専業主婦が老後資金をつくるならiDeCo(イデコ)よりつみたてNISAのほうがいい?

2018.10.14
FINANCE
(写真=metamorworks/Shutterstock.com)
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2017年から専業主婦もiDeCo(イデコ、確定拠出年金)に加入できるようになり、妻の老後資金のためにと加入を検討している家庭もあるだろう。だが実はiDeCoは、専業主婦の妻にはサラリーマンや自営業者ほどメリットが大きくない。老後資金を貯めるためであれば、つみたてNISAのほうがいいかもしれない。

専業主婦の妻はiDeCoに加入するメリットが小さい

iDeCoの特徴である税制メリットは3つある。掛金の全額が所得控除の対象となり所得税と住民税が軽減されること。運用益が非課税になること。そして受け取る時にも控除を受けられるという点である。

iDeCoに加入すると、長期間にわたる資産形成が可能になり、その間、運用益があった場合は非課税のメリットを受けることができる。受給時には、積み立てた資金は退職所得控除、公的年金等控除の対象となる。

ここまでは他の加入者と同様に受けられる節税メリットだ。専業主婦が大きく違うのは、所得がないので納税義務がなく、所得控除というメリットを享受できないという点だ。iDeCo最大のメリットは、掛け金が所得控除の対象になること。専業主婦がiDeCoを選ぶメリットは、納税義務のある人と比べると大きくないのである。

iDeCoの最大のデメリットも夫婦なら解消できる?

iDeCoの最大のデメリットは60歳まで引き出すことができない点だ。積立期間が10年未満の場合、受け取り開始時期は60歳よりさらに遅くなる。仮に何かあって現金が必要になったときに積み立てた資金を引き出したくても不可能で、その資金は日々の家計や他の資産から捻出するしかない。将来の子どもの教育費や住宅ローンの返済など、人生の大きな出費がかさむ40代にとって、このデメリットが与える影響は他の世代よりも大きいと言える。

だがこのデメリットも、夫婦なら抑えることができる。夫がiDeCoで節税メリットを最大限に活かしつつ、専業主婦の妻がつみたてNISAでiDeCoのデメリットを解消すればいいのだ。

iDeCoにはないつみたてNISAのメリットは現金化のしやすさ

つみたてNISAは、日本に住んでいる20歳以上の人なら誰でも利用できる。対象になる運用商品は、金融庁が定めた基準に合致した商品で、低コストで長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託に限定され、投資初心者にも利用しやすい仕組みになっている。

非課税の対象となるのは、投資から得られる収益分配金や売却益などで、いくら儲かったとしても購入後20年間課税されない。専業主婦の非課税投資額の上限は、iDeCoの場合、年間27万6000円だが、つみたてNISAは年間40万円だ。

投資可能期間は2018年から2037年までの20年間と決まっているので、非課税投資額の総額は最大で800万円になる。40歳の人であれば60歳まで20年間なので、非課税期間は同じだ。

iDeCoは加入時に国民年金基金連合会に支払う手数料に加え、口座を維持するための年間手数料が少なくとも2,004円必要になるが、つみたてNISAでは口座開設料、口座維持料は無料だ。

また、iDeCoが積み立てた資金を60歳まで引き出すことができないのに対し、つみたてNISAはどうしてもお金が必要になったとき、いつでも売却して現金にかえることができる。積み立てた投資信託を一部だけ売却することもでき、iDeCoに比べて使い勝手がいい。

老後資金は夫がiDeCo、専業主婦の妻がつみたてNISAでいいとこ取りする

積み立てた資金を取り崩す必要が生じた時に引き出すことができる現金化のしやすさは、iDeCoにはないつみたてNISAのメリットだ。これは人生の三大出費が重くのしかかる40代の子育て世帯には重要なポイントだと言える。

老後資金作りの掛金が捻出できたら、夫のiDeCoの掛金を最大にしてiDeCoの節税メリットを最大限に活かしつつ、専業主婦の妻はつみたてNISAで万が一のときの現金化に備えることが、40代が老後資金を形成するベストな組み合わせと言えるのではないだろうか。

文・藤原洋子(ファイナンシャル・プランナー)
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