「楽天プレミアムカード」は限定の選べる優待や、1年間無料のサービスなどポイント還元の仕組みが豊富なクレジットカード。他にもプライオリティ・パスも付帯するなど楽天系のクレジットカードの中でも充実したサービスを誇る。年会費1万1,100円のこのカードを持つ魅力を詳しく解説していこう。

目次
1,楽天プレミアムカードの魅力
2,楽天系のクレジットカードの4グレード解説
3,楽天プレミアカードのポイント還元率
4,年会費の元を取るための年間利用額をシミュレーション
5,トラベル・エンタメ系のサービス プライオリティ・パスも無料
6, 楽天プレミアムカードの付帯保険
7,どんな人が持つとお得なのか?

1,楽天プレミアムカードの3つのメリット

まずは「楽天プレミアムカード」の主だったメリットをピックアップしていこう。

メリット1,基本還元率1%で、楽天市場利用なら最大6%還元
メリット2,世界中1200以上の空港ラウンジが無料利用できるプライオリティ・パス付帯
メリット3,海外旅行保険の自動付帯あり

ポイント還元と海外旅行サービスに強みがあるこのクレジットカード。それでは一体どういったカードなのか詳しく紹介していく。

2,楽天系のクレジットカード4グレードを紹介 一般、ゴールド、プレミアム、ブラック

「楽天プレミアムカード」自体を解説する前に、楽天カードのグレードや、還元率など共通する特徴を紹介しよう。

楽天カードは2018年度JCSI(日本版顧客満足度指数)調査において、クレジットカード業種顧客満足で10年連続の第1位を獲得している。楽天市場をはじめとする楽天グループのさまざまなサービスの利用で圧倒的にポイントが貯まる仕組みと、年会費無料の一般カードにも最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯するというスペックが評価された結果だろう。

楽天カードには大きく分けて4段階のグレードがあり、

「楽天カード」

「楽天ゴールドカード」

「楽天プレミアムカード」

「楽天ブラックカード」

の順にグレードが高くなる。この並びだと「楽天プレミアムカード」は楽天系クレジットカードの内ではプラチナグレードに当たることとなる。

4つのカードグレードの基本スペックを比較

次の4つある楽天カードの基本的なスペックを比較してみよう。
 

カード名 年会費 国際カード
ブランド
利用可能額 空港
ラウンジ
付帯保険 ETC
カード
楽天カード 無料(本会員
家族会員)
Visa、
MasterCard、
JCB、
アメックス
最高
100万円
最高2,000万円の海外旅行傷害保険 540円
(税込)
楽天ゴールド
カード
2,200円(税込)
家族カード550円(税込)
Visa、
MasterCard、
JCB
最高
200万円
国内主要
空港ラウンジ
最高2,000万円の海外旅行傷害保険 年会費無料
楽天プレミアム
カード
1万1,000円(税込)
家族カード550円(税込)
Visa、
MasterCard、
JCB、
アメックス
最高
300万円
プライオリティ・パス
国内主要空港ラウンジ
海外・国内旅行最高5,000万円の傷害保険
最高300万円のショッピング保険
年会費無料
楽天ブラック
カード
3万3,000円(税込)
家族カード無料(2名まで)
MasterCard、
JCB、
アメックス
300万円~
1,000万円
プライオリティ・パス(同伴2名まで無料)
国内主要空港ラウンジ
海外最高1億円・国内最高5,000万円の旅行傷害保険
最高300万円のショッピング保険
年会費無料

ゴールドやプレミアム、ブラックは他のカードに比べると、どのような内容になっているのだろうか。一般的なゴールドやプラチナグレードのクレジットカードと比較し、それぞれ見ていこう。

楽天ゴールドカード

楽天ゴールドカードは一般カードの特典・サービスを強化したもの、あるいは廉価版ゴールドカードという位置づけだ。一般カードに国内空港ラウンジサービスを追加したものと考えてもいいだろう。

楽天プレミアムカード

楽天プレミアムカードは上記の並びだとプラチナカードにあたるグレード。しかし実際には楽天プレミアムカードは他社ゴールドカードとプラチナカードの中間に相当する特典・サービス内容だ。

