多くの人がマンションや住宅を購入するときに、利用するのが住宅ローンだが「変動金利」と「固定金利」のどちらを選べば良いのか決めるのは難しさがある。結局のところ、投資商品と同じで「変動金利」と「固定金利」のどちらを選べば有利なのか予め決まっているものではなく、将来の金利動向によって変わってしまう。そこで、ここでは「変動金利」と「固定金利」のどちらが元本が早く減るのか?減りにくいのか?の観点で解説していきたい。

元本が減りやすいのは「変動金利」減りにくいのが「固定金利」

「変動金利」と「固定金利」のどちらが元本が早く減るのか?まず、結論から述べると住宅ローンの返済当初は「変動金利」の方が先に元本が減っていき「固定金利」の方が元本が減るのが遅い。これは、基本的にどこの金融機関で借りようとも変わらないと思っていい。なぜならば、現在の住宅ローンの金利は基本的にはどこの金融機関も「変動金利」と「固定金利」では「変動金利」の方が金利が低く抑えられているためである。

例えば、わかりやすい具体例を挙げると毎月の返済額が10万円だとすると、その10万円からまず金利を支払い、残った金額を元本の返済に充てるようになっている。「変動金利」の方が金利が低いということは10万円の内、支払った金利が5,000円だとすると9万5,000円が元本の返済に充てられることとなる。

一方で「固定金利」の方が金利が高いため10万円の内、支払った金利が1万円だとすると9万円しか元本の返済に充てることが出来なくなってしまう。つまり、金利が低いということは単純に支払うお金が少なくなるということだけではなく、当たり前の話ではあるが、元本が減りやすくなるということでもあるのだ。できるだけ、返済当初の時期は元本をガッツリと減らしたいという人には金利が低い「変動金利」がオススメだと言えるだろう。

変動金利のデメリットとは?

ただ、「変動金利」のデメリットもしっかりと押さえておいてほしい。「変動金利」のデメリットとはその名前の通り、金利が変動してしまうリスクがあることである。「そんなことは知っている」という読者の方も多いだろう。デメリットもしっかりとおさえるということは具体的に何をすれば良いのだろうか。

それは、過去どのくらいまで住宅ローンの金利が高くなったのかを把握することも大事なことのひとつである。それでは、過去住宅ローンの最高の金利はどのくらいだったのだろうか。住宅ローンの金利は各金融機関によって若干異なるため、ここでは住宅金融支援機構のデータを引用したものを挙げると平成3年の住宅ローンの金利が8%超となっている。平成3年というとバブル経済の終焉の時期であったが、この程度の住宅ローンの金利になる可能性は十分にあると言える。

この事から、もし変動金利を選ぶ場合は、万が一、再度バブル経済のように金利が跳ね上がり、住宅ローンの金利が8%超になった場合でも、返済ができるような資金計画を持っておくことが望ましい。実際に住宅金融支援機構のグラフを見てみると分かる通り、金利が上昇する時は穏やかに上昇するのではなく、平成2年~3年の間のように1年で数%程度ほど急激に上昇することも考えられる。

結局のところ、住宅ローンは金融商品である

結局のところ、「変動金利」と「固定金利」のどちらが有利なのか、今の時点で断定することは誰にも出来ない。最終的にどちらを選ぶのかは金融商品と同じく、投資のようなものだ。例えば、今後、政策金利などの動きよって住宅ローンの金利が上がっていけば固定金利の方が有利だったということになるだろうし、今の住宅ローンの金利のように低金利が続いていけば変動金利の方がよかったということにもなる。そのため、金融商品と同じくそれぞれのメリットとデメリットや元本の減りやすさなどをふまえて、自分にあった金利を選びたいものである。

文・MONEY TIMES 編集部

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