老後資金を保険で貯める「貯蓄型保険」の5つの種類 向いている人やリスクは?

2019.9.22
FINANCE
(写真=YAKOBCHUK VIACHESLAV/Shutterstock.com)
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公的年金と退職金だけでは老後の生活費が不足するといわれているが、銀行に貯金しているだけでは増えていかない。株や投資信託などは高い利回りが期待できる一方で元本割れをする可能性もある。もう少し手堅く貯めたいというとき、考えられるのが貯蓄性のある保険商品だ。

「貯蓄型保険」は貯蓄と保険が同時にできる保険

保険には大きく分けて掛け捨て型と貯蓄型の2種類がある。掛け捨て型保険には満期保険金がなく解約した場合もお金は戻ってこない。その分、割安な保険料で万が一のときに大きな保障を得られるのが特徴だ。一方、貯蓄型保険を解約した場合は解約返戻金を受け取ることができるうえ、保険期間の満了時に満期保険金を受け取れるものもある。

この解約返戻金や満期保険金を将来の老後資金などに活用することも可能だ。また生命保険に入ると生命保険料控除や個人年金保険料控除で、所得税・住民税を軽減することができる。その点を考慮すれば、銀行などでの一般的な預貯金より有利に貯蓄できる一面があるだろう。

老後の資金を保険で貯めるのに向いているのは貯蓄が苦手な人

貯蓄型保険は、長く保険料を支払い続けることができる、ある程度金銭的に余裕のある人に向いている。貯蓄型保険には解約返戻金があるとはいえ、早い時期で解約した場合には既払込保険料(それまでに支払った保険料合計額)よりも解約返戻金が少なくなるのが一般的だ。

また貯蓄型保険は貯蓄が苦手な人にも向いている。元本割れを避けるため、当分解約できないと考えれば、保険料を支払い続けなければならない。保険料の支払いを月払いかつ口座振替にしておくと保険料は毎月自動的に引き落とされるため、貯蓄を続けやすいだろう。

老後資金を貯蓄できる保険の5つの種類

では老後資金を貯蓄できる保険にはどのような種類があるのだろうか。それぞれの保険の内容とメリット・デメリットを紹介する。

低解約返戻金型終身保険……保険料が割安だが払込期間中に解約すると元本割れになる

終身保険は、死亡・高度障害補償が一生涯続く保険だ。途中で解約した場合には、解約返戻金を受け取れる。一方、低解約返戻金型終身保険は保険料払込期間中の解約返戻金を低く抑えることで、一般の終身保険より保険料が割安なことが特徴だ。保険料を払い終われば、一般の終身保険と同程度の解約返戻金を受け取れる。

<メリット>
  • 保険料払込期間後に解約すれば、一般の終身保険に比べて保険料が安い分お得に解約返戻金を受け取れる
<デメリット>
  • 保険料払込期間中に解約すると、解約返戻金が少なく元本割れとなる

個人年金保険……契約者が亡くなった後も遺族へ給付がある

保険料を一定期間支払うことで、契約時に定めた年齢から年金を受け取ることができる保険である。年金受取期間が決まっている有期年金、契約者が受取期間中に亡くなった場合でも保障期間中は受取が確定している確定年金、一生涯受け取ることができる終身年金などがある。

<メリット>
  • 年金の受取開始前に死亡した場合は、遺族に死亡給付金が支給される
  • 年金受取期間中に死亡した場合、確定年金なら遺族が残りの年金を受け取ることができる
<デメリット>
  • 年金の受取開始前に解約すると、解約返戻金が少なく元本割れとなる可能性が高い

貯蓄型医療保険……保険料はやや割高だが保障と貯蓄が同時に得られる

医療保険は掛け捨てのものが多いが、貯蓄型医療保険では解約時や満期時に解約返戻金や満期保険金を受け取れる。なかには、途中で保険金を受け取らなかった場合、払い込んだ保険料を全額受け取れるという商品もある。

<メリット>
  • 医療保障と貯蓄機能を同時に得られる
<デメリット>
  • 一般の医療保険と比較すると保険料が割高になる
  • 早期に解約した場合、解約返戻金が少なく元本割れとなる可能性が高い

外貨建て保険……為替相場によっては返戻金が増えることも

契約者が支払った保険料を保険会社が外貨で運用する保険。日本より金利の高い外貨で運用するため、保険料が割安になっており、終身保険や個人年金保険などがある。解約返戻金や満期保険金の額は金利変動の影響を受けるため増減する可能性があるが、最低保証金利がある商品もある。

<メリット>
  • 高い金利で運用できるので、ある程度の期間保険料を支払っていれば、解約返戻金などの受取額が多くなる可能性がある
  • 外貨を円に交換する際に契約時よりも円安であれば、為替差益で解約返戻金などの受取額が当初の受取予想額より増えることがある
<デメリット>
  • 外貨を円に交換する際に契約時よりも円高であれば、為替差損で解約返戻金などの受取額が当初の受取予想額より減ることがある
  • 為替手数料など費用がかかる

変額保険……投資性が高くインフレリスクに強い

保険会社が投資信託などで契約者が支払った保険金を運用し、運用実績に応じて満期保険金や解約返戻金が変動する保険である。通常の保険に比べ、投資性が高い。変額保険には「終身型」と「有期型」があり、終身型は死亡や高度障害に対する保証が一生涯続く。有期型は保険金の払込期限があり、満期を迎えた場合には満期保険金が受け取れる。

どちらの場合も死亡・高度障害の保険金額は一定額が保障されており、運用成果が上がれば一定額にプラスして変動保険金も受け取れる。解約返戻金や満期保険金は一定額が保障されていないので、運用実績により受取額が増減する形だ。また固定金利型の保険の場合、将来的に物価が上がっても受け取ることができる金額は変わらない。

そのためインフレリスク(物価の上昇により、金融商品の価値が低減するリスク)がある。しかし変額保険は物価の上昇に伴い、価格が上昇しやすい株式などで運用しているため、インフレに強い傾向だ。

<メリット>
  • 運用実績が良ければ、満期保険金や解約返戻金、死亡時の保険金を多く受け取ることができる
  • インフレに連動し価格が上昇する可能性の高い株式や投資信託などを運用しているため、インフレに強い
<デメリット>
  • 運用実績が悪ければ、解約返戻金や満期保険金が払込保険料より少なくなる
  • 投資信託の管理・運用に必要な運用関係費などの費用が年率0.2~1.5%程度かかる

保険を貯蓄に利用する際の3つの注意点 返戻金の元本割れ、保険料、インフレリスク

どの保険も早期に解約すると解約返戻金が少なく元本割れする可能性が高い。また掛け捨ての保険と異なり、保険会社から解約返戻金や満期保険金を払い戻すため、月々の保険料が高いことにも注意が必要だ。そして固定金利の保険はインフレリスクがあることも覚えておきたい。満期や解約返戻金が払込保険料を上回るまで長期的に保険料を払い続けられるならば、通常の預貯金より貯蓄型保険のほうが有利だろう。

保険会社や商品によって解約返戻金が払込保険料を上回る期間や保障内容は異なっているため、自分に合ったものをしっかり見極めて老後の資金作りに活用しよう。

文・MONEY TIMES編集部
 

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