楽天ブラックカード

楽天ブラックカードはプラチナカード以上のグレードとされる“ブラック”の名を冠してはいるものの、実際には他社プラチナカード相当の内容。事実、楽天ブラックカードのMasterCardブランドとJCBブランドのカードフェイスには「PLATINUM」の文字が入っており、プラチナグレードであることが示されている。

3,「楽天プレミアカード」のポイント還元率は最大で6%!その他楽天系カードと比較

楽天カードを選択する人の多くが重視するのは、楽天市場でポイントが貯まりやすいことだろう。ここからは楽天プレミアムカードを含めて楽天系のクレジットカードのポイント還元率を紹介する。

通常利用の還元率

貯まるポイントは楽天スーパーポイント。他社ポイントへはANAマイルにしか移行できないが、楽天市場をはじめとする楽天グループの多種多様なサービスの支払いに充当できるため、楽天系のサービスを普段から利用している人なら使い道がなくて困ることはない。電子マネー・楽天Edyに交換すれば街なかの店舗での利用も可能だ。

楽天カード、楽天ゴールドカード、楽天プレミアムカード、楽天ブラックカードではいずれもポイント還元率は1%。クレジット利用100円につき楽天スーパーポイントが1ポイント(1円相当)貯まる。

楽天市場を利用時の還元率を比較

高還元率カードと言って良い水準だが、楽天市場で利用すると楽天市場の利用分として1倍分がプラスされる。

さらにカードごとに設定された倍付分ポイントも加算される。倍付分ポイントは楽天カードで1倍、楽天ゴールドカードと楽天プレミアムカード、楽天ブラックカードで3倍となる。つまり楽天カードはポイント還元率が3%、そのほかのカードは5%になる。この超高還元率こそが楽天カードの最大のメリットだろう。
 

カード別のポイント還元率

カード名 クレジット利用
(通常ポイント)
楽天市場での
利用
楽天カード 1% 3%
楽天ゴールド
カード
1% 5%
楽天プレミアム
カード
1% 5%
(楽天市場コース選択で6%)
楽天ブラック
カード
1% 5%

ただし、クレジット利用ポイント1倍と楽天市場利用ポイント1倍以外は期間限定のポイント。楽天EdyやANAマイルへの交換はできないため、注意が必要だ。楽天プレミアムカードで言うと、3倍のポイントが期間限定ポイントとなる。

楽天プレミアムカードでポイント還元率をアップする方法 限定&無料優待も

なお、楽天プレミアムカードには「選べるサービス」という仕組みがあり、3つのコースから1つを選べる。

コース1,「楽天市場コース」
ポイントがさらに1倍(期間限定ポイント)加算され、合計でポイント6倍、ポイント還元率にして6%

コース2, 「トラベルコース」
では楽天トラベルの利用時にポイント最大3倍。空港・自宅間の手荷物宅配が無料になるクーポンや国内宿泊の優待サービスも付帯

コース3,「エンタメコース」
Rakuten TVと楽天ブックスの利用時にそれぞれ1倍(期間限定ポイント)が加算

自分のライフスタイルにマッチしたコースを選ぶことでよりポイントを効率的に貯めることが可能だ。

そのほか楽天プレミアムカードには、誕生月に楽天市場、楽天ブックスを利用すると1倍のポイント(期間限定ポイント)が加算、「楽天市場コース」を選択のうえで楽天市場を利用すると、誕生月は最大7倍ポイントになる。

自分の消費スタイルに合ったコースを選ぶことで、より効率的にポイントを貯めることができるはずだ。

ポイント還元率がさらにアップ!年会費3,900円(税込)の「楽天プレミアム」が1年間無料!

他にも「楽天プレミアムカード」のポイント優待で注目したいのは、「楽天プレミアム」というサービスが1年間無料で付帯するということだ。

カード名と似ていて混同しそうになるが、「楽天プレミアム」のサービス会員になると会員限定クーポンや楽天グループでの優待が提供される。また楽天市場の送料分相当がポイントで還元されることも大きなメリット。年に数回楽天市場を利用する人なら年会費分の元はすぐに取れるだろう。

このサービスは楽天プレミアムカードを持っていなくても利用できるが、通常年会費として3,900円(税込)が必要となる。楽天プレミアムカードでは入会後1年間、この楽天プレミアムが無料で付帯。

なおこの楽天プレミアム1年間無料特典は、楽天プレミアムカードと楽天ブラックカードだけの特典となっている。

4,「楽天プレミアムカード」の年会費の元を取るための年間利用はいくら?

