老後の住まいはマンション?戸建て? 老後を見据えた住まい選びのポイント

2019.10.11
FINANCE
(写真=fizkes/Shutterstock.com)
(写真=fizkes/Shutterstock.com)
老後の住まいはマンションがいいか、戸建てがいいか。意見が分かれるところだ。特に住まいの購入を検討している30代、40代にとっては大きな問題だろう。当面は家族みんなで一緒に過ごすための場所だが、ゆくゆくは夫婦だけで暮らす可能性もある。老後まで見据えた、失敗しない住まい選びのポイントとは何だろうか。

60代になるとマンションを購入する人の割合が高い

分譲戸建て住宅と分譲マンションの購入者の年代を比較すると、戸建ての購入者のうち40代が25.3%、50代が8.2%、60代が6.3%だった。マンション購入者は、40代が26.4%、50代が13%、60代が15.5%となっている。(国土交通省の平成29年度住宅市場動向調査報告書より)

40代では戸建て派とマンション派の割合がほぼ同じであるのに対し、年代が上がるとマンションを購入する人の割合が増えていく。理由はいろいろあるだろうが、年齢を重ねて階段の昇り降りに負担を感じるようになることも一因だろう。

セキュリティ面でも、戸建てよりマンションのほうが安心できる要素は多い。一般的にマンションよりも戸建てのほうが窓やドアが多いため、その分空き巣などが侵入しやすいからだ。2階以上の部屋で、オートロック機能があるマンションなら、より安全性が高い。

しかし、マンションにもデメリットはある。戸建てと違い、マンションの場合は毎月管理費や修繕積立金を払う必要がある。老後の生活を考えると、毎月2~3万円程度の出費は負担が大きいだろう。隣や上下の住人との騒音トラブルなども考えられる。戸建てとマンションのメリット・デメリットを踏まえて、購入を検討すべきだ。

老後の住まいにあると安心な4つの設備

老後も無理なく住み続けるためには、どのような設備があれば安心だろうか。あると便利な住まいの設備は、主に以下の4つだ。

(1)浴室などの手すり

トイレや浴室など立ったり座ったりする場所や、廊下などには手すりがあると安心だ。高齢の両親が遊びに来たときなどに喜ばれるだろう。

(2)段差のない室内

高齢になると、階段だけでなく部屋や浴室の出入口などのちょっとした段差にもつまずきやすくなる。転倒が大きなけがにつながることもあるため、なるべく段差の少ない物件を選びたい。子どものけがの防止にもつながるだろう。

(3)十分な廊下の幅

老後に車椅子を利用することになった場合、廊下の幅は80センチメートル以上必要だ。今は車椅子を利用していなくても、廊下の幅は広いに越したことはない。

(4)浴室などの暖房設備

エアコンはもちろん必要だが、冬場の室内との温度差を考えると、浴室やトイレにも暖房設備があると安心だ。室内でも気温差の大きいと血圧が急激に変化するため、心肺機能の低下した高齢者は心筋梗塞や脳梗塞になりやすい。高齢者でなくとも、浴室やトイレに暖房設備があれば、冬場も快適に過ごせるだろう。

これらの設備は、購入したときにはなくても、リフォーム工事で追加することもできる。よって工事ができるかどうか、購入時に確認しておくと安心だ。建物の構造によっては、希望通りにリフォームできないこともある。

老後を見据えた住まい選びは周りの環境と売却の可能性も考慮

老後を見据えた住まい選びでは、周囲の環境もしっかり確認したい。スーパーやドラッグストア、病院などが歩いて行ける距離にあると、老後は暮らしやすい。

交通の便も確認しておこう。高齢になると車の運転が難しくなるため、電車の駅やバス停まで徒歩で行ける場所が望ましい。

住まいを売却しやすいかどうかも大きなポイントだ。子どもが建てた家に住んだり、老人ホームに入居したりした場合、住まいの売却が必要になることも考えられる。住まいを売却しやすい立地や間取りであるか、また売却できた場合にはどのくらいの価格になるかなど、購入時に不動産会社やFPにシミュレーションを依頼するといいだろう。国土交通省の「土地総合情報システム」というサイトでも、自分の物件と似た物件がいくらで売れているかを確認できるため、参考にしてほしい。

老後の資金不足を住まいで解消する「リバースモゲージ」とは

住まいを購入したいが、老後に必要な生活資金などのことも考えるとなかなか購入に踏み切れないという人もいるかもしれない。そのような場合に使えるのが、「リバースモーゲージ」という制度だ。

「リバースモーゲージ」は、住まいを担保にして借入をする仕組みだ。契約者の死亡後、マイホームを売却して一括返済する。家に住みながら資金を借り、直接返済する必要がないの魅力だ。

リバースモーゲージの対象になるのは、売却価格の高い、つまり資産価値の高い物件だ。多くの場合、評価の中心は土地になる。そのため、マンションの一室などはリバースモーゲージの対象になりにくい。リバースモーゲージを検討するなら、住まいは戸建てを選んだほうがいいだろう。

戸建ての中でも、円滑な売却が見込める都心部の戸建てがリバースモーゲージの対象になる傾向にある。都心部やその郊外、地方でも利便性の良い場所を選ぶと有利だ。

住まい選びは老後を見据えて行うほうが失敗しにくい

老後の住まいはマンションと戸建てのどちらがいいのか、という議論に正解はない。それぞれのライフスタイルによって結論は異なるからだ。

老後に戸建てからマンションへ買い替えたり、子どもに贈与してサービス付き高齢者住宅に移ったりするという選択肢もある。住まいを購入する際は、当面のライフイベントや資金繰りに注目しがちだが、老後のことも考慮した選び方ができれば長く住める家になるはずだ。

文・国分さやか(CFP®)
 

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