海外ではお釣りを投資に回すのがブームになっています。

フィンテック系の企業がマネー系のアプリを開発しており、投資に馴染みのない若い世代をメインターゲットにしたことで、お釣り投資が普及しました。

そして海外でのお釣り投資のブームは日本にまで波及しています。

投資は若い世代にとっては、まだまだまとまった資産が必要なためハードルが高いことに感じられるかもしれません。

しかし普段、使い慣れているスマートフォンからお釣りで気軽に投資できるなら、やってみたいと感じる人も多いのではないでしょうか。

お釣りを気軽に投資に回せるカジュアルな投資から資産運用の世界を知ることで、投資になれていく若い世代が今後も増えていきそうです。

海外でもブームのお釣り投資とは

お釣り投資とは、一般的にはスマートフォンのアプリにクレジットカードや電子マネーを紐づけして1000円、2000円など、きりの良い単位で支払いをして残った端数の額を資産運用に回す投資法です。

お釣りを運用資金に回すため、投資を気軽にはじめやすいのが特徴です。

ネット証券のブームによって、株式投資は誰でも気軽にはじめやすくなりました。

しかし、それでもまとまった資産がなければ運用しても仕方がないのではと考える人や、パソコンが使えずスマートフォン中心の生活をしている人も多いのです。

そして資産運用の主役は日本ではやはり高齢者です。

実際に投資関係の有名なセミナーに足を運ぶと中高年が多く、若い世代はまだまだ少ないのが現状です。

しかしお釣り投資なら心理的にも気楽にはじめられますし、損をしてもお釣りを使っただけだからと割りきることもできます。

若い人や投資に馴染みのない人が投資をはじめるきっかけにも良いのではないでしょうか。

ミレニアル世代をターゲットにしたお釣り投資

海外のフィンテック企業が最初にお釣り投資を普及させるためにターゲットにしたのはミレニアル世代でした。

海外でも若い世代は投資に対してハードルを感じる層は多かったのです。

若い世代は、いわゆるスマホネイティブの世代です。

そのためスマートフォンと親和性の高い投資アプリが普及する下地は整っていました。

そして日本よりもキャッシュレスでの支払いが当たり前だったことも普及の追い風となりました。

海外のお釣り投資アプリ

お釣り投資アプリのブームの火付け役になったのがAcorns(エイコーンズ)とMoneybox(マネーボックス)です。

それぞれ米英でお釣り投資アプリの代表格として支持されています。

Acorns(エイコーンズ)

Acorns(エイコーンズ)はアメリカ発のお釣り投資アプリです。

カリフォルニアのフィンテック企業が開発し、リリースしました。

Acornsはクレジットカードやデビットカードと紐づけし、買い物をするたびにお釣りを貯めていきます。

そしてお釣りをAcornsが提供するリスクに応じたポートフォリオにあてる資金とします。

例えば、リスク許容度の低いプランならば国債や社債を中心としたポートフォリオを組み、許容度の高いプランなら大企業の個別株や中小企業の株、新興市場の株なども積極的にポートフォリオに組み込みます。

Acornsのユーザー層の75%以上が18歳から35歳程度の若者です。

AcornsのCEOのNoah Kerner氏は、投資を富裕層だけのもにせず誰でも投資をできるようにするという理念のもとでAcornsを創業しました。

年々、Acornsのユーザー数は伸びており投資家の裾野を広げています。

参考:Acorns公式サイト

Moneybox(マネーボックス)

Moneyboxはロンドンのフィンテック企業が運営するお釣り投資サービスです。

英国在住の18歳以上の人を対象にしたお釣り投資アプリとしてスタートしました。

他のお釣り投資アプリと同じく、普段の買い物で支払うお釣りを投資資金にあてます。

MoneyboxでもAcornsと同様にリスク許容度に応じて複数のポートフォリオから選んで投資できます。

参考:Moneybox公式サイト

日本のお釣り投資アプリ

日本のお釣り投資アプリもアメリカのAcornsやイギリスのMoneyboxと同じような仕組みになっています。

米英で若者を中心にユーザー数を伸ばしているお釣り投資アプリのブームは、すぐに日本にも上陸しました。

トラノコ

トラノコは海外のお釣り投資アプリと同様に支払い時に端数となったお釣り運用資金に回します。

AcornsやMoneyboxと同じくリスク許容度に応じた複数のポートフォリオから選び投資をします。

日本でも広く普及しているマネーフォワードやZaimなどの家計簿アプリなどとも連携できます。

普段、家計簿アプリを使っている人には特に使いやすいのではないでしょうか。

参考:トラノコ公式サイト

マメタス

マメタスはウェルスナビ社が運営するお釣り資産運用アプリです。

マメタスも他のお釣り投資アプリと同様、支払いの端数を運用資金に回します。

マメタスが特徴的なのは、資産運用をロボアドバイザーが行うところです。

ロボアドバイザーがポートフォリオを自動的に組んで投資をするため、投資に時間を割けない人やポートフォリオを組むの誰かにを任せたい人にはおすすめです。

参考:マメタス公式サイト

お釣り投資のメリット・デメリット

お釣り投資にもメリットとデメリットがあります。

結論からいえば、お釣り投資は手軽ですが、本格的に自分でポートフォリオを組んで積極的に投資をしたい投資家にはお釣り投資は物足りないのです。

お釣り投資のメリット

お釣り投資のメリットは、まとまった資金を用意せずに気楽に投資をはじめられるところです。

また普段の買い物のお釣りを使っているだけと考えると、運用に対する心理的なハードルも低いのではないでしょうか。

お釣り投資のデメリット

お釣り投資は気軽にはじめることができるものの、デメリットもあります。

特に本格的に投資をしたい場合は投資対象の選択肢の少なさや自由度の低さに不満がでる可能性があります。

お釣り投資では限られた投資信託やファンドにしか投資できないことが普通です。

手数料体系もネット証券などより選択肢も少ないため、結果的には手数料負担も大きくなってしまう可能性が高いのも気になるところです。

例えばトラノコならば月額手数料が300円発生します。

ネット証券なら口座管理の手数料は無料です。

マネタスならば運用手数料が1%です。

しかしネット証券には運用手数料が1%をきるファンドもたくさんあります。

お釣り投資は自分で考えて選べる部分が少ないため、投資初心者が投資を体験してみる入口には良いのですが、投資に慣れてきた人や投資の中上級者には物足りなく感じてしまうでしょう。

また普段からキャッシュレスでの支払いに慣れていないと使えないことも、人によってはデメリットです。

本格的に投資をするならやはりネット証券

本格的に投資をするならネット証券がおすすめです。

ネット証券ならば国内株、外国株、投資信託、コモディティ、為替など様々なアセットを対象に投資できます。

手数料の選択肢もネット証券の方が豊富です。

ネット証券ならパソコンだけではなくスマートフォンからでも投資できるネット証券が主流のため、普段パソコンを使わない人でもスマホ経由で投資が可能です。

お釣りを自分で貯めてネット証券での運用資金にしてしまう方が選択肢も多いのです。

しかし普段の買い物のお釣りを投資に気軽に回せるのはお釣り投資アプリの強みです。

そもそもお釣り投資はサービスの対象、セグメントがネット証券とは異なる投資チャンネルです。

本格的に投資をする人にはお釣り投資は物足りないかもしれません。

しかし投資を気軽にはじめてみたい人にはお釣り投資のサービスには妙味があります。

文・田守正彦/提供元・THE21オンライン

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