この楽天プレミアムカードを検討するうえで気になるのはやはり、ポイント加算分で年会費の元が取れるかどうかという点だろう。年会費無料の一般カードである楽天カードと比較し、いくら以上使うと年会費の元が取れるのか。損益分岐点をシミュレーションした。

なお、楽天グループや楽天ポイント加盟店以外の利用では共に1%のポイント還元率のため、楽天市場の利用分だけで考え、楽天プレミアムカードの誕生月のポイントアップ特典については計算に入れていない。

「楽天市場コース」を選んだ場合は年間約37万円の利用

まず楽天プレミアムカードの「選べるサービス」で「楽天市場コース」を選んだケースで考えよう。
 

カード名 年会費 ポイント
還元率
37万円利用分
獲得ポイント
楽天カード 0円 3% 1万1,100
ポイント
楽天プレミアム
カード
1万1,000円 6% 2万2,200
ポイント

楽天プレミアムカードの楽天市場利用分のポイント還元率は6%。年会費1万1,000円を考慮すると、楽天市場においてだいたい年間37万円のクレジット利用を超えたところから、楽天プレミアムカードのほうが、楽天カードよりもポイントの点で有利になる。月に換算すると約3万利用ということだ。

なお、楽天スーパーポイントには楽天グループの利用によりポイントアップされるSPU(スーパーポイントアッププログラム)という仕組みがあり、そちらもぜひ有効に活用したい。

他にも、ポイントアップの方法として、カード利用代金の引き落とし口座を楽天銀行に指定すると、楽天市場利用分に1倍分のポイントが加算される特典も用意されている。「楽天市場コース」で、この特典を利用すると合計で7%のポイント還元率。さらに楽天市場アプリを使って買い物すると0.5倍分のポイントアップになるので、最高で7.5%まで還元率を引き上げられる。

「トラベルコース」「エンタメコース」の場合は年間約43万円利用

次に楽天プレミアムカードの「選べるサービス」で「楽天市場コース」以外を選んだケースを考えてみよう。
 

カード名 年会費 ポイント
還元率
43万円利用分
獲得ポイント
楽天カード 0円 3% 1万1,100
ポイント
楽天プレミアム
カード
1万1,000円 5% 2万1,500
ポイント

楽天市場利用分のポイント還元率は、楽天カードで3%、楽天プレミアムカードで5%となる。だいたい年間で43万円以上のクレジット利用をすると、年会費分のポイントを獲得できる。

つまり楽天市場で月3万6,000円以上クレジットカード利用をする人は、楽天カードよりも楽天プレミアムカードの方がお得ということだ。

5,プライオリティ・パスも無料付帯!トラベル・エンタメ系のサービスを紹介

ポイント還元だけではなく、トラベル系の特典・サービスも充実しているのが「楽天プレミアムカード」の特徴だ。

プライオリティ・パス無料で空港ラウンジも使える

このカードの特典で最大の目玉ともいえるのが、世界の空港ラウンジを利用できるプライオリティ・パスだ。これは他社プラチナカード相当の特典といっていいだろう。

「プライオリティ・パス」とは世界143ヵ国500以上の都市や地域で1,200ヵ所以上の空港ラウンジを無料利用できる会員制サービス。通常429米ドルの会員資格を無料で取得できるため、これだけですでにこのカードには年会費以上の価値がある。なお、同伴者は1名1回につき3,000円(税別)で利用可能。

