非課税投資枠は800万円と大きい。対象商品はインデックス投信142本、アクティブ投信18本、ETF3本と数は控えめだ(2019年5月時点)。

これは手数料が一定以下で毎月分配型でないなど、長期投資向けの条件を満たした銘柄に絞られているからである。つみたてNISAをする=投資信託を買うと理解して差し支えないだろう。

つみたてNISAに向かない人とは?5つのタイプを紹介

つみたてNISAにまったく向いていないという人は存在しないだろう。どんな年代でも活用しやすく、初心者でも問題なく取り組める制度だ。iDeCoのように自営業かサラリーマンかで投資枠に差があるということもない。しかしあえて挙げるとすると、以下のような人はつみたてNISAが最適な投資方法とは言えない可能性がある。

(1)投資スキルを上げたいと考えている人

つみたてNISAは銘柄と投資金額をあらかじめ指定して自動的に買い付けを繰り返す設定が一般的だ。できるだけ割安なタイミングで発注するといった売買のスキルは基本的に必要ない。売りのタイミングは自分で決めるが、主な対象商品は長期での安定的な運用が見込めるインデックス投信のため、そう頻繁に売り注文を出すことは考えにくいだろう。

そもそも長期積立投資は売買頻度が低いのだ。対象商品も限られることから、銘柄選びのセンスを鍛えることもできないだろう。つみたてNISAは売買タイミングや銘柄分析といった投資スキルを磨くのには適していないと言える。

(2)ダイナミックな短期売買に興味がある人

投資スタイルはさまざまで、長期安定志向だけが優れているとは限らない。リスクを取って短期売買をすることで「大儲け」を狙うこともれっきとした投資スタイルのひとつだ。ただ、このような投資はつみたてNISAでは実質不可能である。

短期での積極的な投資に向いている株式・レバレッジ型投資信託・仮想通貨・FXなどは、つみたてNISAでは取り扱いがない。また、一度使った投資枠は年が変わるまで復活しないため、短期で何度も売買を繰り返すとあっという間に枠を使い切ってしまう。

(3)5年以内の「近い将来」に備えたい人

つみたてNISAはリスクを分散しながら長期的な資産形成の支援を目的とした制度だ。逆に、数年後のライフイベントのために資金を貯めたい場合には適さない。つみたてNISAの対象となっている商品は短期では価格変動リスクに対応できず、複利の効果も得られないからだ。

ちなみに金融庁作成のデータによると、国内外の株式や債券に100万円を投資した場合、保有期間5年間では収益率は-9%から+14%ばらつきがあるが、20年間保有すれば+2%~+8%に収斂される。長期になるほど収益率が安定するという結果だ。つみたてNISAは10年以上先の教育資金や老後資金に備えたい人に向いている。

(4)まとまった資金を今すぐ投資したい人

まとまった資金をすぐに投資したい場合にも、つみたてNISAは向いていない。年間40万円までという投資枠の制限があるからだ。しかも積立方式なので、最大でも月に約3万3,000円ずつしか拠出できない。

一般NISAなら120万円の金融商品を一気買いすることも可能だ。節税にこだわらないなら選択肢は他にもある。相続などでまとまった資金を手にしてすぐに投資に回したい人は、つみたてNISA以外の投資方法を考えるのが良いだろう。

(5)投資信託の分配金がほしい人

つみたてNISAでは毎月分配型の投資信託は取り扱われていない。金融庁が定めた長期投資に適した基準を満たしていないためだ。購入を考えているなら一般NISAが良いだろう。

年金を補填するために投資信託の分配金を利用したい層からは、毎月分配型の投資信託は根強い人気がある。利益を分配することで複利の効果が得られないとの批判もあるが、毎月決まった収入(実際にはすべてが利益とは限らないが)があるのは大きな安心感があるのだろう。

つみたてNISAは万人向けだが制度に適した使い方を

NISAやiDeCoといった投資優遇制度は、条件やメリットをよく理解して利用することが大切だ。つみたてNISAは「長期」「少額」「積立」「分散」「安定」を目的とした投資を支援するものだ。短期での積極投資ができないわけではないが、制度的に不便を強いられることになる。制度の特徴をよく理解したうえで、恩恵を最大限享受できるような使い方をしたい。

文・篠田わかな(フリーライター、ファイナンシャル・プランナー)
 

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