一昔前まで、通貨といえば紙幣や硬貨のような形のある物が常識だったが、仮想通貨や電子マネーが登場して以来その概念は変わった。

仮想通貨も電子マネーも形のないデジタルデータだが、通常の紙幣や硬貨と同様に様々な決済手段として利用できる。実際の紙幣や硬貨を持ち歩かなくとも決済ができるという点は、仮想通貨・電子マネー双方の大きなメリットとなっている。

電子マネーとは 日本円をチャージして使う

まずは電子マネーについて説明しよう。現在日本で利用されている代表的な電子マネーにはSuicaやPASMO、楽天Edy、WAON、nanacoなどがある。

電子マネーに共通する特徴としては、中央銀行の発行した法定通貨を基に電子通貨が発行されているという点だ。Suicaを例に挙げよう。Suicaを利用する際は事前にSuicaに現金をチャージする必要がある。5,000円分のチャージをおこなうと、Suicaで5,000円分の決済ができる。

今回紹介した電子マネーに関しては、すべて日本の中央銀行である日銀が発行した日本円をチャージすることによって、同等の価値を持つ電子マネーが利用可能になる仕組みとなっている。

仮想通貨とは 中央銀行も法定通貨とも

仮想通貨についてはどうだろうか。現在、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、リップル(XRP)など、1,500種類以上もの仮想通貨が存在している。仮想通貨の中でも代表的なものがビットコインだ。仮想通貨の種類によって様々な特徴があるが、今回は仮想通貨の代表格であるビットコインの特徴を、仮想通貨の特徴として紹介する。

仮想通貨の大きな特徴は、実際に紙幣や硬貨が存在しないが円やドル、ユーロなどと同じように通貨として利用できるという点である。そのため円やドルなどの為替相場と同様、日々交換レートが変動している。

他にも、低コストで世界中どこにでも送金が可能という特徴もある。ただし仮想通貨は、国や中央銀行などの特定の中央機関によって管理されていない(その価値が国や政府などの信用に裏付けられたものではない)。

電子マネーと仮想通貨との違い

電子マネーは法定通貨と同等の価格が保たれているが、仮想通貨はそれ自体の価値が日々変化する。

電子マネーと仮想通貨の大きな違いは、法定通貨によって価値が保たれているかどうかと認識すると分かりやすいだろう。

1,000円分をチャージすればいつでも1,000円分の価値が保証されているのが電子マネーだが、1,000円分購入しても相場によって1,000円以上になることもあれば1,000円以下になることもあるのが仮想通貨だ。

電子マネーについては2010年4月1日施行の資金決済に関する法律によって定義された。一方仮想通貨の法整備が進んだのは最近で、2017年4月1日より施行の「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律」の「資金決済に関する法律」「第三章の二 仮想通貨」に新たに仮想通貨の定義が追加されている。

文・右田創一朗(元証券マンのフリーライター)
 

【関連記事】
ネット証券は情報の宝庫?日経新聞から四季報まですべて閲覧可!?(PR)
40代で「がん保険」は必要か?
40歳から効率的にお金を貯めるための6つのステップ
共働きの妻が産休・育休中でも夫の「配偶者控除」を受けられる 意外と知らない節税法
40代が知っておきたい保険の知識まとめ