国内空港ラウンジの無料利用サービス

国内主要空港とハワイ・ホノルル、韓国・仁川の空港ラウンジを無料で利用できる。
 

国内空港ラウンジサービス対象空港

新千歳空港 函館空港 青森空港 秋田空港 仙台国際空港
新潟空港 富山空港 小松空港 成田国際空港 羽田空港
(国内線)
中部国際空港
セントレア
富士山
静岡空港
関西国際空港 伊丹空港 神戸空港
岡山空港 広島空港 米子
鬼太郎空港
山口宇部空港 出雲縁結び空港
高松空港 松山空港 徳島阿波
おどり空港
福岡空港 北九州空港
大分空港 長崎空港 阿蘇くまもと空港 鹿児島空港 那覇空港
ハワイ/
ダニエル・K・イノウエ国際空港
韓国/
仁川空港

海外旅行をサポートしてくれるトラベルデスク

世界38拠点の現地デスクで、パスポートカードの紛失など緊急時の対応のほか、現地観光情報の紹介、レストランやオプショナルツアーの予約に対応する。

その他トラベル関係の特典・サービス

そのほか楽天カード共通の特典となるが

  • 空港でのWi-Fiレンタル
  • 手荷物宅配
  • 防寒具一時預かりサービス
  • 海外レンタカー
  • 海外お土産宅配サービス

    の優待を受けられる。また、ハワイ・ワイキキの中心部にある楽天カードラウンジ(Tギャラリア ハワイ by DFS内、2019年8月にアラモアナセンターにもラウンジがオープン)を無料で利用できる。

アメックスの特典も受けられる

国際カードブランドにアメックスを選択した場合「アメリカン・エキスプレス・インバイツ」が利用できる。世界400店以上のレストランや各種ショップで優待を受けられるほか、エンターテインメントチケットの先行販売や各種イベントの舞台裏訪問などが適用される。

6,楽天プレミアムカードの付帯保険 最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険

ポイント以外の特典も見ていこう。楽天プレミアムカードには最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険と、最高300万円のショッピング保険(動産総合保険)が付帯する。

海外旅行傷害保険

傷害死亡・後遺障害保険金として最高5,000万円が補償されるが、内訳は旅行代金をこのカードで支払ったかどうかに関係なく付帯する自動付帯分が4,000万円、このカードで支払ったときだけ付帯する利用付帯分が1,000万円となる。

なお、この保険は現地医療機関で代金を支払うことなく治療を受けられるキャッシュレス診療に対応しているが、家族にも保険が適用される家族特約はない。
 

海外旅行傷害保険の内容

補償内容 保険金額
(傷害)死亡・
後遺障害
合計:最高5,000万円
(うち自動付帯分4,000万円、
利用付帯分1,000万円)
傷害治療
費用
自動付帯300万円
疾病治療
費用
自動付帯300万円
賠償責任 自動付帯3,000万円
携行品
損害
合計50万円(うち自動付帯分30万円、利用付帯分20万円)
1点または1対あたり10万円限度
免責金額3,000円
救援者
費用
自動付帯200万円

国内旅行傷害保険

旅行代金をカードで支払ったかどうかに関係なく、国内旅行中の事故などに対して保険が適用される。傷害死亡・後遺障害保険金は最高5,000万円の補償が付くが家族特約は付帯しない。
 

国内旅行傷害保険の内容

保険金の種類 保険金額
傷害死亡保険金 5,000万円
傷害後遺障害
保険金
最高5,000万円
傷害入院保険金 日額5,000円
傷害手術保険金 5万円(入院中)
2万5,000円(入院中以外)
傷害通院保険金 日額3,000円

ショッピング保険(動産総合保険)

楽天プレミアムカードで購入した商品(1個1組1万円以上)について、購入日より90日以内に偶然の事故(破損、盗難、火災等)で生じた損害に対して最高300万円まで補償。

7,海外旅行の多い人には年会費以上のメリットがあるカード

楽天プレミアムカードはプラチナカードとして見た場合、付帯保険の保証金額、特典・サービス、エンターテインメントやグルメ関係の優待面では少し物足りない印象がある。

しかし楽天市場でポイントが圧倒的に貯まる点、プライオリティ・パスが付帯するのは大きな魅力。日常のショッピングで効率的にポイントを貯めてお得に過ごしつつ、年に1~2回行く海外旅行では快適にすごしたいという人には、年会費以上の価値があるクレジットカードと言えるだろう。

文・モリソウイチロウ(ライター)
 

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