こんなに手厚い「健康保険」制度!民間の医療保険に入る必要なし?

2018.9.28
運用・家計
(写真=Krisda Ponchaipulltawee/Shutterstock.com)
(写真=Krisda Ponchaipulltawee/Shutterstock.com)
日本では国民皆保険制度により、すべての国民が公的医療保険に加入し、誰でも安心して医療が受けられる。所得や年齢によって医療費の自己負担分が定められているなど、手厚い給付の内容を確認しておこう。

健康保険を簡単に分類すると……

医療保険制度は、「職域保険」と「地域保険」に大別できる。職域保険には、一般のサラリーマンとその扶養家族を対象とする「健康保険」、公務員とその扶養家族を対象とする「共済組合」、船員とその扶養家族を対象とする「船員保険」がある。

地域保険としては、市区町村が運営する「国民健康保険」があり自営業者や退職者などが対象になる。75歳になると全員が「後期高齢者医療制度」に加入することになる。

負担金は1~3割と一部で済む「療養の給付」

公的医療保険は、業務以外で病気やケガをした場合の治療が対象だ。「療養の給付」は保険給付の種類のうちの一つ。

一部負担金のみで治療を受けられ、患者負担は年代によって異なる。義務教育就学前の場合はかかった医療費全体の原則2割、義務教育就学後から69歳までは原則3割、70歳から74歳までは原則2割だ(現役並み所得者は3割)、75歳以上は原則1割(現役並み所得者は3割)となり、残額は各医療保険から支払われる。

医療費が高くなると払い戻しが受けられる「高額療養費」

突然の入院・手術などで高額な医療費が必要になった場合に備えて、民間の医療保険に加入している人は多いだろうが、公的医療保険では1ヵ月の医療費が高額になると、自己負担限度額を超えた分はあとで払い戻しを受けることができる。

70歳未満の人の場合、標準報酬月額により自己負担限度額が5つの区分に分けられる。標準報酬月額が53~79万円の人は、保険が適用される前の診療費用の総額のうち558,000円までの3割と超えた分の1%を合計した金額が自己負担限度額になる。

100万円の医療費がかかった場合窓口での支払は30万円であるが、高額療養費の適用により実際の医療費の自己負担は17万1,820円となり差額は還付される。

1ヵ月の医療費は、職域保険の場合被扶養者の医療費を合算できる場合がある。また直近12ヵ月間に4回以上高額療養費の払い戻しを受ける場合、4回目から自己負担限度額が引き下げられる。

病気やケガの療養で仕事を休んだ時の保障「傷病手当金」

傷病手当金は健康保険、共済組合、船員保険の被保険者が病気、ケガの療養のために休業した場合の生活保障を行う制度だ。

連続した3日間の休業の後4日目から最長1年6ヵ月(船員保険は最長3年間)給付される。支給日額は支給開始以前12ヵ月の各月の平均額を30(共済組合は22)で割った額の2/3となる。

1年間の医療費が10万円を超えるなら受けられるかも?「医療費控除」

1年間の医療費が一定以上かかると、超えた部分について所得控除を受けられる。

対象は生計を一にする世帯の医療費で、その年の1月から12月までの合計額から、生命保険の契約や高額療養費などの給金と10万円(例外あり)を差し引いた金額だ。ただし200万円という限度がある。

医療保険への加入が必要な場合

公的な保険制度が手厚いことが分かったと思うが、それなら民間の医療保険は不要なのだろうか?

そうとはいえないだろう。通院のためのタクシー代、入院時の食事代、個室に入院した場合の差額ベッド代などは高額療養費の対象外、先進医療の技術料は公的医療保険の対象外である。教育費や住宅購入費のための預貯金を使わなくて済むように、必要な保険を検討しておきたい。

文・藤原洋子(ファイナンシャル・プランナー)

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